22日、23日にかけて大和カルバリ―チャペル(神奈川県大和市)でグローバルリーダーシップ・サミット(主催:GLSジャパン実行委員会)が開催された。
同サミットは地域教会の勇気あるリーダーシップをサポートしようとのビジョンで始まった。文化の激変、経済危機、貧困、災害などの問題に直面している世界にあって、誠実で、不屈のリーダー像が求められている。
世界の第一線で活躍するクリスチャンリーダーが講演
リーダーシップ・サミットでは、リーダーとしての動機付けを与え、考えを広げ、神に与えられたユニークな使命をクリスチャンそれぞれがより良く果たすことができる助けを与えるプログラムを提供している。
プログラムを通して、世界の第一線で活躍するクリスチャンリーダーの講演からインスピレーションを受け、新しい方法を学び、神がクリスチャンひとりひとりを通して崩壊した世界を救い、回復がなされていくことが願われている。
今回のサミットでは、映像スクリーンを通して米メガチャーチのウィロークリーク・コミュニティー教会主任牧師のビル・ハイベルズ氏、コンドリーザ・ライス米元国務長官、ビジネス・コンサルタントのジム・コリンズ氏らによるセミナーが行われた他、2日目の23日にはサーバント・リーダーシップ協会理事長(株式会社レアリゼ代表取締役)の真田茂人氏による講演会が行われた。
真田氏は「非営利組織におけるサーバント・リーダーシップ論」と題して講演を行い、イエス・キリストが弟子の足を洗う姿にサーバント・リーダーシップ論の本質的な考え方が示されていることを説明した。
君臨型リーダーではなく、メンバーを主役にするリーダーへ
真田氏は非営利組織におけるサーバント・リーダー像として、カリスマ型リーダーではなく、主役であるメンバーそれぞれが働きやすい環境を作れるリーダー像の必要を説いた。
またサーバント・リーダーシップで成功したグローバル企業例としてスターバックスを例に挙げ、同社の成功の秘密がサーバント・リーダーシップにあり、「人に奉仕し、人を大切にするという考え方を経営の柱に据えたことが、成功の最大の要因であった」と説明した。
他にも米大手航空会社で38年間黒字続きとなっており、米同時多発テロ事件以降もレイオフを行っていないサウスウエスト航空が「社員第一、顧客第二」のサーバント・リーダーシップ方針で企業を運営していることを紹介した。このような運営を行った結果、同社は業界の中でもっともクレームが少ない航空会社となるに至っている。
真田氏は非営利組織のリーダーシップ論として、「営利組織の目的は収益にある。非営利組織では何が目的か。何のために集まっているのか、価値観やミッションを踏まえた上で成果を設定しなければならない」と説いた。
成果=戦略×実行力
また組織を運営するにあたって「戦略」と「実行力」の双方が機能していることが必要であるが、往々にして「戦略しか考えずに実行力が無いことが多い」ことを指摘した。
真田氏は米テキサス州コペル市警察が、サーバント・リーダーシップに取り組んでいる事例を紹介した。本来警察は「公僕」であり、サーバントであるが、警察官自身の心が傷ついており、自分が傷つき、癒されていない状態で、市民に本当の奉仕をするという状態にはなれないという。そこで警察官が部下の話を傾聴することを意識的に行い、それぞれ癒されることによって、市民に対して今までにやったことがないサービスを行うようになれるようになった事例を紹介した。
さらに真田氏は、軍隊組織である米空軍でも、サーバント・リーダーシップ論が取り入れられていることを紹介した。いざ戦闘になれば、上官に命を預けなければならない軍隊にあっては、日頃のリーダーとメンバーの関わり方に信頼関係が不可欠であり、信頼関係を強化するためにも軍隊でサーバント・リーダーシップ論が取り入れられているという。
真田氏はリーダーが自制することの必要について、「権限や役職を得ると、力に振り回され、だんだん傲慢になっていく。傲慢なリーダーはサーバントリーダーとは逆の存在である。傲慢なリーダーは、リーダーが主役。自分が主人だと思っている。一方でサーバント・リーダーはメンバーのために存在している。一方通行ではなく、双方向コミュニケーションを行っている」と指摘した。
非営利組織のサーバントリーダーとして真田氏は「メンバーを信用していない姿はないか。自分が他人の力を引き出せていない姿はないか」を顧みるように促した。
人は押し付けられると反発したくなる
また愛情や正義についても、「人は押し付けられると反発したくなる。どんなにそれが正しいものであったとしても、押し付けられるということ自体が嫌なものである。(何かを)押し付けられると、瞬間的に反発したくなったり、言い訳したくなったりするものである。それが正義や愛情であればあるほど、否定することができず、(正しい考えを)押しつけたくなるが、一人一人別の人間でもある。どんなにそれが正しいことであったとしても、押し付けることは相手を尊重することではない。愛情、正義の押し売りになってしまう。相手がどう感じているか傾聴すること、これなしに(正義や愛を)伝えることはできないのではない。謙虚さを大切にし、常に相手がどのように感じ、思っているのかを意識することが必要である」と説いた。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
南・東南アジア各国で洪水・土砂崩れ、1700以上人が死亡 キリスト教団体が緊急支援
-
【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』
-
東京・銀座で牧師がトーク&ライブ「メリエストクリスマス2025」 12月25日
-
日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
ワールドミッションレポート(12月9日):ウクライナ 砲火のとどろく中で、福音は止まらない(4)
-
もしもクリスマスがなかったら 万代栄嗣
-
篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(256)聖書と考える「野原ひろし 昼メシの流儀」
-
人生を楽しもう 菅野直基
-
京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも
-
【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から
-
もしもクリスマスがなかったら 万代栄嗣
-
米最大の民間慈善財団、神学教育機関やキリスト教団体に総額1千億円超を助成
-
東京・銀座で牧師がトーク&ライブ「メリエストクリスマス2025」 12月25日
-
東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏
-
南・東南アジア各国で洪水・土砂崩れ、1700以上人が死亡 キリスト教団体が緊急支援
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」
-
英国で「路傍伝道者憲章」 相次ぐ街頭説教中の逮捕受け
-
ニカイア公会議1700周年を記念、開催の地で一致求め祈る 教皇や全地総主教らが参加
-
東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏
-
京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から
-
日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも
-
中国の大型政府非公認教会「シオン教会」の主任牧師ら18人逮捕、最大拘禁3年の可能性
-
【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』




















