蜜と塩―聖書が生きる生活エッセイ(23)重すぎる盾 ミュリエル・ハンソン

2016年11月4日07時33分 コラムニスト : ミュリエル・ハンソン 印刷

もうすぐ9歳になる息子は、地下室で何やら忙しくしています。トントンと叩く音が聞こえてきますし、タイル張りの床に固いハンマーの先をぶつけている光景が目に浮かんできます。

何をしているのかと下に降りて様子をうかがうと、彼は重そうな板に釘を打ちつけて、およそ60センチ四方の四角い板を作っていました。どうやら盾のようなものを作っているのだと見て取りました。

仕上がった物を私に手渡すときの息子ケントの顔は、達成感でキラキラと輝き、得意満面です。

手渡された盾を受け取ろうとした私は、もう少しでそれを落としそうになりました。腕が折れそうなほど、盾は重かったのです。

その盾で遊んでも楽しめないわよ、という言葉が私の口を衝(つ)いて出そうになりました。きっと、彼は盾そのものの重さで押し倒されてしまうでしょう。この幼い剣士は「敵」なるものよりも先に、盾のせいで身動きできず、たちまち崩折れてしまうに決まっています。

けれども、息子の顔をひと目見るや、言葉を呑み込みました。せっかく作ったものにケチをつけて彼のプライドを傷つけてはいけない、本人が自ら気が付くに任せましょう、と自戒したのです。

それから数週間後の昨日のことです。窓から外を眺めていましたら、息子の作ったあの盾が地面に置いてありました。盾は今では取っ手が外され、野球で使う格好のホームベースになっているではありませんか!

さて、息子のずっしりと重い盾を持ってみて思ったのは、私たちが必要以上に身構えているのではないかということです。そのために、疲れ果てていませんか。心理学では、この防衛手段の一つ一つに名前が付いているのでしょうが、どれもみな、自己保身のための自衛策であることに変わりはありません。私たちに代わって、神様が私たちを守るとお約束してくださっているというのに!

もし、あなたを守る鎧(よろい)が重すぎるなら、それはきっと神様のではなくて、あなた自身が身に付けている鎧が重いのでしょう。

「わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからです」(マタイ11:30)

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【書籍紹介】
ミュリエル・ハンソン著『蜜と塩―聖書が生きる生活エッセイ

蜜と塩

読んでみて!

一人でも多くの方に読んでいただきたいエッセイです。聖書を読んだ経験が有る、無しにかかわらず、著者ファミリーの普段着の生活から「私もそのような思い出がある」と、読者が親しみを抱くエッセイです。どなたが読んでも勉強になります。きっと人生の成長を経験するでしょう。視野の広がりは確実です。是非、読んでみてください。

一つは、神を信じている者が確信を持って生きる姿をやさしく、ごく当たり前のこととして示しているからです。著者は、日本宣教のため若き日に、情熱を燃やしながら来日しました。思わぬ事故のためにアメリカへ帰らなければなりませんでしたが、生涯を通して神への信頼は揺るぎませんでした。

もう一つは、日常の中に働いている聖霊のお導きの素晴らしさを悟ることができるからです。私たちの日常生活が神様のご意志のうちに在ると知ることは、安心と平安を与えるものです。

さらに、著者のキリスト者生活のエピソードを通じて、心が温まるものを感じます。私たちの信仰生活に慰めと励ましが与えられます。信仰が引き上げられて、成長を目指していく姿勢に変えられていく自分を発見するでしょう。

長く深く味わうために、急がずに、一日一章ずつでもゆっくりと読んでみてはいかがでしょうか。お薦めいたします。

ハンソン夫妻の長い友  神学博士 堀内顕

ご注文は、全国のキリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

ミュリエル・ハンソン

ミュリエル・ハンソン(Muriel Hanson)

ミュリエル・ウエッスマン(Muriel Wessman)はミネソタ州出身、カルヴィン・ハンソン(Calvin Hanson)はカリフォルニア州出身。2人は、イリノイ州シカゴにある福音自由教会聖書学校で出会う。その後、ディヤーフィールド(Deerfield)郊外にあるトリニティー(Trinity)神学校で学ぶ。両氏はウィートン大学(Wheaton)で学び、ミネソタ大学(Minnesota)を卒業。1947年6月7日に結婚。

夫がミネアポリスで牧会に携わっていた時の1949年3月、2人はアメリカ福音自由教会から日本への初代宣教師としての召命を受け、遣わされることになる。

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