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21世紀の神学

21世紀の神学(14)DJ社長とジャニーズ問題と白い墓 山崎純二

2023年6月29日19時52分 コラムニスト : 山崎純二
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関連タグ:山崎純二

昔から日本人が町内会で掃除をしたり、スポーツの国際大会でゴミを拾って帰ったりしているのを見て、何か心引っかかるものを感じていた。海外では称賛されて、近隣住民は気持ちよく街を散歩できた。もちろん、汚いよりきれいなことに越したことはない。でも何か引っかかっていた。

ニューヨークの地下鉄にはゴミが散乱していたし、エレベーター内の床はベトベトしていて臭かったし、犬のフンは道に放置されたままだった。ショッピングマートの洋服売り場の床に、多くの洋服が落ちているのを見たときには驚いた。試着しては脱ぎ捨てて、店員もそれを拾わないのだ。

比べると、日本人は民度が高いなどといわれるのも分かる。それを自負している人たちも少なからずいる。でも・・・何かがオカシイ・・・。

今までも薄々気が付いていたけれど、ジャニーズ問題がそれを浮き彫りにした。今回BBCによって明らかにされるずっと前から、性加害の「真実性」は民事裁判で認められていた。それにもかかわらず、日本社会は沈黙し続けてきた。警察も検察も、国会議員もマスコミも、親も当事者も、何十年も前から大手週刊誌によって指摘されていたのに、国民全体が沈黙してきた・・・。

私たちは、人に迷惑をかけるなと教えられてきた。掃除、あいさつ、身だしなみを整えることを是としてきた。髪を染めたりピアスを開けたりすると教師に叱られた。でも、比較にならないほどひどいことは放置されてきた。外側を繕うことには一生懸命だったのに、幼い子どもたちが傷ついていることには無関心だった。

村上作品に描写されていた壁の中の街のように、誰も彼もが灰色の街の無反応な住民たちのように「事を荒立てること」をしなかった。それだけが「至上命題」であると決まっているかのように、もしくは何の感慨も抱かないことが、社会を円滑に営む大人の作法でもあるかのように。実は事件そのものよりもこの空気感に、海外の記者たちは驚愕(きょうがく)させられたのだ。

村上春樹氏の作品の中では、毎年多くの単角獣たちが冬を越すことができずに、バタバタと白い雪の上で犠牲になっていた。力のないもの、年老いたものから先に倒れていき、そのことが灰色の街の均衡を保っていた。

自分から声を上げることも、周りから声を上げてもらうこともなかった犠牲者たちは、ようやく呻き声を上げることができた。マスコミたちは一斉に報じるようになった。

でも、三島由紀夫氏や宮台真司氏の言葉が頭に浮かぶ。昨日まで一番の国粋主義者だった者たちが、戦後「一晩で」民主主義の旗振り役となったように、昨日まで沈黙していたマスコミや識者たちが一斉に報じるようになったのは、新たなスケープゴートに石を投げることの方が時流に沿ったことになったという、ただそれだけのことではないだろうか。

過去のことを悔恨し「再発を防止しなければなりません」などと、当たり障りのないコメントをすることも、大人がしなければならないことかもしれないけれど、私たちに突きつけられているのは、もっともっと深刻で喫緊な課題だ。

私たちはヒットラーがユダヤ人にしたことを聞いている。おぞましい事件に心を痛め、彼らを声高に批判し、その時代に抵抗した人たちに称賛を送っている。でも「今」この時代にも、それと何ら変わらない人権侵害によって、言葉で言い尽くせないほどの苦しみに遭っている人たちがどれだけ多くいるだろう。

例えば、ウイグルの問題はどうだろうか。

欧州各国は超大国ではない。どの国も、日本より人口も国土も小さい。中国との有効な関係を築けなければ、大きな経済的ダメージを被ることを知っている。それでも2020年には、英外相が人権侵害を非難し、22年にはドイツ政府や首相が自国の経済的な恩恵を捨ててでも人権侵害に対して声を上げている。

でもやっぱり日本の大手マスコミは報道しないし、多くの識者も、国民も沈黙している。日本政府は、各国の動きを横に見て(空気を読んで)、ようやく少し動き出した。世界的に批判する流れになったら、誰も彼もがしたり顔で、私は前から問題意識を持っていたと言うのだろうし、政府は遺憾の意を表すのだろう。でもその頃には、悲しい単角獣たちは取り返しのつかないほどのダメージを受けてしまう(ここには書けないので、実態を知りたい方は検索してみてほしい)。

スポーツの国際大会でゴミを拾って帰るほど民度の高い国民が、なぜ性加害を放置してきたのだろう。どうでもよいほど些細な問題や人の失言などには敏感に大騒ぎするのに、甚大な人権侵害には無言を貫くのか。「和をもって尊しとなす」というのは、角を立てず、波風を立てないことなのだろうか。

全ての問題の根っこは同じだ。表面を整えてきれいにし、臭い物にはふたをして、誰も彼も本質的なことを語らない。ひたすらに周りの空気を読んで、自分のポジションをとる。誰かが犠牲になっているとしても、自分の身に災難が降りかからない間は、角を立てずに、目の前の利益を享受する。キリストは2千年前にそれを指摘している。彼はパリサイ人たちに、こう言った・・・・。

忌わしいものだ。偽善の律法学者、パリサイ人たち。あなたがたは白く塗った墓のようなものです。墓はその外側は美しく見えても、内側は、死人の骨や、あらゆる汚れたものがいっぱいなように、あなたがたも、外側は人に正しいと見えても、内側は偽善と不法でいっぱいです。(マタイ23:27、28)

こんな社会の中にあって、一部の人たちは立ち上がっている。常識や空気に忖度(そんたく)せずに、自己の信念に基づいて行動(発言)している。地上波では報道されないことをSNSなどで発信し、いろいろな矛盾を暴き、公平性の欠如を指摘している。

でもやはり、それだけでは社会は変わらない。いつの頃からか、正しい議論だけでは何も変わらないのだと気が付いた。いやむしろ、それによって社会がより断絶していくことだってある。人の心を感化するのは、正しい議論ではなく「愛」と「パッション」なのだから。

レペゼンフォックスのDJ社長という奇想天外なアーティストがいる。彼の原点は、学生の頃に塾の先生に聞いた話だという。その先生が貧しい国を回っていたら、手足のない多くの子どもたちに出会ったらしい。

いぶかしがって、周りの人に理由を聞くと、親によって切られているとの回答が・・・。そうやって「かわいそう」に思ってもらえないと、彼らは物乞いをしても金品を恵んでもらえず、生き残ることができないのだ。

それを聞いた社長は衝撃を受けて、心にスイッチが入ったという。彼は一見すると、やりたい放題の破天荒な生き方をしているし、人に眉を顰(ひそ)められることも多いけれど、心の中には貧しい国の子どもたちを助けたいという熱い情熱(パッション)が脈打っている。

キリストは内にたぎる愛の故に、律法の文字面(もじづら)だけを守り、常に外見ばかりを繕っていた宗教家たちと対峙してきた。そして彼らの偽善を糾弾し「あわれみ」の重要性を説いた。

あなたがたの天の父があわれみ深いように、あなたがたも、あわれみ深くしなさい。(ルカ6:36)

外見を白く塗り、灰色の街の中でバタバタと倒れていく犠牲者たちに無関心でいるのは、過ぎた月日で十分だと思う。マナーや外見が素晴らしく人前で称賛される行為をしたとしても、愛がなければ何の価値もないのだから(1コリント13章)。

自分の中に、内なる「愛」の動機はあるか、それとも「愛」は枯渇して無感動・無感覚になっているのだろうか。たといそうだとしても、まだ諦める必要はない。人は、愛されなければ自ら愛を与え続けることはできないし、神様はそれをご存じなのだから。

だからこそ、神はキリストを世に遣わし、キリストは言葉を尽くして教えられた。そしてそれだけでなく、その「ほとばしる愛」の故に自らの命を十字架の上で犠牲にし、全身から全ての血を流しながら私たちへの愛を示してくださった。

神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって私たちに、いのちを得させてくださいました。ここに、神の愛が私たちに示されたのです。私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです。(1ヨハネ4:9、10)

そしてそのことは、偶発的に起こった事件ではなく、キリストが生まれる以前に書かれた旧約聖書に「あらかじめ」明確に預言されており、それを直に目撃したキリストの使徒たちが命を賭して証ししてきた。自分の中の偽善や愛の欠如に気付いた方々は、この方の「愛」を受け入れてほしいと思う。

これからの時代、世の中はAIによって生成されるインスタントな言葉にあふれ返ることになる。だからこそ私たちは、永遠に変わらない方の真実な愛の言葉に根ざす必要があるのだ。何を食べるかが人の体を形作るように、何の言葉を聞くかが、あなたの人格を形成するようになるのだから。

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◇

山崎純二

山崎純二

(やまざき・じゅんじ)

1978年横浜生まれ。東洋大学経済学部卒業、成均館大学語学堂(ソウル)上級修了、JTJ宣教神学校卒業、Nyack collage-ATS M.div(NY)休学中。米国ではクイーンズ栄光教会に伝道師として従事。その他、自身のブログや書籍、各種メディアを通して不動産関連情報、韓国語関連情報、キリスト教関連情報を提供。著作『二十代、派遣社員、マイホーム4件買いました』(パル出版)、『ルツ記 聖書の中のシンデレラストーリー(Kindle版)』(トライリンガル出版)他。本名、山崎順。ツイッターでも情報を発信している。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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