Skip to main content
2021年1月15日22時01分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化
  3. 音楽

バッハが愛し、「マタイ受難曲」の手本にした伝ラインハルト・カイザー「マルコ受難曲」日本初演

2017年6月16日11時25分 記者 : 坂本直子
  • ツイート
印刷
関連タグ:バッハ
バッハが愛し、「マタイ受難曲」の手本にした伝ラインハルト・カイザー「マルコ受難曲」日本初演+
(写真:東京マルコ受難曲合唱団提供)

伝ラインハルト・カイザー「マルコ受難曲」が11日、日本で初めて演奏された。会場となった保谷こもれびホール(東京都西東京市)には約500人が集まり、その演奏に耳を傾けた。

この日演奏された「マルコ受難曲」は日本ではほとんど知られていないが、ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685~1750)が20代後半の頃に出会い、自身の代表作ともいわれる「マタイ受難曲」BWV244の手本にしたと考えられている。ドイツ、スイス、オーストリアといったドイツ語圏では人気の高い作品で、毎年の受難週には必ずどこかの教会で演奏されているという。

ただ、今回の「バッハによる1740年代演奏稿」の楽譜出版はごく最近(2012年)のことで、現在のところ、この演奏稿による録音はまだ発売されていない。それだけに今回の演奏は、それを実際に聴くことができる貴重な機会となった。

「マルコ受難曲」は、マルコによる福音書14~15章をベースにして、冒頭合唱、自由詩楽曲、コラール、そして最終合唱曲を加えて39曲で構成されている。もともと受難曲は、イースター直前の金曜日(聖金曜日)の礼拝で演奏されるもの。途中で牧師の説教が入ることになっていたため、当時の教会では第1部と第2部に分かれて演奏されており、今回もその形がとられた。

福音史家(テノール)は櫻田亮、イエス(バス)は小藤洋平、ソプラノを鈴木美登里、そしてアルトを青木洋也と、そうそうたるメンバーがそろった。演奏は、バロック期の声楽作品の伴奏アンサンブルとしても高い評価を得ているコーヒーカップ・コンソート。指揮は、その結成者の1人でもある大塚直哉が当たった。冒頭・最終合唱曲や群衆の声、コラールは、東京マルコ受難曲合唱団。

バッハが愛し、「マタイ受難曲」の手本にした伝ラインハルト・カイザー「マルコ受難曲」日本初演
(写真:東京マルコ受難曲合唱団提供)

演奏前に、今回の演奏会を企画した音楽学者の加藤拓未(かとう・たくみ)氏がプレ・トークを行った。

「天才といわれるバッハも1つの時代を生きた1人の人間であり、人々や社会の交わりの中で生きていた。誰とも会わずカプセルの中で生きていたわけではない。バッハの周辺にあった作品を紹介することで、バッハが聴いていた音楽とはどういうものだったか、バッハが好きだったのはどのような作品だったかを、演奏を通して一緒に探っていく機会にしたい」

ラインハルト・カイザー(1674~1739)は、17世紀終わりから18世紀前半にかけて活躍したドイツのオペラ作曲家で、バッハ、メンデルスゾーンなどと並ぶルター派教会音楽家だ。当時、カイザーの作るオペラは人気が高く、ヘンデルやテレマンと並ぶ巨匠に数えられていた。バッハも10歳年長のカイザーを敬愛していたと伝えられ、「マルコ受難曲」をバッハ自身、1712~13年、26年、40年代と3回も演奏している。加藤氏は、「バッハは自身の『マタイ受難曲』を4回演奏しており、その回数からすれば、この曲が気に入っていたと考えて間違いないだろう」と話す。

バッハが愛し、「マタイ受難曲」の手本にした伝ラインハルト・カイザー「マルコ受難曲」日本初演
演奏会で示されたバッハ「マタイ受難曲」と伝カイザー「マルコ受難曲」の類似点を示した譜例。

またバッハは、2回目の「マルコ受難曲」演奏後の翌年に「マタイ受難曲」を作っている。加藤氏は、2つ作品の譜面と場面の構造からその類似点を具体的に示し、カイザーの「マルコ受難曲」がこの「マタイ受難曲」の手本になっているとことを明らかにした。

「偶然ではないかと考えるかもしれないが、バッハが前の年に演奏した『マルコ』をすっかり忘れて『マタイ』を作ったとは考えられない」

ところで、今回「伝ラインハルト・カイザー」と表記している点について加藤氏は次のように説明した。

「この『マルコ受難曲』は、カイザーの他のオペラやオラトリオと比べて様式が似ていないことから、別人によるものではないかという疑いが早い時期から持たれていた。これまでの研究で作者について諸説出ているが、決め手となる証拠が見つからず、その作者が確実ではないからだ」

今回演奏されたのは、1740年代、バッハが3度目に演奏したバージョン。「マルコ受難曲」に元からあった3つの楽曲をカットし、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685~1759)の「ブロッケス受難曲」の独唱曲に差し替え、さらに同曲から4つの独唱曲を加えている。このことについて加藤氏は、「バッハの好きだった『マルコ受難曲』に、尊敬するヘンデルの受難曲のアリアを組み合わせたことは、両者に対するオマージュを感じる」と見る。

「マルコ受難曲」の幕開けは、イザヤ書53章5節の言葉を歌う合唱から。そして、「一同は賛美の歌をうたってから、オリーブ山へ出かけた」(マルコ14章26節)という場面を冒頭に、イエスの受難の物語が、レチタティーヴォ、アリア、合唱、コラール、シンフォニアによって展開する。

イエスが十字架にかかり、福音史家による「それから、イエスは大声をあげて息を引き取られた」に続いて、アルトが歌うコラールは圧巻。またその旋律は、バッハの「マタイ受難曲」の同じ場面で歌われるパウル・ゲルハルト作「血しおしたたる、主のみかしら」(『讃美歌21』310番)と同一だったことも大きな発見だった。コラール(賛美歌)は宗教改革者ルターが作ったもので、バッハをはじめルター派音楽家の共通の伝統だという。遠い昔にドイツで誕生した、耳に残る美しいコラールが日本の教会でも歌い継がれていることに改めて気づかされた。

この日の演奏会では、イザヤ書57章1~2節に基づく5声モテット「正しい者は滅びても」も演奏された。同作品は、1750年頃にライプツィヒで演奏されたと推測される受難曲「エドムより来る者」の中の1曲として伝わっている。合唱が、逆境における信仰の大切さを雄大に歌い上げた。

演奏を聴きに来た40代の女性は、「なかなか聴けない曲なので、とても興味深かった。面白いと感じる演奏会だった」と感想を語った。

関連タグ:バッハ
  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • 宗教改革500年、バッハ作品の源流はルター 加藤拓未さんに聞く「宗教改革と音楽」

  • パブロ・エスカンデによる再構築版バッハ「マルコ受難曲」、レントに東京で初公開

  • マタイ受難曲成立の謎が分かる? 新しいバッハの魅力「原マタイ受難曲」

  • 今日はキリストの十字架を覚える「聖金曜日」

  • 神に与えられた高音で「受難曲」を歌う カウンターテナー・青木洋也さん

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • トランプ氏続投と「誤って預言した」 ジェレマイア・ジョンソン氏が謝罪

  • 2020年の人権侵害国トップ10、1位は中国 国連ウォッチが発表

  • 日本聖書協会、新理事長に石田学氏を選出

  • 映画「聖なる犯罪者」に見るヨーロッパ的「救い」の危うさ

  • 群馬県内の教会でクラスター発生 40人が感染

  • 国連「世界食糧計画」事務局長が警鐘、2021年に「聖書規模」の飢餓の可能性

  • 教皇フランシスコと前教皇ベネディクト16世、コロナワクチン接種

  • 緊急事態宣言、7府県に拡大 対象地域のカトリック教区が相次いで対応方針発表

  • 今、立って川を渡れ 穂森幸一(174)

  • 教皇フランシスコの主治医、新型コロナ合併症で死去

  • 群馬県内の教会でクラスター発生 40人が感染

  • 米下院で「父」や「母」などの単語使用不可に フランクリン・グラハム氏「神の権威否定する」と批判

  • 映画「聖なる犯罪者」に見るヨーロッパ的「救い」の危うさ

  • トランプ氏続投と「誤って預言した」 ジェレマイア・ジョンソン氏が謝罪

  • 2020年の人権侵害国トップ10、1位は中国 国連ウォッチが発表

  • 米NY州知事「黒人や貧困層に行き届くまでワクチン接種しない」 聖書引用しメッセージ

  • 教皇フランシスコの主治医、新型コロナ合併症で死去

  • 「改宗禁止条例」でキリスト教徒に初の逮捕者、貧困層への支援活動中に インド北部

  • 人のせいにしない 佐々木満男

  • 国連「世界食糧計画」事務局長が警鐘、2021年に「聖書規模」の飢餓の可能性

  • 米下院で「父」や「母」などの単語使用不可に フランクリン・グラハム氏「神の権威否定する」と批判

  • 群馬県内の教会でクラスター発生 40人が感染

  • トランプ支持者が米議会占拠 米キリスト教指導者らが相次ぎ批判、祈り呼び掛け

  • 榊原寛氏死去、79歳 お茶の水クリスチャン・センター顧問

  • コロナと自殺、必要なのは「絆」の再形成 精神科医の山中正雄牧師

  • イエス時代の儀式用沐浴槽、ゲツセマネで発見 地名の由来裏付けに

  • 映画「聖なる犯罪者」に見るヨーロッパ的「救い」の危うさ

  • 1都3県に「緊急事態宣言」再発令、カトリック東京大司教区が対応方針発表

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(111)トランプ大統領の勝利に向けて 広田信也

  • 2020年の人権侵害国トップ10、1位は中国 国連ウォッチが発表

編集部のお勧め

  • クリスチャン画家の山田桂子さんが姫路市美術展に入選 日米でアートミニストリー展開

  • コロナと自殺、必要なのは「絆」の再形成 精神科医の山中正雄牧師

  • 「聖書通読、回重ねるごとに喜びがある」 『1年で聖書を読破する。』の鈴木崇巨牧師

  • “難病だからこそ生きる意味がある“ 「35歳までの命」余命宣告受けた筋ジストロフィー患者の保田広輝さん

  • 「母は中絶を拒否した」 アンドレア・ボチェッリの証し

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 論説委員・編集部
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 問い合わせ・アクセス
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2021 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.