クリスチャンの「ものづくり」を応援 ギフトカタログ『たらんと』11月にも発売

2015年8月5日19時36分 記者 : 坂本直子 印刷
+クリスチャンの「ものづくり」を応援 ギフトカタログ『たらんと』11月にも発売
フェスティバル前半に行われた「たらんと活用セミナー」の様子。壁際にはブースが設けられ出品者の商品が並んだ=1日、東中野キングス・ガーデン(東京都中野区)で

キリスト教業界で活動する福祉作業所や企業、自営業のクリスチャンの人たちを応援するイベント「たらんとフェスティバル」が1日、東中野キングス・ガーデン(東京都中野区)で開催され、延べ約150人が集まった。今回のイベントは、主催者である『たらんと』制作委員会が計画を進めるギフトカタログ『たらんと』の制作に向けてのキックオフイベントでもあり、説明会も開かれ、「クリスチャンによる」「クリスチャンに向けた」ギフトカタログの制作に向けてのスタートを切った。

良いものを作っているけれども、なかなか売れない――。これは、「ものづくり」に取り組むキリスト教企業や団体、個人の共通の悩み。ギフトカタログ『たらんと』は、ものづくりをしているクリスチャンを応援しようと企画された。どうすれば良いものを作り、流通させ、かつ利益になるか。フェスティバル前半では、ものづくりやネットワークづくりの第一線で活躍する「べてぶくろ」主宰の向谷地宣明(むかいやち・のりあき)さんと、新宿の和菓子司「栄光堂」の片岡文子さんによる「たらんと活用セミナー」が行われた。

向谷地さんは、北海道浦河町の「べてるの家」を創設した向谷地生良(いくよし)さんの長男で、べてるの家で作られた商品を扱う株式会社エムシーメディアン(東京都豊島区)の代表取締役などを務めている。べてるの家では、精神障害を抱えた人たちが特産の日高昆布の産地直送で起業し、社会進出に成功している。「お金儲け」に対してある種の後ろめたさを感じる雰囲気がある中で、べてるの家が「商売」をしていることについて、向谷地さんは、「お金儲けをしよう」と言った途端に、べてるの家の人たちのモチベーションが上がったことを紹介し、会場を沸かせた。

クリスチャンたちの「ものづくり」を応援 ギフトカタログ『たらんと』11月にも発売
「べてぶくろ」主宰の向谷地宣明(むかいやち・のりあき)さん(左)と、新宿の和菓子司「栄光堂」の片岡文子さん

ただ商売をする以前に、浦河町という人口1万2千人程度の小さな町で、精神障害を抱えた人たちがどうやって社会復帰できるかという問題があった。その時に合言葉にしたのが「苦労を取り戻せ」で、「病気をしていても苦労する権利はある。町の人たちがする苦労を一緒に経験する」という意識を持ち、商売を始めたという。

障がい者の施設を作ると言うと反対する人が多かったが、「べてるの家では、昆布を売ります」と言うと、反対する人はいなかったという。向谷地さんは「そういう意味で経済というのはすごく便利で、1万円を握り締めてレジの前に立てば、誰であろうと皆同じ経済価値で認められる」と言い、同じ経済活動をする中で、町の人たちとつながりができ、交流を深めてきたことを話した。

一方、片岡さんは、幼稚園の教諭から和菓子司「栄光堂」に嫁ぎ、現在に至る。全く別の世界に入ったことでギャップはなかったかとの質問に、「仕事の内容は全く違ったが、両方とも人を大事にすることでは同じ」と言い、「和菓子屋に嫁いだことで応援してくれる人が増え、幼稚園で働いていた頃よりクリスチャンとのつながりが増えた」と語った。商売とクリスチャンであることの折り合いを聞かれると、「買わなかったら損という気持ちで、皆が欲しいものを作る。少しでも自信が持てないものは売らない」と、クリスチャンとして商売に臨む姿勢を語った。

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出店ブースの一つ。ブライダル用の花束やリースなどが売られている。

栄光堂では「ハレルヤ饅頭(まんじゅう)」という商品が大ヒットした。これも片岡さんのアイデアだ。どうすれば製品を広めることができるのかと聞かれ、「初め、私を応援するということでクリスチャンの知り合いが買いに来てくれた。次はそういう『お付き合い』はなく、『おいしかったからまた来た』と言ってもらえるようにしたかった」と言い、リピーターになってもらうには努力する姿勢が大事だとも話した。また、一昨年末に亡くなった精神科医の平山正実氏と共に活動をしていた「フィリアの会」(旧:身体障がい者入所施設をつくる会)での経験から、地元とのつながりを持つことの大切さについても伝えた。

べてるの家の一番の営業力は「手紙」だ。品物を発送するときに必ず手書きのハガキを入れるようにしている。1枚に30分くらいかけて書き上げて送っている。向谷地さんは、べてるの家をめぐる課題は山ほどあると言う。医療的な問題、精神保健のケアの仕組みなど、数えればきりがない。寄付・献金の文化を持つ欧米を参考に、財源の作り方をもっと工夫して、福祉の在り方をどう変えていけるか挑戦していきたいと今後の抱負を語った。

片岡さんは、栄光堂での仕事と並行して、平山氏が亡くなったことで一時休止しているフィリアの会を再開させたいと言う。そのための資金集めとして、自分で「葡萄(ブドウ)の樹(ジュ)エリー」というアクセサリー制作し、売っていきたいと語った。また、目標はべてるの家だと明かし、今後協力して何かできればと話した。

クリスチャンたちの「ものづくり」を応援 ギフトカタログ『たらんと』11月にも発売
この日は26店がブースを出店した。当初予定していた17店を超る大盛況で、商品の販売以外にも出店者同士の交流も行われた。

セミナーの後、ギフトカタログ『たらんと』について、仕組みや特徴について詳しい説明が行われた。今後は、掲載商品の撮影、商品画像や情報の入稿・校正を経て、10月末にはカタログを完成させ、11月にはカタログの販売を開始する予定だという。『たらんと』は、「掲載商品は全てクリスチャンが作ったもの」ということを強調し、他のギフトカタログと差別化を図っていくという。

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