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カトリック教会とアルゼンチンの「汚い戦争」 バチカンが秘密文書公開へ

2016年11月16日19時15分 翻訳者 : 山本正浩
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関連タグ:バチカンアルゼンチン汚い戦争フランシスコ(ローマ教皇)プラザ・デ・マヨの母たち
バチカン+
バチカンのサンピエトロ大聖堂からの眺め(写真:Diliff)

バチカン(ローマ教皇庁)が、アルゼンチンの軍事政権に関する資料を、政権下で犠牲になった人々と遺族に公開しようとしている。「汚い戦争」(1974年ごろ〜83年)の間に、カトリック教会と犠牲者の家族との間でやりとりされた約3千通の手紙が、アルゼンチン司教協議会によってバチカン秘密文書館に保管されている。バチカンによると、教皇フランシスコが「真理と正義と平和への奉仕」として、自ら開示の決定を下したという。

独裁政権はどれくらい悪かったのか?

かなり悪かったといえる。軍はイザベル・ペロン政権に対する1976年のクーデターの後、アルゼンチン国内を掌握した。いわゆる「汚い戦争」は、左翼イデオロギーを撲滅するために計画された国家テロだった。政権が大規模な脅迫や拷問、殺人を行い、3万人もの人々が亡くなった。その人たちは「行方不明者」とされているが、実際は飛行機やヘリコプターで連れ去られ、服を脱がされて機外に放り出された。そのようなやり方で、大勢の人が処分された。その人数の多さは、遺体を洗浄していた隣国のウルグアイが不満を訴えるほどだった。

「プラザ・デ・マヨの母たち」とは?

「プラザ・デ・マヨの母たち(5月広場の母たち)」は、政権に子どもを奪われた母親や祖母らで構成される、勇気ある抗議運動だ。彼女たちの子どもの消息は、全くつかめていない。子どもたちの一部は乳児で、出生時に政権によって母親から連れ去られた。両親が左翼だったというのが理由だ。乳児は体制支持者に渡され、彼らの子どもとして育てられた。

カトリック教会はどうしていたのか?

その経緯はやや複雑だ。カトリック教会の聖職者の多くは、イデオロギー的には軒並み左翼思考に反対していたため、政府がマルクス主義革命に傾倒した人々を取り締まっても気に留めなかった。司祭たちは、強制収容所での拷問にさえ関与した。教誨師(きょうかいし)をしていたクリスチャン・フォン・ウェルニヒ司祭は、7人の殺人と42人の誘拐、32人の拷問に共謀した罪で有罪とされ、後に終身刑を宣告された。しかし他の人々、特に、貧しい人たちと親しくしていた司祭たちは同情に値する。彼らの何人かは殉教し、他の何人かは逮捕され、拷問された。犠牲者の遺族がカトリックの聖職者に宛てた手紙にどのような内容を書いていたかは分からないが、多くの人が助けを嘆願していたと推測できる。彼らは、顧みてもらう機会が余り与えられなかった可能性がある。

教皇フランシスコは当時アルゼンチンで司教をしていたはずだが

教皇フランシスコの経緯もやや複雑だ。笑顔の教皇という印象を傷つける要素の1つは、まだホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(教皇フランシスコの本名)であった時代における彼の行動にある。権威主義者で反動思想家として知られていた彼は、フランツ・ジェリックとオーランド・ヨリオの2人の祭司の逮捕や拷問に共謀した罪で告発されている。彼は2人が所属していたイエズス会を解散させ、2人を放置して、いつ捕らえられてもおかしくない状況にした。2人は間もなく誘拐され、悪名高い海軍機械学校(ESMA)に連れて行かれた。2人はそこで、米国とフランスが訓練した拷問官によって、悍(おぞ)ましいほど苦められた。

本当に教皇フランシスコに責任があるか?

全てが教皇フランシスコのせいというわけではないはずだ。当初はジャリクス司祭もヨリオ司祭も教皇フランシスコのせいだと思っていたが、ジャリクス司祭は後に考えを変え、教皇フランシスコと和解した。ジャーナリストのポール・バレリー氏は、著書『Pope Francis: Untying the Knots(教皇フランシスコ:わだかまりを解く)』の中でこの問題を分析しており、教皇フランシスコは重大な過ちを犯したが、意図的なものではなかったと結論付けている。また、教皇フランシスコは、放置しておけば政権の犠牲になったであろう多くの人々を保護した。一方、プラザ・デ・マヨの「行方不明者」に対するの対応は、あまり説明ができない。彼は要となる裁判に出席することを拒否し、執務室で取り調べを受けたときには、「最小限のこと」だけ答えてごまかしたからだ。

教皇フランシスコは本当に悪者なのか?

記憶する限りでは、彼は他の全ての教皇に比べ、最も頻繁に自らを罪人だと述べている。また、軍事政権下における彼の役割について、納得していない人も大勢いる。一方で、教皇フランシスコは、やるべきことをやった勇敢な人物だと言う人もいる。バレリー氏は、次のように結論付けている。「ホルヘ・マリオ・ベルゴリオの役割について一部の人が下している判断がいかなるものであれ、その判断は、ベルゴリオ自身が祈りの中で神の前に告白したものとは一致しないだろう」

秘密文書の公開で明確になることは何かあるのか?

カトリック教会が懸念しているのは、文書を公開したからといって万事が明らかになるものではないだろうということだ。教皇フランシスコが、それらの手紙のいずれかに直接関わっていることを示すものは何もないが、手紙の公開によって明らかになることが、カトリック教会の透明性を十分に反映しないとしても、秘密にするよりは良いに違いない。この件について米国のバラク・オバマ大統領は、「汚い戦争」の中で米国が果たした役割については長年秘密にされてきたにもかかわらず、その関与が広く懸念されていることから、詳細を明らかにすると今年初めに約束している。

※ この記事は、英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。
関連タグ:バチカンアルゼンチン汚い戦争フランシスコ(ローマ教皇)プラザ・デ・マヨの母たち
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