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神声人語

神声人語―御言葉は異文化を超えて―(33)ヤン・フスの宣言 浜島敏

2017年11月13日06時39分 コラムニスト : 浜島敏
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関連タグ:浜島敏ヤン・フス
神声人語―御言葉は異文化を超えて―(33)ヤン・フスの宣言 浜島敏+
ヤン・フス(1369?~1415)

ジョン・ウィクリフという名のオックスフォード大学神学教授が書いた熱烈火のごとき文書の幾つかを読んだのは、ヤン・フスがまだプラハ大学の一介の貧乏学生にすぎないときのことでした。フスの魂は、ウィクリフが神学上の教義に加えた攻撃の迫力と真実に躍動しました。

ローマ教会の教義は、教会の因習以上の何ものでもなく、また聖書の教えでもありませんでした。1405年には、フスもすでに宗教会議の有力な説教者になっていました。が、彼の声望は、かえって官僚主義に対して、自分の立場を危うくしてしまいました。追放されたロラード主義に染まっていると睨(にら)まれたわけです。

フスは高位聖職から追われていましたが、間もなくプラハ大学を渦中に巻き込んだ論戦に身を投じました。フスはウィクリフの論旨をよく承知しており、それを力強く明確に使用したので、同大学をうまく国民のための教育機関に仕立て上げたわけです。

すでにチェコ語の全聖書があったので、フスは聖書翻訳をしてウィクリフをまねする必要はありませんでした。が、フスといえばチェコ語聖書を思い出します。というのは、彼とその弟子は同訳の全面改訂を行ったからです。フスが聖書に目を向けて、絶えずその用語を洗練し、その成果を出版しようと願っていたのは当然のことです。それは、聖書こそ、相手方の教理とわたり合う唯一の権威だったからです。

ローマ側は、教会とは専ら教皇がその頭となり、枢機卿がその体となって初めて成立するのである、と主張していました。フスにとっては、キリストが頭であり、信者が体である、というより他に考えようがなかったわけです。

聖書の権威を主張したフスの異端説が、良い顔をされるわけがありません。彼は宗教裁判所によって起訴されました。裁判の始まるまでと裁判中は、フスの行動の安全は保証されていたにもかかわらず、彼は捕らえられ、鎖をつけられた上で土牢に投げ込まれました。邪説を撤回しなければ死刑だ、と脅されたとき、彼は「私の欲しいのは、聖書から与えられる信念だけである」と宣言しただけです。

それから彼は、すでに判決を決めてしまった裁判官の面前にひざまづきました。といってお慈悲を請うたわけではありません。声を張り上げて、彼は敵の一人一人を赦(ゆる)し給うように神に祈ったのです。これではたまりません。彼の僧衣や飾りはむしりとられ、「異端者」と書かれた高い紙の帽子がかぶせられました。それから刑場にひかれて行ったのです。

首のあたりまでうず高くまきやわらが積み上げられた火刑柱に縛られてから、フスは自説撤回の最後の機会を与えられました。が、彼は「私が偽証者たちに告発されているようなことは何も教えていないことは、神が証人です。私が書き、教え、説いてきた福音の真理に従い、今日喜んで死んでいきます」と言いながら、きっぱり拒否しました。炎が身の周りにめらめらと燃え立ったその時、彼は声高らかに、「生ける神の子キリスト、われをあわれみ給え」と叫びました。

食事にありつくためなら歌うことも辞さなかった、プラハ大学の貧しい一学生であったフスは、かくて、1415年に火炎のただ中で、1つのメッセージを宣言したわけです。このメッセージは、ほぼ1世紀を経て、これまたドイツの貧しい学生の耳に達することになりました。

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*

【書籍紹介】
ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』
訳者:繁尾久・郡司利男 改訂増補者:浜島敏

ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』

世界の人里離れた地域で聖書翻訳を行っている宣教師たちと一緒に仕事をすることになって、何百という言語に聖書を翻訳するという素晴らしい側面を学ぶまたとない機会に恵まれました。世界の70カ国を越える国々を訪れ、150語以上の言語についてのさまざまな問題点を教えられました。その間、私たち夫婦はこれらの感動的な仕事の技術的な面や、人の興味をそそるような事柄について、詳細なメモを取りました。

宣教師たちは、未知の言語の文字を作り、文法書や辞書を書き、それらの言語という道具を使って神の言葉のメッセージを伝えるのです。私たちは、この本を準備するに当たって、これらの宣教師の戦略の扉を開くことで、私たちが受けたわくわくするような霊的な恵みを他の人たちにもお分かちしたいという願いを持ちました。本書に上げられているたくさんの資料を提供してくださった多くの宣教師の皆さんに心から感謝いたします。これらの方々は、一緒に仕事をしておられる同労者を除いてはほとんど知られることはないでしょう。また、それらの言語で神の言葉を備え、有効な伝道活動の基礎を作ったことにより、その土地に住む人々に素晴らしい宝を与えられたことになります。その人たちは、彼らの尊い仕事を決して忘れることはないでしょう。

本書は説教やレッスンのための教材として役立つ資料を豊富に備えていますが、その目的で牧師や日曜学校教師だけのために書かれたものではありません。クリスチャン生活のこれまで知らなかった領域を知りたいと思っておられる一般クリスチャンへの入門書ともなっています。読者の便宜に資するために3種類の索引をつけました。①聖句索引、本書に引用されている聖書箇所を聖書の順に並べました、②言語索引、これらのほとんど知られていない言語の地理上の説明も加えました、③総索引、題目と聖書の表現のリストを上げました。

ユージン・ナイダ

◇

浜島敏

浜島敏

(はまじま・びん)

1937年、愛知県に生まれる。明治学院大学、同大学院修了。1968年4月、四国学院大学赴任。2004年3月同大学定年退職。現在、四国学院大学名誉教授。専攻は英語学、聖書翻訳研究。1974、5年には、英国内外聖書協会、大英図書館など、1995、6年にはロンドン大学、ヘブライ大学などにおいて資料収集と研究。2006年、日本聖書協会より、聖書事業功労者受賞。2014年7~9月、ロンドン日本語教会短期奉仕。神学博士。なお、聖書収集家として(現在約800点所蔵)、過去数回にわたり聖書展示会を行う。国際ギデオン協会会員。日本景教研究会会員。聖書の歴史、聖書翻訳に関する著書・翻訳書、論文多数。

■ 【浜島敏著書】(Amazon)
■ 【浜島敏著書】(イーグレープ)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:浜島敏ヤン・フス
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