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コヘレトと新約聖書

コヘレトと新約聖書(1)「知恵」―神は人間を単純に造った― 臼田宣弘

2020年11月26日15時42分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:コヘレトの言葉(伝道者の書)コリントの信徒への手紙一臼田宣弘

30回にわたって、「コヘレト書を読む」というコラムを連載させていただきましたが、コヘレトと新約聖書の関連についてもお伝えすべきだろうと考えました。そこで、「コヘレト書を読む」の続編的なコラムとして、「コヘレトと新約聖書」というシリーズを連載させていただくことになりました。現在「パウロとフィレモンとオネシモ」というコラムを、毎月第1・第3木曜日掲載で連載しておりますが、これはそのまま継続します。「コヘレトと新約聖書」は、不定期の掲載になります。現在9回分の構想を持っていますが、それ以上になるかもしれません。

聖書の引用は、基本的に新共同訳を用います。新約聖書各書の呼称については、「パウロとフィレモンとオネシモ」の第1回で掲載した内容に準じ、書簡については○○書とさせていただき、他は新共同訳での呼称に従います。コヘレト書については、新共同訳、聖書協会協同訳では「コヘレトの言葉」、口語訳では「伝道の書」、新改訳では「伝道者の書」と表記されていますが、本コラムにおいては「コヘレト書を読む」の時と同じく、「コヘレト書」とさせていただきます。

新約聖書には、コヘレト書からの直接の引用はありません。おそらく、その理由として挙げられることは、ユダヤ教においてコヘレト書が最終的に正典として確定したのが、紀元90年代のヤムニア会議においてであるからだと思われます。90年代といえば、新約聖書27巻の多くは執筆が終わっています。パウロも、コヘレト書と同じ知恵文学では、ヨブ記からの直接引用はしていますが(1コリント3:19)、コヘレト書からはありません。そうなりますと、「パウロはコヘレトを知っていたのだろうか」という問いが立つことになります。本コラムでは、そういったことを問うていきたいと思います。

さて今回は、「知恵」というテーマで、コヘレトの述べている「知恵」と、新約聖書との関連を見てみたいと思います。コヘレト書の前半である1~6章には、1章と2章にのみ「知恵」が記されています。その部分を掲載します。

1:13 天の下に起こることをすべて知ろうと熱心に探究し、知恵を尽くして調べた。神はつらいことを人の子らの務めとなさったものだ。14 わたしは太陽の下に起こることをすべて見極めたが、見よ、どれもみな空しく、風を追うようなことであった。15 ゆがみは直らず、欠けていれば、数えられない。16 わたしは心にこう言ってみた。「見よ、かつてエルサレムに君臨した者のだれにもまさって、わたしは知恵を深め、大いなるものとなった」と。わたしの心は知恵と知識を深く見極めたが、17 熱心に求めて知ったことは、結局、知恵も知識も狂気であり愚かであるにすぎないということだ。これも風を追うようなことだと悟った。18 知恵が深まれば悩みも深まり、知識が増せば痛みも増す。(1:13~18)

2:1 わたしはこうつぶやいた。「快楽を追ってみよう、愉悦に浸ってみよう。」 見よ、それすらも空しかった。2 笑いに対しては、狂気だと言い、快楽に対しては、何になろうと言った。3 わたしの心は何事も知恵に聞こうとする。しかしなお、この天の下に生きる短い一生の間、何をすれば人の子らは幸福になるのかを見極めるまで、酒で肉体を刺激し、愚行に身を任せてみようと心に定めた。(2:1~3)

12 また、わたしは顧みて、知恵を、狂気と愚かさを見極めようとした。王の後を継いだ人が、既になされた事を繰り返すのみなら何になろうか。13 わたしの見たところでは、光が闇にまさるように、知恵は愚かさにまさる。14 賢者の目はその頭に、愚者の歩みは闇に。しかしわたしは知っている、両者に同じことが起こるのだということを。15 わたしはこうつぶやいた。「愚者に起こることは、わたしにも起こる。より賢くなろうとするのは無駄だ。」 これまた空しい、とわたしは思った。16 賢者も愚者も、永遠に記憶されることはない。やがて来る日には、すべて忘れられてしまう。賢者も愚者も等しく死ぬとは何ということか。17 わたしは生きることをいとう。太陽の下に起こることは、何もかもわたしを苦しめる。どれもみな空しく、風を追うようなことだ。18 太陽の下でしたこの労苦の結果を、わたしはすべていとう。後を継ぐ者に残すだけなのだから。19 その者が賢者であるか愚者であるか、誰が知ろう。いずれにせよ、太陽の下でわたしが知力を尽くし、労苦した結果を支配するのは彼なのだ。これまた、空しい。20 太陽の下、労苦してきたことのすべてに、わたしの心は絶望していった。21 知恵と知識と才能を尽くして労苦した結果を、まったく労苦しなかった者に遺産として与えなければならないのか。これまた空しく大いに不幸なことだ。(2:12~21)

26 神は、善人と認めた人に知恵と知識と楽しみを与えられる。だが悪人には、ひたすら集め積むことを彼の務めとし、それを善人と認めた人に与えられる。これまた空しく、風を追うようなことだ。(2:26)

コヘレト書では、「知恵」と「知識」は同じ意味で使われているとしてよいと思います。「知恵」の強調のためのレトリカルな方法論として、「知恵」と「知識」が併記されているのではないかと私は考えています。

さて、上記の1章と2章での「知恵」を見てみますと、どうも「知恵」が、「空しい」「風を追うようなこと」「不幸だ」とされ、ネガティブに扱われているように思えます。2章26節は「知恵が善人と認めた人に与えられる」と、一見ポジティブな記述に思えますが、その善人と認められた人にも、「悪人と同じ務めが与えられる」という文脈で書かれており、知恵が決定的に良いものであるとは言われていません。このように知恵がネガティブに扱われているのは、それが「人間の知恵」として捉えられているからでしょう。

ところが、コヘレト書の後半である7~12章を見てみますと、「知恵は遺産に劣らず良いもの。日の光を見る者の役に立つ」(7:11)に始まり、知恵が良いものとして語られているように感じられます。なぜそうなるのかを考えてみましたが、それはコヘレト書の後半の「知恵」に対する中心思想として、7章23~29節があるからではないでしょうか。そこには以下のようにあります。

23 わたしはこういうことをすべて、知恵を尽くして試してみた。賢者でありたいと思ったが、それはわたしから遠いことであった。24 存在したことは、はるかに遠く、その深い深いところを誰が見いだせようか。(25~28節は省略)29 ただし見よ、見いだしたことがある。神は人間をまっすぐに造られたが、人間は複雑な考え方をしたがる、ということ。

コヘレトは、太陽の下の森羅万象を人間の知恵において知り、賢者になろうと努めますが、「深い深いところ」を見いだすには至らなかったのです。しかし、コヘレトはそういう自分の姿から、一つのことを見いだします。それは「神は人間をまっすぐに造られたが、人間は複雑な考え方をしたがる」ということです。「まっすぐに」は「単純に」とも訳せる言葉です。「神は人間を単純に造ったのに、人間はいろいろなことを知り複雑になりたがる」ことを、コヘレトが知ったということでしょう。私はここに、コヘレト書における「神から与えられた知恵」を見ます。1章と2章は「いろいろなことを知り複雑になりたがる人間の知恵」であったので、ネガティブに記されているのですが、後半の7~12章は上記の「神から与えられた知恵」が機軸になっているため、良いものとして記されているのではないでしょうか。これが、私のコヘレト書の読み方です。

さて、以上のことが新約聖書にどう関連付けられるのでしょうか。どうもそれは、パウロの真性書簡である第1コリント書に見いだされるように思うのです。

1:18 十字架の言葉は、滅んでいく者にとっては愚かなものですが、わたしたち救われる者には神の力です。19 それは、こう書いてあるからです。「わたしは知恵ある者の知恵を滅ぼし、賢い者の賢さを意味のないものにする。」 20 知恵のある人はどこにいる。学者はどこにいる。この世の論客はどこにいる。神は世の知恵を愚かなものにされたではないか。21 世は自分の知恵で神を知ることができませんでした。それは神の知恵にかなっています。そこで神は、宣教という愚かな手段によって信じる者を救おうと、お考えになったのです。(1コリント1:18~21)

3:18 だれも自分を欺いてはなりません。もし、あなたがたのだれかが、自分はこの世で知恵のある者だと考えているなら、本当に知恵のある者となるために愚かな者になりなさい。19 この世の知恵は、神の前では愚かなものだからです。「神は、知恵のある者たちを、その悪賢さによって捕らえられる」と書いてあり、20 また、「主は知っておられる、知恵のある者たちの論議がむなしいことを」とも書いてあります。(同3:18~20)

コリントの教会に分派活動が起こってきたため、「誇って争うことをやめるように」という文脈において書かれている箇所ですが、パウロは教会の人たちに愚かになることを勧めています。「十字架そのものが愚かなことではなかったか」ということを基調に、そう述べているのです。私はこれを、コヘレトが「神は人間を単純に造ったことを見いだした」ことと重ね合わせて読むのです。パウロは「律法に関してはファリサイ派の一員として非のうちどころのない者」(フィリピ3:5~6)でした。しかし「イエス・キリストを知ったことのゆえにそれらを塵(ちり)あくたとみなしている」(同3:8)のです。コリントの教会に上記のことを書き送った背景には、自身のそうした体験があるのではないでしょうか。そこがコヘレトと重なるのです。

聖書は、旧約聖書と新約聖書を関連付けて読むことが大切だと思います。それはコヘレト書も例外ではありません。新約聖書に直接引用のないコヘレト書ですが、関連性を見いだしてコラムを連載してまいりたいと思います。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:コヘレトの言葉(伝道者の書)コリントの信徒への手紙一臼田宣弘
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