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神学書を読む

神学書を読む(80)聖書の知恵を余すところなく体感させてくれる「コヘレトの言葉」を堪能できる3冊

2022年7月26日16時19分 執筆者 : 青木保憲
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関連タグ:コヘレトの言葉(伝道者の書)小友聡若松英輔
神学書を読む(80)聖書の知恵を余すところなく体感させてくれる「コヘレトの言葉」を堪能できる3冊+
「コヘレトの言葉(伝道者の書)」に関する小友聡氏の書籍3冊

聖書、特に旧約聖書は不思議な書物である。最初の書である「創世記」は、いきなり天地創造という壮大な神の物語から始まる。続く2章からは、この地球に生きる人間という小さな存在がクローズアップされる。そして3章以降、人類の歴史(といわれているもの)が語られ、さらにそれがイスラエルという特別な民族の歴史となっていく。しかし一方で、音楽に合わせて歌われる「詩編」や、ピリッとペーソスの効いた格言集「箴言」、また、まるで18禁ラブソングのような「雅歌」があり、最後には大小の預言書が収録されている。

バラエティーに富んでいるといえばそうだが、どんな目的のためにここまで多様性に満ちた書物が集められたのか、おそらくキリスト教ビギナー、そしてもしかしたら長年のクリスチャンであったとしても、この問いに明確に答えることは難しいだろう。そのあたりの専門的な探求は、聖書の編集史専門家にお任せするとして、これら39巻からなる旧約聖書の中で、最も難解で、しかも今まで誤解されてきたのが「コヘレトの言葉(伝道者の書)」である。

今回取り上げる3冊は、「コヘレトの言葉」を専門に学び、数々の著作を発表している小友聡氏(東京神学大学教授、日本基督教団中村町教会牧師)の最近の著作である。小友氏は神学生時代に「コヘレトの言葉」の難解さを吐露した教授と出会い、この研究に興味を持ち、ドイツの大学に留学して本格的に研究を始めたという。その40年近い研究成果が、今回取り上げる3冊にまとめられているのである。しかも、学者や専門家にしか分からないものではなく、誰が読んでも分かりやすく書かれており、読み手の現実に触れ合うことのできるリアリティーに満ちた啓蒙書となっている。

お勧めしたいのは、以下の順番で読むことである。

  • ① 小友聡著『それでも生きる 旧約聖書「コヘレトの言葉」』(NHK出版、2020年)
  • ② 小友聡著『コヘレトの言葉を読もう 「生きよ」と呼びかける書』(日本キリスト教出版局、2019年)
  • ③ 若松英輔、小友聡著『すべてには時がある 旧約聖書「コヘレトの言葉」をめぐる対話』(NHK出版 2021年)

①は、NHKのテレビ番組「こころの時代 宗教・人生」の番組ガイドブックである。2020年4月から21年3月にかけて放送された小友氏出演の番組を、より分かりやすく解説した一冊である。このガイドブックにより、「コヘレトの言葉」の概要を知ることができる。と同時に、なぜ今この時代(特にコロナ禍)に「コヘレトの言葉」を読むべきか、というあたりが明確になる。

続いて②を読むことで、「コヘレトの言葉」の全12章の中身がつまびらかになる。①では、番組の構成上、序論や結論も含めて6回の放送にまとめなければならず、「いいとこ取り感」が否めない。しかしこちらは、12回に分けて各章を丁寧に解説してくれている。さらに時々挿入されるコラムが箸休めの役割を果たし、読み手が緩急をつけて一気に読み通すことができるようになっている。

「コヘレトの言葉」を扱った「こころの時代」の反響は大きく、番組は21年10月から22年3月にかけて再放送されている。③はこの再放送を受けて出版された対談集である。小友氏の対談相手は、随筆家で批評家の若松英輔氏。若松氏はカトリック信者でもある。書籍は、カラーページをふんだんに用いながら、両氏が「コヘレトの言葉」から受けた印象や喚起されたことを自由に語り合う体裁を取っている。①と②を読んだ後に、③へと読み進めることで、彼らが語っていることをさらに深く理解することができるだろう。

それぞれ100ページ余りで、分量が多いわけではない。だから少し気合を入れれば、1冊数時間で読み終えられる内容である。しかし聖書と同様、何度も読み返すことで、その時は気付かなかったこと、響かなかった言葉が、ある瞬間読み手の心を突然に打つことが起こる。私にとっては、次の聖句とその解説がまさにそうであった。

神はすべてを時宜にかなうように造り、また、永遠を思う心を人に与えられる。それでもなお、神のなさる業を始めから終りまで見極めることは許されていない。(コヘレトの言葉3章11節、新共同訳)

「すべてに時がある」というとおり、神が定めた時(カイロス)は確かにあります。それは「永遠」と言ってもよいでしょう。けれども、人間はそれをとうてい知ることはできないのです。カイロスをあらかじめ認知することはできず、過ぎ去ってから、ようやくそれに気づかされるということでしょう。人は誰でも、あの時がカイロスだった、と後になってからようやく気づくのです。(②『コヘレトの言葉を読もう 「生きよ」と呼びかける書』38ページ)

「すべてに時がある」けれども、その「時」をつかめないからこそ、人間は歴史を担うのであり、また担わねばならないのです。コヘレトはそういう逆説的な論理を展開します。時は過ぎ去ってわかるのだからこそ、今というこの時を決して無駄にしてはならないと考えるのです。(②『コヘレトの言葉を読もう 「生きよ」と呼びかける書』40ページ)

私事だが、今年3月に母が亡くなった。亡くなるまではいろいろ親子間にあったため、私も葛藤を抱え、「何でこんな目に・・・」と何度もつぶやいたものである。しかし今、母が亡くなったことで、両親と話すことができず、私が青木家の「長」になってしまったことを実感するとき、父母と過ごした日々は今となっては「カイロス」だったと思えるようになった。母が私に信仰を伝えてくれたからこそ、人一倍愛憎を繰り広げることとなった母との関わりは、まさに「カイロス」であった。

以前から②は手にしていた。そして一度、母が存命中に読んだことがあった。だがなぜか、この箇所は響かなかった。しかし、母が天に帰って後、あらためてこの箇所に出くわしたとき、私はそこに「カイロス」を見いだしたのである。「コヘレトの言葉」が現代に、そして他でもないこの私によみがえってきたひと時(まさにカイロス!)である。

ぜひ、聖書の知恵文学である「コヘレトの言葉」、そしてこれら3冊を読みながら、皆で語り合ってもらいたい。そう思わされた良書群である。

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◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

関連タグ:コヘレトの言葉(伝道者の書)小友聡若松英輔
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