【CJC=東京】米国務省は5月20日、世界の信教の自由に関する2012年版の報告書を発表した。トルコやベトナムで状況が改善したとの見方を示す一方、公権力が特定の宗教の信者を弾圧していることなどを理由に中国、サウジアラビア、北朝鮮、イラン、ミャンマー、エリトリア、スーダン、ウズベキスタンの8カ国を「特に懸念される国」に指定し、信教の自由を保障するよう求めた。
報告書は11年版に引き続き、中国について、チベット、新疆ウイグル両自治区の状況に懸念を示し、「信教の自由を尊重する姿勢が後退した」と中国政府を批判した。特にチベットでは「公権力による激しい弾圧」に抗議する仏教徒の焼身自殺が昨年1年間で83人に上ったことを問題視した。
また、ベネズエラ、エジプト、イランなどで反ユダヤ主義が公権力によって扇動されている事態に強い懸念を示した。
報告書は、トルコで宗教的な服装に関する規制が緩和されたこと、ベトナムで10万人以上の大規模な宗教集会が許可されるようになったことなどを評価している。
15年前、上院議員として同報告書の作成を義務付ける法案の成立に尽力したジョン・ケリー国務長官は、今年の結果発表に当たって「宗教の自由の現状をはっきりと客観的に見た報告だ」と述べ、各国との利害関係にかかわらず率直な意見が書かれていると強調した。「特に報告書で特定された国に対し、直ちに行動するよう促している」と述べ、今後も中国などに信教の自由擁護に向けた具体的な方策を求めていく考え。
日本については、概評では信教の自由が維持されていると評価したものの、「第3部」で、統一教会に入会した人への「脱洗脳」を扱っており、女性信者が信教の自由及び名誉感情を著しく侵害する指導教官の不法行為によって精神的苦痛を被り、佐賀大学はその使用者責任を負うとして、信者が大学側を訴えたことを記載している。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
加藤常昭牧師死去、説教塾を主宰 日本基督教団隠退教師
-
根田祥一氏に賠償命令、体験談装った匿名ブログの記事拡散で本紙の名誉を毀損
-
小児がんやダウン症の子どもたちに羊の編みぐるみを がん患者の元神学生の思い
-
ミサ中に祭服に引火、神父が大やけど負い死亡 スペイン
-
“共に立ち上がろう” 復興支援コンサート「STAND TOGETHER for Relief」がスタート
-
キリスト教書店大賞、2024年のノミネート作品発表
-
ICUと東京女子大が包括協定締結、共にキリスト教リベラルアーツ教育を長年実践
-
「カリスマ聖霊刷新を力強く推進した器」 手束正昭牧師召天記念礼拝
-
ジーザスと私(12)暗雲が立ち込める 桜井知主夫
-
イエスの十字架 さとうまさこの漫画コラム(84)
-
根田祥一氏に賠償命令、体験談装った匿名ブログの記事拡散で本紙の名誉を毀損
-
東京基督教大学、朝岡勝理事長が辞任 山口陽一前学長が学長代行に
-
「カリスマ聖霊刷新を力強く推進した器」 手束正昭牧師召天記念礼拝
-
著名な無神論者のリチャード・ドーキンス氏、自身を「文化的なクリスチャン」だと語る
-
【書評】『死刑囚になったヒットマン 「前橋スナック銃乱射事件」実行犯・獄中手記』
-
小児がんやダウン症の子どもたちに羊の編みぐるみを がん患者の元神学生の思い
-
キリスト教出版社「イーグレープ」の穂森宏之社長死去 70歳
-
米メガチャーチで419人が受洗、創立40年の歴史で最多
-
シドニー郊外の教会でライブ配信中に刺傷事件、10代男が主教を襲う 4人負傷
-
加藤常昭牧師死去、説教塾を主宰 日本基督教団隠退教師