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動揺するなかれ!「日本の福音派」クリスチャンが押さえておくべき「米国の福音派」

2018年11月3日21時24分 執筆者 : 青木保憲
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関連タグ:福音主義(福音派)アメリカドナルド・トランプ
ドナルド・トランプ+
ドナルド・トランプ米大統領(写真:Gage Skidmore)

今月6日に行われる米大統領の中間選挙を前に、ドナルド・トランプ大統領がらみの「福音派」に関するニュースが、日本でもかしましく報道されている。新聞やテレビ、ネットなどを少し注意して探すなら、そこかしこに「トランプ政権を支える福音派」なる言葉が躍っている。

  • 大統領支えるキリスト教福音派(NHK)
  • トランプ政権と福音派(時論公論)(同)
  • 共和党支える福音派=8割支持も「反トランプ」の動き-米中間選(時事通信)

先日、日本のある福音派の牧師からメールを頂いた。それは、自分たちの周りの福音派教会では、米国の福音派をどう捉えたらいいか、皆目見当がつかない状況で、信徒からも質問されるが、明確にどう答えていいか分からない、というものだった。

そこで今回は、最も基本となる「米国の福音派」が持つ世界観と、それへの日本のキリスト教界の対応例(決して唯一ではない!)を紹介したいと思う。

政治と宗教の関係 日本と米国の「政教分離」の違い

日本の多くの福音派クリスチャンが米国の福音派に違和感を抱くのは、「どうしてあそこまで政治と宗教(キリスト教)が関連付けられるのか」ということであろう。これは、日本のキリスト教が1パーセント未満であることとも連関するが、まず米国は日本でいうところの「政教分離」の原則が当てはまらない国家であることを知る必要がある。

ご存じの方も多いと思うが、米国では大統領が就任式で宣誓するとき、聖書に手を置いてこれを行う。日本では絶対にありえない光景だ。想像してほしい。日本の首相が般若心経やコーラン、あるいは仏典の上に手を置いて就任式をする光景を・・・。これはあり得ない。

だが、米国ではこれは当たり前のことになっている。それは、米国において「宗教(主にキリスト教)」は政治に関与することが大いに奨励されているからである。そもそもWASP(白人でプロテスタント信仰を持つアングロサクソン系民族)と呼ばれる人々は、キリスト教信仰に基づいた国家を建設しようとして、アメリカ大陸に乗り込んできたやからだ。だからキリスト教精神に則って政治が行われることは、至極まっとうなこととなる。そのため、彼らの意識としては、政治と宗教は親和性の高いものとなる。

これを端的に表しているのが、「Separation of Church and State」という考え方である。これは詳訳するなら「特定教派と政治の分離」となる。一方、日本をはじめ他の先進諸国が使用している形態は、「Separation of Politics and Religion」である。同じく詳訳するなら「政治と宗教の分離」である。この土台が異なっているため、日本の福音派クリスチャンは二重の意味で混乱を来すことになる。

一つは、日本国民として「政治の中に宗教性を持ち込んではダメ」と思っていること。もう一つは、「キリスト教はあくまでも心や精神的癒やし(解放)を目指すものであって、政治とは相いれない」と思い込んでいること。

しかし米国においては、このいずれも決して自明なことではない。もちろん政治的発言を控えるという風潮や、そういう考え方を訴える福音派の牧師もいる。しかし同じ「福音」の捉え方にしても、やはり国が違えばその強調点、濃淡に差異が生じやすくなる。

多くの日本の福音派教会は、米国の宣教師からのDNAを受け継いでいる。宣教師になるくらいだから、米国にいながらどちらかというと政治よりも個々人の精神性に重きを置く傾向がある人々であることは否定できないだろう。

日本的な「政教分離(政治と宗教の分離)」の原則と、日本にクリスチャンが1パーセント未満であるということ、そして海外からもたらされた形而上学的側面を強調する「キリスト教」が相まって、米国の「政教分離(特定教派と政治の分離)」を理解しにくくしているという一面があることは、覚えておく必要がある。

そもそも「福音派」とは何か? その形成過程と多様性

日本のメディアの論調は、米国人の4分の1が「福音派」であり、その大多数が共和党支持であり、福音派の主張(中絶禁止、公立学校での祈祷推進、同性愛禁止、イスラエル支援など)を積極的に受け止めて実現させているトランプ大統領を熱烈に支持している、というものである。

しかしこのような情報の流布には、大きな功罪が伴っている。「功」の部分は、「政治と宗教が一体となる国家こそ素晴らしい」と考える集団(多少、時代錯誤的?)が米国に確かに存在することをリアルに報告しているという点である。

一方、「罪」の部分は「功」を上回って深刻な偏見を私たちに与えることになる。それは、全国民の4分の1が福音派として一枚岩で、福音派の主張を政治的に成就させようとしている、という印象を与えてしまうことである。そもそも「福音派」とは一体何なのか。

細かい歴史的経過は拙著『アメリカ福音派の歴史』を読んでいただきたい。ここでは要点だけを列挙しよう。

  • 「福音派」はなかなか明確化しづらい概念であり、専門家たちも確たる定義を行えないまま現在に至っている。
  •  政治への関与という点で、「福音派」は「政治的に解決することもいとわない」という「宗教右派」から、政治関与には消極的な集団まで幅広く存在しており、その境界線はとても曖昧である。
  • 「福音派」の多数は後者であるが、メディアなどに取り上げられるのは圧倒的少数派である前者である。

つまり、テレビに登場する「福音派指導者」というやからは、その素性、経歴、現在の立場などがまったく分からないまま「福音派の代表」に祭り上げられているといえよう。もちろん、本人がそう願って取材に応じている場合もあろう。しかし往々にして、日本のメディアが大々的に取り上げることで、彼らを頂点とする「政治的思想集団=福音派」が米国に出来上がりつつあるような印象を与えてしまっている。

試しに、中間選挙のニュースに登場する「福音派指導者」を実際に、米国、しかも福音派が多いとされる南部の「バイブルベルト」と呼ばれる地域に住む友人たちにフェイスブックで送信し、「誰か知ってるか?」と尋ねてみた。しかし、数百人いるであろう私の友人たちは、皆「知らない」と回答してきた。

ネットで彼らの素性を調べると、そのほとんどが「宗教右派」に分類される人々だ。一部のコアファンが集まっているということだろう。

対処法

このような現状を鑑みるとき、もし教会内で「福音派ってあんな人たちなのですか」と尋ねられたり、「どうして米国の福音派はトランプ大統領を支援しているのですか」と聞かれたりしたとき、現時点で私たちが回答できるのは、以下のことだろう。

1)日本の福音派と米国の福音派は、信じている事柄(福音主義的教理)においては一致していても、そのアウトプットの仕方は異なっている。その理由は「政教分離」の中身がまったく違うからである。

2)米国の福音派はトランプ大統領に絶対的な支持を与えているわけではない。政治的関与に対して、幅広い意見を持つ福音派は、その定義すらつかみどころがない。自分たちの願うアクションを政策として掲げてくれるトランプ大統領を「熱烈に」支持する一部の福音派(宗教右派)もいれば、彼らのプレゼンにほだされて、トランプ支持に回る「浮遊層」も存在する。さらに、政治的な解決は自分たちの信じている聖書のやり方に反する、と主張する反トランプ派の福音派も存在する。

間もなく中間選挙が実施される。そこで果たして「福音派」はどんな決断を下すのか、またその決断がどの程度情勢に影響を与えるのか。私たちは「日本の福音派」としての立ち位置をしっかり確認しつつ、彼らの動向を「他山の石」とすべきであろう。

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院を卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科卒(修士)、同志社大学大学院神学研究科卒(神学博士、2011年)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(2012年、明石書店)。

関連タグ:福音主義(福音派)アメリカドナルド・トランプ
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