イスラム教にも容赦しない武装勢力ISIS

2014年7月28日22時58分 印刷

【CJC=東京】イスラム教スンニ派の過激組織「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)がイスラム国家の樹立を目指し、他の宗派や宗教の排除を進めている。イラク北部ニーナワー県の都市モスルにある「ナビ・ユヌス・モスク」を7月24日爆破したのもその一環。このモスクにはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の預言者ヨナ(イスラム教ではユヌスと呼ばれる)が埋葬されていると言われる廟があった。

モスル市民のほとんどはスンニ派だが、モスルは宗教の多様性と寛容さを象徴する都市だった。モスルがあるニーナワー県はネストリウス派キリスト教の中心地でもある。ヨナの廟がモスクの中にあるということ自体が多様な宗教の共存を示していた。

モスクは大きな爆発音とともに崩壊し、砂とほこりが雲のように空中に舞い上がった。同地在住の歯科医オマール・イブラヒムさんは「砂になってしまった。他の墓も寺院もみんなそうだ。でも、預言者ユヌスは特別だ。モスルの象徴だった」と米紙ウォールストリート・ジャーナル紙に語った。イブラヒムさんはスンニ派だが「心の底から嘆き悲しんだ」と言う。

大きな階段と黄灰色の床が特色のイラクには珍しい建築様式のモスクにはイラク中から人々が訪れ、祈りを捧げていた。礼拝堂の入り口にはコーランの言葉が刻まれていた。

ISISなどスンニ派の超保守的な組織は、寺院や墓を敬うことを神聖な行為ではないとしている。ムハマンド以外の預言者を崇めることも非難の対象になる。モスルではシーア派の礼拝所が破壊され、博物館も襲撃された。

イラク担当のニコライ・ムラデノフ国連事務局長特別代表(イラク担当)は25日、モスルのモスク破壊ついて、「テロリスト集団がイラク共有の遺産とアイデンティティを打ち砕こうとした行為」だと述べた。

モスルのカルデア典礼カトリック教会のエミール・ノナ大主教は、かつて修道院だったものが、その後、モスクになったとして、「ナビ・ユヌスはこの地域で一番有名なモスクだった。破壊されてしまってとても残念だ」と米紙に語っている。

※この記事はCJC通信の提供記事を一部編集して掲載したものです。

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