Skip to main content
2025年8月31日08時25分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 書籍

【書評】伊藤耕一郎著『スピリチュアルのリアル 精神世界再考』

2022年8月30日10時09分 執筆者 : 青木保憲
  • ツイート
印刷
関連タグ:スピリチュアリティー
【書評】伊藤耕一郎著『スピリチュアルのリアル 精神世界再考』+
伊藤耕一郎著『スピリチュアルのリアル 精神世界再考』(SRCパブリッシング、2022年6月)

本書は、2021年に関西大学大学院文学研究科の博士課程を修了された伊藤耕一郎氏が、博士論文を基にまとめた書である。そのため、キリスト教を礼賛するようなものでもなければ、特定の宗教を啓蒙する目的のものでもない。あくまでも「スピリチュアル」に関する今までの先行研究を精査した上で、伊藤氏独自の調査を加え、新たな研究成果としてまとめ上げたものである。分量はA5版で360ページ強。博士論文ということからも分かるように、コーヒー片手に喫茶店でページをめくるような内容ではない。そう当初は思っていた。だから書評の依頼を受けたとき、受けるかどうか正直迷ってしまった。

というのも、私は現在、福音派の教会の牧師をしており、しかも宗教史(特に米国の福音派史)が専門である。こういったスピリチュアルなものに対し、むしろ斜に構えてしまう立場である。にもかかわらず書評の執筆をお受けしたのには理由がある。それは私自身の周囲の人々との関わりから、キリスト教(またはキリスト信仰)とスピリチュアルな世界を陸続きに考える日本人が多くいることを感じていたからである。そして、これらを峻別することはもちろんだが、どうしてこの2つが同じカテゴリーのうちに捉えられてしまうのかを、学術的に明らかにしてくれる本を探していたというのも理由の一つである。そのため、自らの勉強のためにも本書を読ませていただこうと思うに至った次第である。

本書において、スピリチュアルなものは「精神世界」というくくりになり、この概念と既存の諸宗教、さらに最近隆盛している新宗教(さらに新しい「新新宗教」)との親和性が問われている。一般的に、精神世界は後者(新宗教、新新宗教)との親和性が高いように思えるが、本書において示されている結果はそうではない。むしろ既存の諸宗教(キリスト教、仏教、神道など)の方が、実質的な親和性は高いという結果になっている。そうなると、その一つであるキリスト教界に身を置く者として、「これは聞き捨てならない」となってくる。なぜなら、私たちは「似て非なるもの」を「異端」として退けることを旨としてきたからである。この関係をどう見ていけばいいのか。これは某異端団体が日本を騒がせている今日だからこそ、一人でも多くのキリスト者が耳を傾けるべき内容である。そうすることで、「異端とは何か」と同時に「なぜ信仰を持たない者はこの峻別ができないのか」ということが分かるようになる。

またもう一つ、これは福音派というより、私の出自である「ペンテコステ派」に関することだが、ここまで踏み込んでペンテコステ派を学術的に考察し、まとめたものを私は見たことがなかった。ある種、明瞭闊達(かったつ)と言ってもいい。とはいえ、ペンテコステ派に属する者たちからは大きな反発を招くであろう。例を示そう。

この点から考えると、キリスト教という伝統的宗教でありながら、カリスマ・ペンテコステ派は「霊能的技法+信仰共同体」という形態がきわだっており、新新宗教と同じ形態であるように見える。(129ページ)

このような書き方は、信仰を人生の根幹に置いている熱心な者たち(いわゆるガチ勢)にとっては、我慢ならないものであろう。しかし、それほどの怒りや憎悪をかきたてるということは、ある意味、的を射ているということでもある。伊藤氏はこう続ける。

この点で、精神世界と新新宗教に親和性がなかったのと同様の理由で、カリスマ・ペンテコステ派が、同族嫌悪の面から精神世界を拒絶するということは理由の1つとして考え得る。(同上)

ここに本書の「すごみ」があると思わされた。スピリチュアル(精神世界)というおよそアカデミズムとは縁遠い題材を扱いながら、それでいて最も主観的な側面を客観的に描き出しているということである。「霊的」な内容を学術的に語ることができるとしたら、それはどんな背景(クリスチャン、ノンクリスチャン、福音派、リベラル派を問わず)の人々とも議論し合える場(トポス)を生み出せるということになる。

そういった意味で本書は、キリスト教界に生きる私たちへの「招待状(または挑戦状)」と言ってもいいだろう。本書の全てを理解する必要はない。新宗教や新新宗教の教理を一つ一つ知らなくてもいい。本書は、フィールドワークという手法を用いることで、研究者の立場に客観性を持たせ、そしてスピリチュアルな世界に足を踏み入れている当事者たちの「語り」を冷徹に分析している。私たちはまず、それらに耳を傾け、真摯(しんし)にこの研究成果を議論すべきである。

また、宣教という側面から見るなら、「精神世界からカリスマ・ペンテコステ派へ移動してくる人々が少なからずいる」として、実際に幾つかの事例が紹介されている点を見過ごしてはならないだろう。そういう彼らは、決して「異端」に惑わされたり、「悪しき霊」に取り込まれたりしていた者たちではない。「求める者(seeker)」なのだ。ストライクゾーンを探って、独自の投げ方でボールを投じていたといってもいい。それは本書に収められているさまざまなインタビューからもうかがい知ることができる。

冒頭に、本書はコーヒー片手に喫茶店でページをめくるような内容ではないと述べたが、ここで訂正させていただく。本書に収録されている数々のインタビューは、喫茶店で手軽に読むこともできる。そして、こうしたフィールドワークが本書の肝であり、そこからさまざまな刺激を受けることもまた、本書を読む醍醐味(だいごみ)の一つである。ぜひ気軽に、でも真摯に、本書に収められた当事者たちの「語り」に耳を傾けてもらいたい。

■ 伊藤耕一郎著『スピリチュアルのリアル 精神世界再考』(SRCパブリッシング、2022年6月)

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

関連タグ:スピリチュアリティー
  • ツイート

関連記事

  • 神学書を読む(68)岡本亮輔著『宗教と日本人―葬式仏教からスピリチュアル文化まで』

  • 神学書を読む(56)「令和」となった今こそ振り返るべき日本の宗教 『日本人は本当に無宗教なのか』

  • 「キリスト教系」信者数が微増 2021年版『宗教年鑑』発表

  • 宗教は現代社会で何を求められているのか 芦名定道・関西学院大学神学部教授が講演

  • コロナ禍でスピリチュアリズムへの関心急増、英バプテスト団体がオカルト信仰に警鐘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • アッセンブリー京都教会の村上密牧師死去、異端・カルト問題に長年取り組む

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • ウクライナ、米大衆伝道者フランクリン・グラハム氏に勲章授与 人道支援を評価

  • 聖書のイエス(16)青銅の蛇 さとうまさこ

  • ワールドミッションレポート(8月31日):ガーナのリグビ族のために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(8月30日):リビア 砂浜に響く殉教者たちの祈り(4)

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 花嫁(31)神に従う者の道 星野ひかり

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.