福島第1原発の事故により、周辺の5店舗の営業が不能になったとして、ドラッグストア「ツルハドラッグ」を展開するツルハ(札幌市)が東京電力に約12億4600万円の損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は18日、東京電力に約2億円の損害賠償を支払うよう命じる判決を下した。日本経済新聞などが伝えた。
同紙によると、ツルハ側は、事故後10年分として10億円超の逸失利益を主張したが、今回の判決では、事故後1年分の休業損害とその後の2年分の逸失利益の計3年分の賠償が認められた。
全国展開するツルハが柔軟に新規出店・閉店する戦略を取っていることから、他店の収益で損失を補えると判断され、また、福島県内の他店で避難した住民によるとみられる増益もあり、建物や備品の損害などと合わせ賠償額が決められたという。
読売新聞によると、今回の判決は、原発事故をめぐる訴訟で、全国展開する企業へ対する初めての司法判断とみられるという。
ツルハのホームページによると、ツルハは現在、ツルハドラッグを全国で1042店舗展開しており、福島県内には76店舗ある。両紙によると、原発事故により、原発から20キロ圏内の1市3町にあった計5店舗が閉店した。