17日、銀座ブロッサムホール(東京都中央区)で東京ホープチャペル内チャリティークリスマス実行委員会によるクリスマス・セレブレーションが行われた。サマリタンズ・パースおよび国際飢餓対策機構が協賛し、来場者は700人を上回った。
クリスマスメッセージでは東京ホープチャペル牧師の西田育生氏から「サマリヤの女の飢え渇き」について説教がなされた。今回のコンサートは収益金の一部を東日本大震災救援のために寄付するチャリティークリスマスゴスペルコンサートとなった。東日本大震災を受け西田氏は「今年ほどお互いの絆の大切さを感じた年はなかったのではないでしょうか。(平常時では)互いの絆は普段認識しません。全部そろっていて何でも与えられているような私たちの関係では、お互いが必要としているという事が感じられません。しかし震災を通して、誰かの支えがあって生かされているということがわかってくるようになりました。交わりを持ちながら、互いの絆をもっともっと大切にしなければなりません。けんかもするでしょう。いろいろあるでしょう。それでも家族がいてくれるから、自分があるということを再確認したいと思います」と互いの間の絆の重要性について触れた。
その後まだノンクリスチャンである聴衆に向けて、「クリスマスはイエス・キリストの誕生日です。イエス様は、私たちがただ漠然と生まれて生きているのではなく、皆一人一人に生かされている目的があり、神様の作品として私たちが造られていることを教えて下さいました。どうかクリスマスをきっかけにして、生かされている目的を考える時間を持っていただきたいと思います。2000年前にユダヤのベツレヘムでイエス様がお生まれになったことを、毎年お祝いしてきたのには、深い意味があります。『絆』という言葉を使うならば、私たちとの絆を求め、絆を確立し、変わらない愛の関係を持ちたいと願われ、イエス・キリストがこの地に来てくださいました。神様ご自身が私たちを見られたとき、私たちと交わりを持って私たちを救いたいと思われているでしょう。ひとりぼっちで悩んで苦しんでいるたくさんの私たちを見た時、神様はいてもたってもおれず、私たちの所に私たちを罪の中から救うために来られました。『私はそんなに悪い罪なんて犯していない』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の心の中には、きれいごとでは済まされない汚れた心があることを知るのではないでしょうか。表面的には立派に装っていても、心が病んで苦しんでいる人たちがたくさんいます」と呼びかけた。
その後ヨハネの福音書4章に書かれてある「サマリヤの女」の救いの御言葉について、「彼女は中東で暑い昼下がりにわざわざ水を汲みにきました。そしてサマリヤ人とは『絆』のないユダヤ人のイエス様が『水を飲ませてくれませんか?』と尋ねました。イエス様はその後『この水を汲んで飲んでも渇くが、わたしが与える水を飲む人は渇くことがありません、心の中から水がわき出てきます』と言われ、彼女に『夫をつれてきなさい』と命じられました。彼女は以前夫が5人いたが、今いる夫は本当の夫ではないことを見破られました。彼女は、自分の心の中にある痛みや悲しみ、求めて来た愛情が悉く裏切られ、町の人からはふしだらな女とみなされて相手にもされなくなっていました。そのような彼女の心の渇きに、イエス様は気づいてくださったのです。誰も関係を持とうとしないサマリヤの女と、イエス様は信頼の交わりの関係をもってくださいました。そして彼女は自分の心が軽くなるのを感じました。(町の人々は)彼女のことを批判や、責めることはするけれども、誰も彼女を受け止めることができませんでした。そのような彼女に、イエス様の言葉が水を吸うように浸みこんでいき、イエス様を信じるようになりました」と説明した。
その上で聴衆へ「みなさんはどうでしょうか。家族がいる、友もいて、まあまあ生活もうまくいっている-しかし見えるものはやがて過ぎ去ります。『これだけあれば』と思っていたものも、津波が来たら流されてしまいます。しかし見えないものは変わりません。福島第一聖書バプテスト教会の佐藤彰先生は、福島原発から5キロのところにある教会で、今回の原発事故で、教会に戻ることができなくなりました。その教会は2年前に新しい教会を立てたところでした。しかしその教会にいることができたのはわずか2年だけでした。着の身着のままで教会から避難しなければなりませんでした。何ももっていけませんでした。すぐ帰れるとみんな思いましたが、いつまでたっても帰れず、流浪の生活が始まりました。佐藤先生は『私たちのこの一年は絶望から始まった。教会に戻ることもできない。副牧師と信徒の就職の世話をしたら、身辺整理して教会を止めなければならないかもしれない』と思われたそうですが、神様は彼と教会を見捨てませんでした。何もなくなったときに、信徒さんが一緒に祈ってくれて、教会を立て上げましょうと集まってくる信徒さんが次々と現れました。さらに何かを信じたい、すがりたい、どうやったら救われるのかと救いを求める人たちが、次々と起こされるようになりました。今まで持っている時には分からなかった神様の恵みを、全てを失って初めて知るようになりました」と伝えた。
神と人間の絆について西田氏は、「人間同士の互いの絆はひびが入りやすいです。しかし神は私たちと関係を持つことで、人生を動かないようにしてくださいます。そうすることで、十字架はマイナスではなく、プラスになります。神様は『あなたと』絆を持ちたいと願っておられます。あなたの人生を作り変えたいと思って、クリスマスに来てくださいました。今まで祈ったことがないという人もいるかもしれません。でもあなたのためにイエス様は今晩救い主として生まれてくださいました。誰か他の人のためではありません。あなたのためです」と伝え、「あなたの心は渇いていませんか?サマリヤの女の人のように、誰にも言えない心の淋しさを感じていないでしょうか?自分はひとりぼっちで生きている、誰も自分なんて理解してくれないと思う人、楽しい笑い声が聞こえれば聞こえるほど、何か心が淋しくなってしまう、そうした空虚感を持っている人はいないでしょうか?それは、あなたの霊が叫んでいるのです。本当の神の助けがほしいと、心であなたが祈るならば、神様は今晩あなたの心の中に入ってくださり、あなたを癒し、あなたを救ってくださいます。私のような罪に溺れた者が…と思わないでください。そのままで良いのです。あなたの神が罪を赦して洗ってきよめてくださいます。十字架で罪を贖ってくださったイエス様が、今晩あなたの心の内で、光を灯して下さいます」と伝え、聴衆にイエス・キリストに救いを求めることを呼びかけた。
メッセージの最後で西田氏は「神様があなたの素直な祈りに助けの手を差し述べて下さいます」と述べ、「愛する神様。私の心は渇いています。私の心はあなたの愛を求めています。どうぞ私を救ってください。どうぞ私を助けてください。あなたとの絆を持ちたいのです。私を全ての罪から洗い清めてください。あなたを救い主として信じます。私を救い、新しい年に向かって希望と輝きに満ちた一年をスタートすることができるように、どうか助け導いてください。イエスキリストのお名前によって、信じてお祈りいたします。アーメン」との祈りに聴衆を導いた。
同コンサートでは、スペシャルゲストとしてオペラ歌手高橋薫子(たかはし・のぶこ)氏が出演し、「主の祈り」、「いつくしみ深き」などをソプラノの美声で歌い上げた他、アレックス・イーズリー氏、レディー・ウォーカー氏のダンス、演歌ゴスペル歌手としての国内での活動で知られるギルバート・エスピネリ氏とニュー・コミットメント・ファミリーおよび、国内各地でゴスペル指導を行うレイディ・ルイス氏とレイディルイス・アンド・トゥループレイズによる力強いゴスペル賛美がなされ、聴衆も共に賛美に参加した。
東京ホープチャペル(東京都台東区)は24日19時30分からキャンドルサービス、25日午前10時からクリスマス礼拝、祝会を行う。詳細は同教会ホームページ(http://www.hopechapel.jp)まで。レイディルイス・アンド・トゥループレイズではゴスペル・クワイヤを募集しており、見学・無料体験レッスンを随時受け付けている。
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