「二度と繰り返さない カンダマルの日」集会、インド各地で開かれる

2014年8月29日20時48分 記者 : 行本尚史 印刷
+「二度と繰り返さない カンダマルの日」集会、インド各地で開かれる
インドの首都ニューデリーの国会議事堂近くで行われた集会で語るアント・アッカラ氏=25日(写真:スレッシュ・マシュー神父撮影、アント・アッカラ氏提供)

2008年にインド南東部のオリッサ州カンダマル地区で起きたキリスト教徒に対する暴動から6周年を迎えた8月25日、その犠牲者や生存者の正義を求めようと、「二度と繰り返さない カンダマルの日」と題する集会が、カンダマルや首都ニューデリー、ムンバイやバンガロールなどの都市、および部族地域などで全国的に行われた。インド教会協議会(NCCI)が公式サイトで伝えた。

集会の発題者たちは、過去の犯罪に立ち向かうために緊急の行動を取り、カンダマルの共同体に対する暴力の犯人たちを罰しなければならないと述べた。そして、この問題が無視されている限り、刑罰免除が続き、共同体を分断する精神構造が免じ続けられるとした。

デリーでの集会では、カンダマルの暴動で生き残った被害者たちによる次の6つの要求を支持した。1)でっちあげの容疑をかけられ、非合法活動予防法(UAPA)という厳しい法律の適用などに直面している、全ての被害者たちを即時釈放すること、2)カンダマルの暴力について責任がある全ての犯人に対する適切な法的措置、3)カンダマルの先住民族やダリット(不可触民)たちの信仰や文化、言語、価値、宗教の保護、4)この暴力に直接的または間接的に関わった、あるいはそれを助長した政治家や組織に対する厳しい行動、5)政権や警察機構の役割について調べるために、高いレベルの特別調査団を設置し、警察と政権の怠慢や任務について必要な行動を開始すること、6)(暴動による)悪影響を受けたカンダマルの全ての人々や団体に対する適切な補償。

一方この日、インド福音同盟(EFI)も25日を迎えて、「カンダマル:二度と繰り返さない」と題する声明文を発表した。

EFIは声明で、「カンダマルの大虐殺6周年の日にあたって、インド福音同盟は、2008年にインド東部のオリッサ州カンダマル地区で起きた暴力の被害者たちと連帯します」と述べた。また、「インド福音同盟は中央政府とオリッサの政府に対し、インドの宗教的少数者の権利を必ず守り、暴力や憎悪犯罪に責任のある者たちに対して厳しい行動を必ず行うために、積極的な措置をとるよう要求します」と求めた。

カンダマルに関する調査報道で昨年に国際キリスト教メディア機構(ICOM)からジャーナリズム国際人権賞を受賞した、インドのキリスト教ジャーナリストでカトリック信徒のアント・アッカラ氏の著書によると、カンダマルでは2007年のクリスマスに、100を超える教会が神聖を汚され、キリスト教施設が略奪、破壊され、数百もの家屋が丸焼けにされたという。

それによると、これらの攻撃はヒンドゥー教原理主義者の一味によって主導された。また、それは山岳地帯で40年間キリスト教に対するしつこい運動を行なってきた彼らの指導者であるスワミ・ラクシュマナナンダ・サラスワティ氏を、キリスト教徒たちが「攻撃」したという噂に基づくものだという。同氏は2008年8月23日の夜に殺された。

アッカラ氏によると、教会やキリスト教団体はサラスワティ氏が殺されたことを即座に非難したが、ヒンドゥー教国家主義者の諸団体は、その殺人がキリスト教徒による共謀だと断固として譲らなかったという。

そして同年8月25日にカンダマルで暴動が起き、その結果、カンダマルのキリスト教徒たちは、オリッサ州政府の統計では38人、複数のキリスト教団体によると100人が殉教した。放火犯たちはカンダマル地区に7654キロ四方にわたって広がる約2300の村々のうち、415の村でキリスト教徒たちを標的として略奪を行なった。このインド史上最悪のキリスト教徒に対する迫害で、同地区にいた11万7千人のキリスト教徒のうちの半数近くが住む家を失ったという。

アッカラ氏はインドの英文週刊誌『インディアン・カレンツ』で、「6年経って カンダマルの正義の茶番劇」という記事を著し、「(サラスワティ氏の)殺害の前に起きた奇妙な出来事の連続と、その葬儀の前に『キリスト教徒の共謀』を示す重大な証拠とされる怪しい『教会の決議』がすぐに出てきたことで、国民の前に一つの疑問を投げかけざるを得ない。つまり、スワミ・ラクシュマナナンダ・サラスワティ氏の殺害の背後に誰がいたのか?」と追及した。

なお、インドの英文ニュースサイト「マターズ・インディア」が今月16日に報じたところによると、カンダマル事件に関するアッカラ氏の英語による著書『21世紀の初期キリスト教徒たち('Early Christians of 21st Century')』のヒンディー語訳が出版されたという。

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