ノルウェーで22日生じた爆発・乱射事件は欧州史上最悪の単独テロ事件のひとつとなった。突然のテロ事件を受け、現地住民らの中で自分たちがこれからどうあるべきかを神に求め、神から慰めを受けようとする人たちが多く教会に訪れるようになっているという。23日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
ノルウェー聖職者のひとりは「これは国家的な悲劇である」とコメントしている。現地記者らによると、100人近くもの人命を奪い、その多くが青年であった単独テロの事実を事件発生後ややしばらく現地の人々は信じることができない様子でいたという。未だかつてない単独テロ事件に、ノルウェー中が衝撃を受け、混迷の色を隠せない様子に包まれていた。英BBCは、現地の人々の感情は高ぶっており、メディアが人々の嘆きに無理に押し入ろうとすることに反感を感じていることを伝えた。
米ルイジアナ州ニューオーリンズで教会牧師として奉仕していたパトリック・ロング博士は米CPに対し「とりわけ青年たちが犠牲者となった今回の事件は、ノルウェーという国家全体に対する犯罪ともいえるだろう。我が国は祈る国のために祈っている。それなのにノルウェーのような平和に満たされた国家で憎しみの心を持った男による単独テロが生じたことが衝撃的である。世界中のキリスト者は今後ノルウェーを助けていくためにひとつになっていくだろう」と述べた。
爆発事件が生じた首都オスロはノーベル賞授賞式が行われる場所としても有名である。ノルウェー警察は、オスロ在住のノルウェー人アンネシュ・ブライビーク容疑者(32)をオスロでの自動車爆破、その2時間後のウトヤ島での乱射事件に関わった疑いで逮捕した。ノルウェー警察によると、ブライビーク容疑者は政府高官や政府与党の労働党に関与している子どもたちに対して怒りを感じており、これらの人々を標的としていた。移民は標的の中には含まれていなかったという。
ブライビーク容疑者はウトヤ島での乱射事件の際は警察官に偽装していたが、警官の一員となった経験はなく、ノルウェー軍隊に一時関わっていたことがあるという。ウトヤ島での乱射事件目撃者によると、同容疑者は14才から18才くらいの青年を自分の周りに呼び集め、その後銃を乱射し殺害したという。米ロサンゼルスタイムズによると、容疑者は自身をナショナリストと見なしており、多元文化主義やイスラム教について強い反感を持っていたことが同容疑者のフェイスブックのページから伺えるという。同容疑者はフェイスブックで自身がキリスト教右派に属していることを示していた。
事件後ノルウェーストルテンブルグ首相は「楽園のような島が地獄に転換してしまった」と記者らに述べた。ノルウェー中の各教会は23日、全日教会が開放され、祈りを捧げ慰めを与える場として人々が募った。一部祈祷会の様子はノルウェー中で生放送された。ノルウェー国教会トゥンスベルグ司教区の聖職者ライラ・リカサセン氏は「(爆発・乱射事件の)すべての亡くなられた方が生じたことは悲劇的な出来事であり、多くの人々が今回の事件で心に大きな影響を受けました。非常に多くの方々にとって主の慰めが必要なときを迎えています」と述べている。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(237)聖霊による傾聴活動は日本社会を覚醒する(後編) 広田信也
-
旧統一協会の田中富広会長、道義的責任など理由に辞任 「謝罪の意を込めおわび」
-
ワールドミッションレポート(12月13日):タンザニアのマンダ族のために祈ろう
-
南・東南アジア各国で洪水・土砂崩れ、1700以上人が死亡 キリスト教団体が緊急支援
-
サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(34)教会も、町も生まれ変わる
-
花嫁(最終回)真昼の花嫁 星野ひかり
-
【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』
-
希望に生きる 佐々木満男
-
サマリタンズ・パースの輸送機、南スーダンでハイジャックされる 容疑者は拘束
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも
-
【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
旧統一協会の田中富広会長、道義的責任など理由に辞任 「謝罪の意を込めおわび」
-
南・東南アジア各国で洪水・土砂崩れ、1700以上人が死亡 キリスト教団体が緊急支援
-
京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から
-
サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(34)教会も、町も生まれ変わる
-
希望に生きる 佐々木満男
-
元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」
-
英国で「路傍伝道者憲章」 相次ぐ街頭説教中の逮捕受け
-
日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも
-
京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から
-
2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目
-
ニカイア公会議1700周年を記念、開催の地で一致求め祈る 教皇や全地総主教らが参加
-
東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏
-
【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』

















