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【連載コラム】 日本から来たドイツ人 (2)

2008年9月6日00時00分
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観光地としても有名なハイデルベルク城と、旧市街とハイリゲンベルクの間でネッカー側に架かる橋アルテブリュッケ。+
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 この夏、北京でオリンピックが開催されました。各国から選手たちが集まり、同じルールに則って競技をし、そして多くの「言葉なし」の感動を残してくれました。けれども、私たちに更なる深い感動を与えてくれるのは、その勝敗の結果ではなく、そのバックグラウンドだと思います。それは目に見えるものだけでは伝わりにくいので、言葉による説明が必要となります。



 私がドイツに暮らし始めて未だ数カ月のころ、イタリア語を母国語とするスイス人の女の子に、“viva”とはどう言う意味なの、と尋ねたことがあります。彼女たちは、その唐突な質問に対して何と説明して良いのか分らず、少し困惑しているようでした。当時未だ10代だった彼女たちには、その言葉の意味を、外国人の私にどのように説明したら分かってもらえるのか、その方法が見つからなかったのです。後から考えてみると、10代の女性がこの言葉を使う機会など、滅多にあるわけもなく、彼女たちにとっては、そのシチュエーションを説明することさえ難しかったはずだったと思います。その後、その“viva”という言葉が、日本語の「万歳」と訳されるのを知り、ヨーロッパ人も「万歳」を三唱することに驚かされました。



 ドイツに滞在してしばらく経ったころ、ドイツ語でも何とかコミュニケーションが取れるようになり、沢山の国の友人と知り合いになることができました。あれから何年も経った今も、それは私にとって大切な財産になっています。当時、大学生をしていた私は、学生寮に住んでいたのですが、同じ寮に大変親しくしていたメキシコ人の友人がいました。彼女は少しずつ日本に興味を持つようになり、ある時、私に日本語で、Hallo は何と言うのか教えて欲しいと聞いてきました。それで、私が、「会った時に使うの、それとも電話での場合?」と尋ねると、彼女は「電話での挨拶」と答えたので、それなら「もしもしと言うよ」と答えてしまったのです。



 数日後、道ですれ違った彼女が、私にニコニコしながら「もしもし」と言ったのです。その時には、「覚えたての日本語を使ってみたかったのかな?」とその明るい性格を微笑ましく思っただけだったのですが、後から思い起こしたら、私が教えた日本語ではないですか!恐らく、彼女が初めて覚えた日本語が、この挨拶の時に使う「もしもし」。ナント、使い方を間違っている!!確かにヨーロッパの言葉では、簡単な挨拶と電話での挨拶はどちらも、「Hello/Hallo」ですが・・・。私は、もっときちんと彼女に説明するべきだったと、今でも後悔しています。



 日本には、古くから親しまれている温泉がありますが、ドイツにもよく Bad (浴場)とついた地名があります。Bad Homburg、 Bad Neuenahr、Baden-baden など。この場合、ドイツ語のBad は、「温泉」と言うよりはむしろ、「保養地」または、「湯治に行く場」という意味で使われる方が、一般的だと思います。日本で言う温泉は、広いお風呂にゆったり浸かる、いわゆる銭湯に近い感じですが、ドイツではおいしい空気を吸って伸び伸びとしながら、皆と一緒に屋外プールのような浴槽に入って、リラックスする場所になります。同じ「温泉」という言葉でも、文化の違いや歴史的背景の違いによって、ニュアンスが違ってきます。



 このように言葉を上手く使うのは難しい、と感じることも多いのですが、それと同時に言葉の大切さも痛感しています。それは、私が外国語で生活していた経験があるから実感できることなのかもしれませんが、それよりも先ず多くの御言葉を頂いているからだと思います。



 言葉は時に刃となり、人を傷つけます。その一方で、相手の人をとても幸せな気持にさせることもできます。お互いがストレートに理解できる同じ言語でのコミュニケーションは、外国語での場合よりも言葉に対して気を付けなくてはならないと思います。同じ言語の場合、一度発した言葉を撤回するというのは、外国語で説明する以上に難しいからです。言葉とは、それを受け取った人の心に、いつまでも残っているものです。



 神様は、その御姿を決して現わされることはなく、いつも言葉を使って私たちにその御心を示して下さいます。ですから私たちは、聖書の御言葉や、礼拝の説教を通してのみ、神様の御心を知ることができます。



 私には高校生の時、母親がアメリカ人のクラスメイトがいました。そのクラスメイトはとても明るく、成績も優秀な学生でした。けれども、彼女のことを余りよく思っていない人も何人かいたようです。ある他のクラスメイトから、私は彼女の母親の話を聞きました。時々行われていたPTAの集まりで、彼女の母親が娘について聞かれ、発言した時のことでした。その母親は、「家の娘は勉強もよくして、大変良い子です」と言ったそうなのです。そのことが後で学年中に広まり、彼女の母親はあまり日本語が上手くないために的外れなことを言った、とそれ以来ずっと言われるようになってしまったのです。



 けれども、その母親にとって娘を褒めたことは全く的外れなことではなくて、当然のことだったのでしょう。日本では、家族を褒めるというのは、謙虚さに欠けていて恥ずかしいことと思われています。そしてほとんどの日本人は、家族のことを褒めたりしません。このセンスは、欧米の人には全く理解できないことです。家族のことをそのメンバーが褒めなくて、誰が褒めてくれるのでしょうか?家族が理解してあげられなくて、誰がその人のことを分かってあげられるのでしょうか?家族を大切に思えない人は、他の人に対しても優しくなれないと私は思います。家族に優しい言葉かけができなければ、温かなコミュニケーションはどこにいても始まらないと思います。と言っている私自身も、反省しきりなのですが・・・。



 言葉はその人の心を表わしていると、私はいつも思っています。その人の口から出る言葉によって、その人の心の内に神様がいらっしゃるか、そうでないかが分かるのです。「この言は初めに神と共にあった」と聖書にもあるように、言葉は神様御自身なのです。聞くに堪えない言葉や、人を傷つける言葉を使うことを、神様は決してお喜びにはなりません。神様にいつも近くにいて頂きたいと願うなら、温かい言葉をいつも心に置いておきたいものです。



 つい最近まで古いバージョンのパソコンを使っていましたが、そろそろ使いづらくなってきたので、新しいパソコンに買え換えました。今は、この新しいパソコンソフトを使っての絵葉書作りに凝っています。この自作の絵葉書には、御言葉を添えて送りたいと思っています。神様が、私たちに下さった大切な言葉を届けることによって、Empfӓngers (受信者)にいつも神様を近くに感じて欲しいと、そして出会えたことへの感謝の気持ちを込めて。



【by Tokyoterin - 東京在住の女性クリスチャン】

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