キリスト教徒に対する残忍な暴力に「深いショック」広がる 衝突で数百人死亡 ナイジェリア

2016年3月9日22時50分 翻訳者 : 木下優紀 印刷
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ボコ・ハラムによる襲撃を受け、ナイジェリア北部と国境を接するニジェールに国境を越えて逃れてきた難民たち。写真は、ディファ地域にある国境沿いの村ボソで、国連世界食糧計画(WFP)による食糧配給が行われている様子(写真:欧州委員会人道援助局 / アノーク・デラフォートリエ)

ナイジェリアが過激派組織「ボコ・ハラム」などとの戦闘を繰り広げる中、ナイジェリアの中央ベルト地帯で発生しているフラニ族イスラム教徒による襲撃で、数百人が殺害され、キリスト教徒は重点的に標的とされているという報道が多くなされている。

BBCニュースによると、ナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領は、幾つかの村で合わせて数百人の死者が出るほどの暴力の規模に「深いショック」を受けていると表明し、牧畜民のフラニ族とナイジェリア中東部ベヌエ州の農民との間の民族間衝突について調査を命じた。

ブハリ大統領は、「私たちは実際に何が起こったのかを知るために、調査を指揮します。この暴力を一度に、かつ永続的に終結させる唯一の方法は、一つの事件を精査しその先を見据え、どんな要素が対立の背後にあるのかを確かめることです」と語り、「私たちは皆一つの国家、一つの国民です。ナイジェリアの全ての民族は、これまで何十年にもわたって共に生活してきたのに、今になって共に住むことができなくなるようなどんな理由も存在すべきではありません」と述べた。

この襲撃によって、村民約7千人が追放されたとも報じられた。

国際キリスト教コンサーン(ICC)などの迫害監視団体は、これらの暴力の多くがナイジェリア人口の約半数を占めるキリスト教徒を標的としていることを指摘した。

ICCアフリカ支部長のトロイ・オーガスティン氏は、「牧畜民のフラニ族がナイジェリアの中央ベルト地帯に住むキリスト教徒に対して野蛮な暴力を振るい続けているその残虐性の程度は、もはや低いとすることはできません。ICCは、人類の悲劇と暴虐の中にあって、この地域で現在も進行するこの組織的な人口減少を非難します。一連の襲撃のそれぞれが同じ悲劇の物語を語る中、キリスト教徒は恐怖の中で、放火、なたによる暴力、銃撃などの脅威に継続して晒(さら)されています」と話した。

「この地域でキリスト教徒が耐え続けている暴力が頻度と野蛮さを増していくのを目の当たりにし、現実に人が亡くなっていることやキリスト教徒が置かれている苦難に対して鈍感になってはなりません。ナイジェリア当局は、これらの犯罪を処罰することなく放置したり、単なる資源をめぐる争いや歴史的な民族間の緊張だと都合良く見なさず、いかなる原因があろうとも、生命や財産に対する脅威から全てのナイジェリア国民を守るという初めの任務に従うべきです」

ICCは、ナイジェリア当局が一連の襲撃を、牧草地か農地かをめぐる土地にまつわる歴史的な争いと見ており、キリスト教徒を標的としていることを直視していないと述べた。

しかし、2015年には、フラニ族による大量殺人の報告が幾つかあった。同年5月のプラトー州での襲撃では70人以上のキリスト教徒が殺害され、教会堂や家屋に放火された。

ナイジェリアの新聞社「ガーディアン」のシニアジャーナリストで専務のエメカ・イゼゼ氏は取材に対し、一連の事件は国内外で広く報じられていないと述べ、政府はこの問題を取り扱うことに失敗していると指摘した。

イゼゼ氏は、「政府は十分な対処をしていません。荒廃しつつある治安状況を否定しているか、軽く見なしているかです」と述べた。

イゼゼ氏は、ボコ・ハラムとフラニ族の間に幾ばくかの関連があること、またボコ・ハラムの戦闘員の多くは民族的、文化的にカヌリ族に属しているが、村々に対する襲撃の一部を牧畜民に偽装して行っていることを明かした。

さらに、フラニ族の一部は警察の尋問の中で、ボコ・ハラムのメンバーであることを認めた。

当時イゼゼ氏は、「これまで、誰もこの二者の間のつながりの線を描くことができませんでした。しかし彼らの活動は、特にキリスト教徒や教会に対する襲撃で最大限の混乱を引き起こすという点で類似しています」と語った。

ICCの報告によると、ICCはナイジェリア政府に対し、たとえ盗まれた家畜を所持していたことが証明されたとしても、一連の襲撃の責任の一部をキリスト教徒の農家に帰すことをやめるよう呼び掛けている。

ICCは、「たとえ家畜の盗難被害という未確認の報告が報復の端緒であったことが真実だったとしても、フラニ族がナイジェリア中央ベルト地帯で起こしている苦難の範囲や規模は非常に不釣り合いな応答です。故に、その説明は合理的な信ぴょう性を欠きます」とコメントした。

※この記事はクリスチャンポストの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。

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