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震災から復興へ、全教会的動き高まる

2011年3月25日15時56分
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WCCのエキュメニカル・センターチャペル内で東日本大震災被災者のためのろうそくが灯されている(写真提供:WCC)。 +
 11日の東日本大震災を受け、政府・自治体・NGOや民間企業そしてキリスト教団体などさまざまな人々が心を合わせ復興活動が着々と進む中にあって、世界各国の教会やクリスチャングループ、個人らが間接的支援や熱い祈りをもって被災地の復興を見守っている。

 世界教会協議会(WCC)では東日本大震災を受けた教会として一致した支援と祈りを行っていく旨が綴られた手紙や、金銭的支援がアジアおよび世界中の所属教会から届けられていることを伝えている。

 WCCオラフ・フィクセ・トゥヴェイト総幹事は、東日本大震災について、「WCC全体にとって動揺を隠せない悲しみとなりました。他者のために進んで危険の中に入っていく人々の上に神様の恵みと御加護がありますようにお祈りいたします」と述べた。

 WCCのアジア関係責任者のキム・ドンスン牧師は東日本大震災被災者の必要に応じるために、「アジア諸教会、さらには欧州、世界各国諸教会から支援を送ることが、私たちがエキュメニカルな共同体であることを示す活動の一環となります」と述べた。

 WCCでは東日本大震災の他パキスタンやニュージーランドで生じた自然災害についても同様の支援を行ってきたが、キム氏は「東日本大震災においては、特に日本の地域においてエキュメニカル共同体のバイタリティーを示すためにも兄弟姉妹と共に働き被災地の必要を満たす働きが重要です」と述べた。

 トゥヴェイト総幹事は福島第一原発での放射能漏れの潜在的被害についても言及し「放射能によって食物が汚染されたというニュースも報じられていますが、私たちの生活がいかに簡単に壊れやすい生活サイクルに頼っているかという懸念と心配が高まるようになりました」と述べた。

 WCCに加盟している日本基督教団事務局の高田輝樹氏は、同教団の教会員の中でも行方不明の教会員が存在しており、避難所を運営したり、それぞれの教会の牧師たちが支援を行う中で感動的な結束を果たすようなことも見られていることを報告している。 

 日本基督教団所属教会の中でも、津波の被害を受けなかった数少ない教会もあれば、津波で被害を受けた教会もある。教会の掃除も徐々に始まっているという。大震災から2週間が経過したが、まだ被害を受けた教会では今後の生活の不透明感が消えずに残っている。仙台北三番丁教会では7人の教会員が行方不明であり、仙台五橋教会では5人が行方不明であるという。

 先行き不透明に包まれる中、諸教会は津波と地震の悲劇を乗り越えて復興支援に乗り出している。仙台東教会では非教会員含む15人の被災者、仙台南教会では13人、宮城野愛泉教会は16人の被災者をそれぞれ宿泊させているという。日本基督教団所属の4人の牧師が雪の中3階建ての建物の屋根で一夜を過ごした生存者を救出するということもあったという。

 日本基督教団議長の石橋秀雄氏は25日、東日本大震災についての教団議長声明を発表した。声明文では詩編124編8節「わたしたちの助けは、天地を造られた主の御名にある」が引用され、戦後最大の日本の危機である東日本大震災に対し、被災地域の教会と共に命に仕える旨が述べられた。

 声明文では、「(被災地では)今なお医師不足、薬の不足などで、命が脅かされ続けています。まことに、想像を絶する惨状に心が痛み、主の助けを祈らされています。原子炉が爆発し、放射性物質が大気に放出されないように、世界の人々が注視していますが、ことに福島第一原子力発電所の近辺にお住まいの方々の安全を願っています。巨大地震と津波がもたらした危機、原子力発電所爆発による放射性物質による汚染の危機、戦後最大の危機の中に命が脅かされています。被災地域の教会の牧師たちは通信網の切断、極端なガソリン不足等で移動手段が限定されるなかで、信徒、付属施設の職員、園児等の安否の確認、被害状況の把握など、必死な活動を続けております。全教団の祈りによる支えが求められます」と述べられていた。

 同教団は、22日の常任常議員会で、日本基督教団救援対策本部を立ち上げ被災教区の支援活動を支えると共に、4月18日に臨時常議員会を開催して今後の取り組みを協議するという。

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