カンボジア難民の子どもを里子として引き受けるとともに、同国で学校建設に尽力したカトリック司祭の後藤文雄(ごどう・ふみお)神父が17日午後5時、死去した。96歳だった。
後藤神父が主任司祭を務めていたカトリック吉祥寺教会が同日、ホームページで発表した。葬儀は、通夜が22日午後7時から、葬儀ミサ・告別式が23日午前10時半から、いずれも同教会(東京都武蔵野市御殿山1-7-8)で。
1929年、新潟県長岡市生まれ。実家は浄土真宗の寺で、戦時中は軍国少年として育つが、空襲で家族を失い、戦後に見た戦災孤児の姿に衝撃を受け神父の道へ。50年神言神学院入学。南山大学卒業後、60年司祭叙階。カトリック南山教会、カトリック吉祥寺教会で主任司祭を歴任。神言会士。
81年以降、カンボジア難民の子どもを里子として引き受け、14人を育てる。95年から、里子の1人とカンボジアで学校を建設する働きを始め、2016年までに19校を建てた。03年、NPO法人「AMATAKカンボジアと共に生きる会」設立。06年第10回米百俵賞、07年第19回毎日国際交流賞受賞。
「ゴッちゃん」の愛称で親しまれ、18年には半生を描いたドキュメンタリー映画「father-カンボジアへ幸せを届けたゴッちゃん神父の物語」が公開された。
著書に『カンボジア発ともに生きる世界』『よし!学校をつくろう―神父ゴッちゃんの履歴書』『今ここに―「十五歳の巡礼」を歩き終えたら』など。