「エーゴってなんずら?」 聖書入門&聖書で学ぶ英語を考える

2014年7月22日12時32分 記者 : 行本尚史 印刷
+「エーゴってなんずら?」 聖書入門&聖書で学ぶ英語を考える
『The Learning Bible - Contemporary English Version』の見開き。左下に設問、右側に解説資料が付いていて、とても色彩豊か。

赤毛のアン』などの翻訳家として知られるあの村岡花子さんも、NHKの連続テレビ小説「花子とアン」では最初、「エーゴってなんずら?」(第2週)で始まったとされた英語学習。事実、「花子はABCで始まるアルファベットの読み方さえ知らなかった」と、「花子とアン」の原案である村岡恵理著『アンのゆりかご』(新潮文庫、2011年)には記されている。

欧米のプロテスタントの宣教師たちが1870年代に英語による外国人向けの教会を、東京や横浜、神戸などで始めてから約140年。花子さんも受けた英語圏からの宣教師たちが創立したミッションスクールでの英語教育など、近代以降の日本のキリスト教の歴史は英語と密接な関係がある。戦後は特にアメリカの影響を強く受けてきた日本も、今日ではグローバル化した世界の中で、過疎化した地域に嫁いできたり移住労働者として日本にやって来た人たちが自ら教会を形成したり、あるいは難民認定を求める人たちが教会に助けを求めてきたりするなど、国境を超えた人の移動が増えている。また、そこに本国から宣教師が派遣されたり、日本語の教会が英語でもミサや礼拝を行ったり、教会で英会話教室を開くなどして、そうした傾向に対応する事例が見られる。「ミッション・ネットワーク・ニュース」という英字のキリスト教メディアは、「Christians use English to reach Japanese Youth(日本の青年へたどり着こうと英語を使うクリスチャンたち)」(2007年9月3日)という記事を掲載し、紹介している。

もちろん、英語だけが国際語なのではない。それに、英語の歴史は支配の歴史と結びついているという見方もある。とは言え、好むと好まざるにかかわらず、キリスト教の国際組織や国際的な教会会議・集会などでは英語が共通語の一つであることが多く、そうしたところで日本の教会からの発信や貢献をするには、やはり英語を学ぶことは避けて通れない。そして、国境を超えた祈りやキリスト教ニュースに英語が使われることも多い。それらの中で、英語の聖書は基礎的な位置を占めている。

日本の教会ではもっぱら日本語の聖書が主流であるとは言え、「聖書は初めて」という人たちの中には、英語の聖書に関心を持つ人たちも少なくない。そこで出てくるのが、聖書の入門的な学びと英語の学びを兼ね合わせるという方法だ。しかし、英語の聖書に関する授業がある学校や、ネイティブスピーカーの英語教師がいる教会はともかく、他の教会では必ずしもその方法が広く共有されているとは限らないようである。それでは、花子さんも愛読した英語の聖書を読めるようになるにはどうしたらよいのか?そして、聖書で英語を学ぶにはどうすればよいのだろうか?

独学で英語の聖書を学んだという何人かの人たちに聞いてみると、Audio Bible などと呼ばれる英語の朗読聖書CDを繰り返し聞きながら聖書の言葉を暗唱したりしているという。アマゾン・ジャパンでは、例えば、Faith Comes By Hearing(FCBH)という米国の宣教団体が、英語聖書の一つである『Contemporary English Version(CEV)』の朗読を音楽や効果音の入った劇仕立て(dramatized)にしたものを安価でダウンロードできるかたちで提供している(リンク)。

また、米国聖書協会で数年前まで出版されていた『The Learning Bible - Contemporary English Version』(米アマゾンではその中身を一部見られる)は、設問や図表・絵・写真など色彩豊かな資料が豊富に収められている。これは、日本聖書協会の『聖書 スタディ版』(新共同訳)の元になっている上、分かりやすい話し言葉で書かれているため、聖書に基づいた英会話にも役立つ。CEVは、米国では小学生や移民が学習する程度の英語だが、日本では高校英語程度の基礎を必要とする。

花子さんが学んだ学校のように、英語で生活する環境にある人がネイティブスピーカーから直接学ぶ機会が常にあるならともかく、そういう環境のない、日本語で生まれ育った人たちの場合は、日本語を介して高校程度の英文法に加えて、英語と日本語の語順の違い、英語の発音にある母音のリズムの法則を踏まえた基礎学習が必要であることを、同時通訳方式の英語教材で知られる東京SIM外語研究所の設立者でクリスチャンのダン上野氏とその後継者であるダン上野Jr所長は強調している。

発音は、英語の聖書では特に人名や地名などの固有名詞を学ぶ際に特に重要となる。これは、英語による説教を聴き取る際にも、英語で聖歌や賛美歌などを歌う場合にも欠かせない。中でも、英語の辞書に出ていない固有名詞の発音になると、英語の朗読聖書CDは大きな助けとなる。

また、花子さんのように、ある程度英語が読めるようになった段階で英英辞典も使うと、英語を英語で考えることができるようになる。

筆者の場合、それらの基礎を身につけた上で、巻末に聖書用語の解説集がついた福音書の入門書『イエスと出会う―福音書を読む』(教文館、1997年、新共同訳を使用)と、そのフランス語原書の英訳でCEVからの抜粋が引用されている『Experience Jesus Today: Understanding The Gospel』(American Bible Society、1995/2000、絶版)を、上記の『The Learning Bible』やFCBHのMP3-CDと併用し、ICレコーダーやパソコンのソフトウェアで再生速度を変えては携帯メディアで繰り返し聴いて暗唱していた。また、分からない単語の意味はロングマンのように分かりやすい学習用の英英辞典で調べては、『The Learning Bible』に直接書き込んでいた。

CEVとほぼ同じ程度にわかりやすい英語聖書では、ほかに『Good News Bible(GNB)』や『New International Reader's Version(NIrV)』『New Century Version(NCV)』、日本語訳もある『Living Bible』や『New Living Translation(NLT)』などがある。『Bible navi(バイブルナビ)』(いのちのことば社、2011年)を、その原書である『Life Application Study Bible』に多いNLTと併用するのも一案かもしれない。

さらに高度な大人の日常会話体で書かれた英語聖書に、ユージン・ピーターソン(Eugene H. Peterson)牧師の私訳である『The Message』や、その新版である『The Message / Remix』があり、最近ではそのスタディ・バイブルもある(注解はあまり多くないが)。その訳は独特だが、クリスチャンの英語教師の中にはそれらを英語学習用に勧める人もいる。英語圏の教会で幅広く使われている『New International Version (NIV)』や『New Revised Standard Version(NRSV)』などと一緒にこれを読む人もおり、それらと同じ訳の朗読聖書CDを併せて使うのも一つの方法だろう。

英語聖書の欽定訳である『King James Version(KJV)』になると、17世紀の文語的な英語に関する知識が必要となり、初心者がそれを英語学習にすぐに役立てるのは非常に難しい。もっとも、最近ではKJVのより新しい訳も出ている。その他、英語聖書は一説によれば100種類を超えると言われるほど多種多様で、その世界は幅広く奥が深い。

さらに、聖書に基づいた英語の映画を観たり、その台本や原作を読むという方法もある。また、キリスト教に関する英語のDVDを観る人たちもいる。そして、英語聖書の場合、祈りの資料が付いたデボーショナル・バイブル(devotional Bible)を、注解や解説がついたスタディバイブルと併用することもできる。それから、iPhoneなどの携帯メディア用ソフトウェアにある英語聖書や、BibleGateway.comのようなインターネット上にある英語聖書を使う人もいる。もちろん、花子さんのように膨大な量の読書も必要だろう。

皆さんは、聖書と英語をどのように学ぶだろうか?

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