中国首都北京市内に存在する中国政府非公認教会は、先週の主日礼拝を野外で行い中国政府によって多数の逮捕者が生じたにもかかわらず、今後も野外での主日礼拝を行い続けていく計画であると発表した。
約千人の教会員が存在する北京守望教会では、野外で主日礼拝を行うことに関して「いかなる政治的な動機によるものでもありません」と述べている。守望教会は、会議に使用していたレストランを追い出され、教会が一定の場所を定めて集会をもって礼拝することを中国政府が執拗に介入し、妨げてきたため、野外で礼拝するより他に礼拝を守る方法がなくなったため、仕方なく野外礼拝を行っている状態であるという。
英BBCは12日「(守望)教会は今後も変わることはありません。これからも主が道を示してくださるまで野外礼拝を守り続けます」との声明文を発表したことを伝えた。なお、同教会は野外礼拝は「純粋に宗教的な活動であり、誰かの権利を主張するなどその他いかなる政治的要素がある活動ではありません」と述べている。
10日の野外礼拝では、政府当局が礼拝に出席していた100人以上の礼拝者を逮捕し、バス車内に収容し強制連行した。米テキサス州ミッドランドにある中国援助教会(CAA)によると、強制連行された人々のうち、牧師と牧師夫人およびひとりの女性信徒以外は解放されたという。
中国政府による野外礼拝出席者数百人以上を逮捕した記事は、海外においては米ニューヨークタイムズ、英BBCなど世界中でトップニュースとして報じられた。中国政府は当局に反抗する可能性があると思われる団体・組織・個人の動向を注視し続けている。反体制活動家、人権保護を主張する法律家などが中国政府を非難したり、裁判所で不当な主張を投げかけたことで、懲役刑の重罪を課されている。
中国政府非公認教会である地下教会とその教会信徒らは、中国政府の監視を避けて活動しているため、特に中国政府によってその活動を注視されてきている。中国国内の宗教団体は中国政府の登録を受ける必要があり、中国政府公認の宗教団体として活動しなければならない。三自愛国運動(三自愛教会)、中国キリスト教協議会(CCC)は中国政府公認のプロテスタント教会となっている。
しかし中国家庭教会は、キリストではなく、中国政府をかしらとする教会へと変質してしまうのを避けるため、政府に登録することを拒否している。三自愛国運動によると、中国国内では非登録教会の教会員も含めて、2300万人以上のプロテスタントキリスト教徒が存在しているという。一方で非登録教会に所属する中国人キリスト教徒は1億人近く存在するという報告書も存在している。これは中国共産党員の総数7800万人を上回っている。
先週、クリントン米国務長官は、中国の人権問題を取り上げ、「中国では今年に入って人権問題が悪化してきている風潮が見られる」と述べた。クリントン米国務長官は、とりわけ中国国内で活躍する社会運動家、法律家、ブロガーなどを中国政府が厳しく取り締まっていることを非難し、「国際的に表現の自由の権利が認められている活動を行っていることで逮捕され拘留されている人々を釈放するべきだ」と中国政府に対し呼び掛けた。
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