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天下人の過ち 穂森幸一

2025年8月7日17時56分 コラムニスト : 穂森幸一
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私は心の中で、私の心は知恵によって導かれているが、からだはぶどう酒で元気づけようと考えた。人の子が短い一生の間、天の下でする事について、何が良いかを見るまでは、愚かさを身につけていようと考えた。(伝道者の書2:3)

「天下分け目の関ヶ原」という言葉がありますが、国家を統一した人を天下人と表現します。今日でも、ビジネスの激しい競争の中で頂点を極めることを「天下を取りにいく」などと言うことがあります。

誰が天下をとるか、天下人がどんな決断をするかで、私たちの生活は左右されます。しかし、この天下というのは、あくまでも「天の下」のことであり、天の上、すなわち神の国とは別次元のことと心得ていることが必要なのではないでしょうか。

天下人が誤った政策を進めることにより、民衆は大きな被害を受けることがあり、滅ぼされてしまうことさえあります。天下人は往々にして自らの非を認めることはなく、真実を隠蔽(いんぺい)し、世論を誘導して、さも自らが正しいことをしたかのように印象付けることもあります。歴史の書き換えなどはよく行われているから、真実を見抜く目を養っていかなければいけないといわれます。私たちは、天下ではなく、天上から学ぼうとするとき、真実に近づくことができます。

1945年7月に米ニューメキシコ州のトリニティで原爆の実験が行われ、1カ月後の8月6日には広島、9日には長崎に原爆が投下され、数十万の人が亡くなり、残された人々も原爆症で苦しめられることになりました。

米国のトルーマン大統領が原爆投下を決断し、原爆のおかげで日本の降伏が早まり、多くの米軍将兵の命が失われずに済んだというプロパガンダが長い間なされていました。しかし実際には、日本は終戦の数カ月前から降伏の道を探り、欧州諸国とも接触していました。また、都市部が大規模な空爆によって焼け野原となり、戦意を喪失していました。原爆がなくても、終戦は目前だったのです。

今日はっきりしていることは、一般市民を巻き込むような原爆を使用する必要はなかったということです。一説に米国は、第二次世界大戦後の世界をリードする権力を保持するために原爆を利用したといわれます。歴史上、核による最初の惨劇です。世界をリードする大国指導者の過ちと断罪されても、おかしくありません。

同州のロスアラモスに行くと、アインシュタインの理論に基づいて原爆を製造したオッペンハイマーの育った家も保存されています。原爆を製造した工場は、驚いたことに学校の体育館の中にありました。外側は普通の建物ですが、内部が頑丈に補強されていました。製造を秘密裏に行うために、このような工作が必要だったのではないかと思います。今では資料館として公開されています。

オッペンハイマーの研究をしている方に出会い、話を聞く機会がありました。オッペンハイマー自身は、原爆が実際に使用され、広島と長崎に落とされたことに衝撃を受けていたというのです。政府関係者は「この原爆は絶対に使用することはない。戦争抑止のために用いる」と断言していたといいます。彼は原爆製造に関わったことを一生後悔していたそうです。その研究員も、8月6日には原爆反対のための平和行進に参加すると言っていました。

大変皮肉なことですが、世界最初の原爆被害は米国内で発生していました。トリニティで実験が行われた日、実験場から20キロくらいしか離れていない川で、女子中学生たちが水遊びをしていました。風向きがちょうどその川の方に向いていたため、死の灰が降り注いだのです。

実験は完全に秘密裏に行われていたため、彼女たちは何も知りませんでした。夏なのに、雪が降ってくると言って、白い灰を体にこすりつけて遊んでいたらしいです。もちろん全員、がんを発症し、30歳になるまでに亡くなりました。

実験場で働いていた作業員たちも、本当のことは知らされていませんでしたので、全く無防備な状態でした。作業員の中にも、被爆して被害者になる人が少なくありませんでした。戦後80年たって、やっと米国内でも声を上げられるようになり、最近になって、トリニティ実験場の近くに現地犠牲者の碑が建てられました。

米国では戦後、原爆は正義だったという意見が大勢を占めていました。しかし、最近は世論も変わり、原爆反対の意見が強まり、使用すべきではなかったという意見が3分の1を超えるようになっています。

強大な権力者の前に立たされると、萎縮してしまい、声を発しにくくなることがあります。しかし、本当に恐れなければならないのは、天下人ではなく、天上人です。天の神に目を向けるときに、天下で行われている過ちに気付くことができます。「見よ。主を恐れること、これが知恵である。悪から離れることは悟りである」(ヨブ記28:28)

ある被爆2世の方が話されていたことが忘れられません。「8月6日と9日だけ、取材が殺到し、メディアでも取り上げられますが、それ以外の日は、ほとんど触れられることはありません」。年中行事や風物詩のようになってしまってはいけないのです。信仰者として平和を祈り、上に立つ権力者たちが道を誤らないように、日々祈ることが求められています。

あなたがたが私から学び、受け、聞き、また見たことを実行しなさい。そうすれば、平和の神があなたがたとともにいてくださいます。(ピリピ4:9)

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◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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