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なにゆえキリストの道なのか

なにゆえキリストの道なのか(154)神が愛なら、なぜすべての人を救わないのか 正木弥

2018年8月4日19時10分 コラムニスト : 正木弥
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関連タグ:正木弥

神が愛なら、なぜすべての人を救わないのか。

神の属性の一つは、人格があるということです。この属性に似せて人をお造りになりました。人は人格がある、つまり、自由に考えることのできる主体です。自由に考えるゆえに、神に背くこともできるわけです。たとえそうなろうとも、人をロボットのような機械的な判断をする存在にしたくはなかったようです。神は人間の自由意思を大変重要視しておられるのです。

人は与えられた自由により、一方で神を無視し、神から離れる自由もあるが、他方であくまで神に従う自由も持っている、その2つの自由の中で、神は、人が神に従う自由を選ぶことを求め、そのような選択を喜ぶわけです。

もし前者、神を無視し、神の教えに従わず、神から離れる自由を優先する者は、神のそば近くにいる資格はなく、神の国に入るのにふさわしくないとされるのです。それは格別不当ということはできません。自らがそのように選んだ結果にすぎないからです。つまり神は、自由意思を持った存在のその自由意思を尊重される結果、救われない事態が生じても致し方ないということです。

神の属性は“愛”だけでなく、“聖”でもあります。“聖”は最も基本的な属性です。“聖”は“義”にもつながる特質です。そこから不義なる者、聖くない者、汚れた者は神に近づくことができないことになるのです。それは即ち、救われないということです。

しかし、神は冷たく打ち切るということはされません。不義なる者・聖くない者・罪に汚れた者をも救うために、御子キリストにより身代わりの刑罰(犠牲の死)を受けてくださいました。このことを信じる者を“義”(罪がない者)として救おうとされたのです。それは“愛”の動機に基づくものです。キリストの十字架上の死こそ、神の義と愛の二律を満たすものになりました。

すなわち、罪をそのままにせず、必ず処罰されねばならないとの原則、もう一つは、それではせっかく造った人間がかわいそうだから処罰を代わりに受けてやり、これを信じる者には罰を免れさせて救おうというものです。このキリストにおける神の義と愛とを信じる者はすべて救うことにしたのです。

そこまでして救おうとされる神の愛を拒むなら、もはやその人には救われる資格がない、と言わざるを得ません。

なぜなら、彼らは救われるために真理への愛を受け入れなかったからです。(2テサロニケ2:10)

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◇

正木弥

正木弥

(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)
『創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から』
『なにゆえキリストの道なのか』

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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