“原発反対は教会のタブーになっている” 「八幡浜・原発から子どもを守る女の会」代表・斉間淳子さん

2015年11月6日17時48分 記者 : 行本尚史 印刷
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集会宣言を採択する「STOP伊方再稼働!全国集会 in 松山」の参加者たち=1日、城山公園やすらぎ広場(愛媛県松山市堀)で

「STOP伊方再稼働!全国集会 in 松山」で発言した日本基督教団八幡浜教会(愛媛県八幡浜市)会員の斉間淳子さん(「八幡浜・原発から子どもを守る女の会」代表)も1日、本紙に対し、「原発反対は教会のタブーになっている」と語った。

伊方原発から約10キロ離れた八幡浜市に住む斉間さんは、「牧師先生たちは原発に反対だけど、信者さんの中にはやっぱり四電(四国電力)に関わりのある人がたくさんいるし、うちの兄なんかも四電に(働きに)行きおったしね。でも、クリスチャンだったんですよ。教会は、地域としては一つにはなれんのよ。そやから、あんまり『原発反対、原発反対』いうことを声高に教会の中で言いにくい。私を見たら、『原発に反対してるんよね』って言ってはくれるけどね。それまでや」と話した。

1943年生まれの斉間さんは今年4月、伊方原発運転差し止め請求訴訟の意見陳述書で、40年に及ぶ伊方原発周辺の住民たちの闘いや自身の関わりを振り返りつつ、「四国電力は再稼働の申請を取り下げるべきです。また松山地裁におきましては、いっこくも早く伊方原発の運転差し止めの判決を出してくださいますようお願いいたします」などと述べている。

斉間さんはまた、『原発とキリスト教』(新教出版社、2011年)で、「伊方原発の地元で神を呼び求める」という文章を書いている。それよると、『原発の来た町―原発はこうして建てられた 伊方原発の30年』(南海日日新聞社、2002年)を著した夫の満さんは、2006年に天に召される2年前に日本基督教団三瓶(みかめ)教会(愛媛県西予市)で洗礼を受けたという。

満さんは同書の中で、「この伊方の歴史をどうしても残さなければならない。原発がどのようにして建てられていったかを伝えなければならない。サタンの火は伊方に如何(いか)にして入り込んできたかを多くの人に知らせたい」と、自らが社主を務めていた南海日日新聞に2001年11月から連載されていた記事を、同書にまとめたことを記している。この本は、2006年にインターネット上で再版され、伊方原発をめぐる地元の歴史が詳細かつ克明に記されている。

斉間さんは1日の全国集会で、南海日日新聞の元記者で10月15日に亡くなった伊方原発反対八西連絡協議会事務局担当の近藤誠さんの遺影を胸に、近藤さんが原発をなくそうと病床で最期まで訴え続けたことを報告した。

一方、四国電力は、伊方原発の近くに伊方ビジターズハウスを1978年に開設し、伊方原発を疑似体験する展示などを通じて、同原発に関する広報活動を行っている。JR八幡浜駅前から伊方原発と同ハウスに本紙記者を案内したタクシーの運転手は、「伊方(原発)は来年の春ごろに稼働すると思いますよ」と平然とした声で語った。

しかし、伊方原発運転差し止め請求訴訟で原告側の現地弁護士を務める中川創太氏は1日の全国集会で、四国電力の主張について「どうしても許すことができない」こととして、「四国電力は、平成27(2015)年8月26日付の準備書面において、『伊方原発では安全確保対策を十分に講じているから、放射性物質の危険性が顕在化する事故が発生する具体的可能性はない。従って、過酷事故対策や防災計画の不備があったとしても、それは周辺住民の生命身体の安全に直結するものではないから、それらの不備は運転差し止めの理由にならない』。こういう主張を公然としている」と指摘した。

その上で中川氏は、「いかなる事故防止対策を講じても、巨大地震、戦争、テロなど、外部的な事象によって過酷事故が発生することを100パーセント防止するということは不可能です」と批判。「シビアアクシデント(過酷事故)対策や防災計画が、住民の命・健康に直結する切実な問題であることは明白です。これが全部されない限り、再稼働など絶対に許すことはできません」と強調し、「四国電力の主張は、福島原発事故の痛切な教訓を全く無視したものです」と語った。

1日の全国集会には約4000人(主催者発表)が参加し、「原発再稼働は、人間の知性と倫理の堕落です」「再稼働推進という国策に、私たちは毅然(きぜん)と立ち向かい、伊方原発3号機の再稼働阻止のために、全力で闘うことを決議します」などとする集会決議を採択した。

“原発反対は教会のタブーになっている” 「原発から子どもを守る女の会」代表・斉間淳子さん
JR八幡浜駅前にあるみかんの広場=10月31日撮影

その後、この集会で須藤牧師は「原発再稼働許さん!!」と書かれたプラカードを、参加者と共に一斉に掲げて2度声を上げた。そして閉会のあいさつで、「裁判に勝つことを信じている。福島の現実を忘れないで、一生懸命闘っていきましょう。必ず勝利する。再稼働阻止の旗は揚がる」と声を張り上げ、「もしそうでなかったとしても、50年後、100年後の歴史家は、あの時集まった原発反対の人たちは本当に素晴らしかったということを証明してくれるでしょう」と語った。

この日、須藤牧師は、「福島の現実を忘れないために」と、原発に関する集会でいつも着るという、白いワイシャツと赤のネクタイ、愛媛県宇和島産の真珠のネクタイピンを身に着けていた。「赤は福島で流された血。真珠は福島で流された涙だ」と須藤牧師は語っていた。

集会後、参加者たちは松山の市街地をデモ行進し、斉間さんは途中までその先頭を歩いた。参加者たちは「伊方原発再稼働反対!命を守れ!みかんを守れ!魚を守れ!」などと声を上げて訴えていた。

※ 記事中の南海日日新聞は八幡浜市で2008年まで発行されていたローカル紙で、鹿児島県奄美市に会社がある同名の新聞とは別の新聞である。

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