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世界宣教祈祷課題

世界宣教祈祷課題(11月4日):オランダ

2022年11月4日12時32分 執筆者 : 奥山実
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関連タグ:迫害迫害下にある教会のための国際祈祷日(IDOP)
祈り/イメージ+
※ 写真はイメージです。(写真:Igor Rodrigues)

今月は、迫害下にある教会と兄弟姉妹たちのために祈る国際祈祷日IDOPのある月だが、20世紀の世界において最大の被迫害教会は、何といっても共産主義下にあった教会だ。そして、それらの教会のために身命を賭して奉仕したのが、ブラザー・アンドリューの名で世界的に親しまれたオランダ人の伝道者アンネ・ファン・デル・バイル氏だ。氏は去る9月27日、94歳の長寿を全うして天に召された。

ブラザー・アンドリューことファン・デル・バイルは、世界中で赤化(共産主義化)の嵐が吹き荒れていた50年代から、鉄のカーテンの向こう側へ聖書を持ち運ぶ働きをしていた。当時の世界は、西側の民主主義圏と東側の共産主義圏によって真っ二つに分断されており、東側世界では、信仰の自由が厳しく制限されていたのだ。

東西は対立関係にあったため、西側から聖書を持ち込むことは非常に危険の伴う働きだった。過激なまでの彼の奉仕は、67年に出版され1千万部のベストセラーとなった『神の密輸商人』によって明らかになり、世界的に知られるようになる。彼は、迫害の厳しい50の国を毎年発表している「ワールド・ウォッチ・リスト」で有名なオープン・ドアーズの創設者としても知られる。

ファン・デル・バイルは1928年、オランダの北部で、貧しい鍛冶屋の父と病弱な母の間に生まれる。ナチスの占領下でローティーンを過ごし、戦時中は夜中にドイツ軍将校の車を破壊し、時にはドイツ兵に追われ、危うく捕まりそうになったこともあった。彼の冒険好きは、生来の性分だったようだ。

第2次大戦後、彼は冒険心に駆られてオランダ軍に入隊し、インドネシアの独立闘争を鎮圧する植民地軍としてインドネシアに派遣された。この派兵で、彼の部隊はインドネシアのある村に入ったのだが、彼はそこで無差別大虐殺に関わってトラウマを負ってしまう。同じ凶弾によって命を奪われた乳飲み子を抱く若い母親の血まみれの亡骸は、彼の脳裏をずっと離れなかった。

その後の彼は、狙撃される覚悟で、おかしな麦わら帽をかぶってジャングルに入るようになった。その結果、足首を撃たれたことによって彼の軍歴は終わる。

負傷の療養中に、彼は母親から渡された聖書を読み始める。オランダに帰国後は、戦争のトラウマから教会に通うようになり、そこで明確な信仰を持つようになった。チョコレート工場で働き、足を引きずる後遺症を数年間抱えていた彼だが、献身の決意とともにそれは完全に癒やされた。

ファン・デル・バイルは、53年に英国の宣教師訓練学校に入学し、2年の学びに入ったのだが、当初彼は、具体的な召しを受けていたわけではなく、ただ「主よ、道を示してくださるのなら、私はあなたについていきます。アーメン」とだけ祈っていたという。

彼は、訓練学校在学中に「目を覚まし、死にかけている残りの者たちを力づけなさい。わたしは、あなたの行いがわたしの神の御前に完了したとは見ていない」とある黙示録3章2節を通して神からの強い迫りを受け、迫害下にある共産圏の教会を助けるために自分は召されていると確信した。

55年、彼は、政府が管理するポーランドへのツアーに参加し、ツアーグループから抜け出して地下教会の信者グループを訪ねた。その後訪れたチェコでも同様だったが、彼は共産圏の兄弟たちが聖書を必要としている実態を目の当たりにする。

この時、彼は「私が聖書を手にすることができる限り、壁の向こう側にいる同胞たちに聖書を届けます」と神に約束したのだ。これが、彼のミニストリーの始まりだった。

彼の奉仕はまさに奇跡の連続だった。例えば57年、初めての「聖書密輸」の旅で、彼は自動車に隠した聖書を持ち込むため、ユーゴスラビアの国境検問に並んでいた。前の車は、検問で40分も調べられていた。これを見ていた彼は、人間の小手先の知恵ではこの厳しい検問を通過することは不可能だと悟って、とんでもない行動に出る。

彼は、ダッシュボードの一目で分かる場所に数冊の聖書を置いてこう祈った。「主よ、私の荷物の中には、この国境を越えてあなたの子どもたちに手渡す聖書がたくさんあります。かつてあなたは盲目の者の目を開きましたが、今は、見える彼らの目を見えなくしてください」。すると、国境警備隊は彼の身分証に目を通すだけで、ノーチェックで彼を行かせたのだ。

アンドリューは、東欧圏での成功に続いて、ついにはソ連に聖書を密輸するまでになり、後に中国もこれに加わる。

彼は、他の信者を協力者として募り、国境警備隊や秘密警察の注意を避けるための戦略を練った。時には、新婚旅行のカップルに変装して、2人1組で旅をすることもあった。また、人目につかない国境を通過することもあったし、小型の目立たない車に聖書を隠す方法を試行錯誤もした。そして何より、いつも聖霊の導きに従って行動した。

その結果、彼のミニストリーでは誰も逮捕されなかったのだ。彼らが運んだ聖書はカウントされていなかったため、正確なところは不明だが、おそらく総数は数百万冊になると見られている。彼の活動は、ソ連のKGBによって厳しく監視されており、彼の周辺にも、幾人ものスパイがいたことがソ連崩壊後に明らかになっている。これは、彼の奉仕が国家的な影響を及ぼしていたことの証左といえよう。

聖書を密輸することを奉仕としていた彼だが、聖書を渡すことと同様に、あるいはそれ以上に、彼が身体をもって彼らと共に「そこにいる」ことが、迫害下にある兄姉たちにとって大きな励ましとなっていたと語る。自由世界を後にして、危険を犯して迫害下の教会を訪ね、彼らと時間と空間を共有することには大きな意味があるのだ。「そこにいる」のモットーは、オープン・ドアーズの重要な柱として今も引き継がれている。

また彼は、ことあるごとに自分を、貧しく無学な鍛冶屋の息子で工場労働者だった「普通の人」として紹介している。つまり彼の奉仕の力は、人間的な才能や計算、戦略ではなく、全き聖霊の導きだったということだ。

彼は、英国の宣教師訓練学校時代、路傍伝道をする救世軍の将校から受けたある重要な教訓を覚えていた。その老人は「聖霊は千人のうち1人の心しか整えてくれない。だから、ほとんどの伝道者志願者はすぐに諦めてしまうのだ」と語った。

その話を聞いてファン・デル・バイルはゾッとしてこう思った。「なんという徒労だろう。応答しない999人だって? 神はそれを知っているし、悪魔もそれを知って笑っている。僕は、応答しない最初の千人で絶望してきっと諦めてしまうに違いない」

この教訓から彼は、人間の計算や戦略を練るのではなく、福音を受け入れる準備ができている1人の人物に導いてくださるよう神に求め、御霊の導きに従おうと決心したのだ。聖霊に頼って「祈って行動」という彼の行動原則は、この時に形成された。

ソ連崩壊後、彼は過激化するイスラム世界への宣教に軸足を置くようになった。彼はハマスやPLO議長のアラファトと接触を試みて個人的な関係も結んだ。2011年、米軍によってビンラディンが暗殺された日も、彼は悲しみを隠そうとはしなかった。長年ビンラディンのために祈ってきたのだ。彼にとっての最大の敵は「人々の間にある敵意」だった。

ファン・デル・バイルは「闇を憎むのではなく、光をともせばいい」と語っていた。私たちは迫害下にある教会や兄姉らを思うとき、ともすると迫害者への怒りと敵対心を募らせることがある。しかし、光は闇の中にこそ輝く。闇に対しては「憎しみ」ではなく「光」こそが有効なのだ。

世界の60カ国で1300人のスタッフを擁して働くオープン・ドアーズをはじめ、ブラザー・アンドリューの意志を引き継いで、迫害下の兄姉たちに心を寄せる同胞たちが世界中にたくさんいる。

聖書は言う。

「一つの部分が苦しめば、すべての部分がともに苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分がともに喜ぶのです」(1コリント12:26)と。

私たちは、有機的につながるキリストの一つのからだであるが故、痛みも喜びも共にする。そして、痛みのある部分にこそ、より一層のケアと労わりの目を注ぐのだ。

天に召されたアンドリュー兄弟の意志を引き継ぎ、「目を覚まし、死にかけている残りの者たちを力づけなさい」と呼びかける主の声に応え、迫害下の教会と兄弟姉妹たちと共に立って祈り、手を差し伸べ続けよう。

■ オランダの宗教人口
プロテスタント 18・3%
カトリック 25・7%
ユダヤ教 0・2%
イスラム 5・5%
無神論 46・9%

※ この記事は、世界宣教センター所長の奥山実牧師のフェイスブックに掲載された「世界宣教祈祷課題」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
関連タグ:迫害迫害下にある教会のための国際祈祷日(IDOP)
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