蜜と塩―聖書が生きる生活エッセイ(20)母親の務め ミュリエル・ハンソン

2016年9月23日17時58分 コラムニスト : ミュリエル・ハンソン 印刷

わが子の1人がまたやってしまいました。母親なら誰でも、子どもが思わぬ事をするのは分かっていますが、今度は温度計を床に落として壊したのです。子どもたちの手にかかり犠牲になった物がどんどん増えていきますが、この温度計も新たに壊れ物のリストに加わったわけです。

椅子の下から、キラキラした水銀が顔をのぞかせているではありませんか。当然のことながら、急いで片付けようとしましたが、水銀の扱いがこんなにも厄介であることをすっかり忘れていました。大急ぎでやってみたものの、水銀を遠くへ遠くへ押しのけ、散らばらすことしかできませんでした。神経を使い、やっとの思いで、手のひらに乗せました。そして、ちょうど良い力を入れると2本の指の間に収まってくれます。面白くてしばらく遊んでしまいました。

ほんのわずかでも力を入れ過ぎると、指の間から逃げてしまい、力加減が足りないと落ちてしまうこともあります。この小さな水銀玉を楽しんでいたときに、「子どもたちの扱いも、水銀とちょっと似ているのではないか」と、ふと思いました。

子どもたちに圧力をかけ過ぎると、彼らは親から離れていってしまいます。自由に任せると、彼らは自分勝手な道へ進んでいきます。そして親が手抜きをした分が、後からツケになって返って来ます。

わが子をよく観察して分かったことですが、1人として同じ子はいません。また、神様にとっても、子ども自身にとっても、一人一人が独自の可能性を秘めているのです。子どもたちの成長とともに、彼らに関わる問題も一緒に大きくなっていきます。これから先、終わりのない複雑な問題が私を待っていると思うと、突然、不安な気持ちになりました。

母親が握っている手綱をどう操ったらよいでしょうか。手綱をしっかり引き締め、子どもたちが、母親の教えから離れないようにしたいと思います。しかし、手綱を緩め、神様の御手が働く余裕も残しておきたいものです。神様が子どもたちの人生にどんなご計画を持っていらっしゃるのか、私たちには計り知れませんが、子どもたちに関わろうとしていてくださる神様の御手に委ねられるように。

母親の務めは、前途多難です。でも、ありがたいことに、この大変な母親業を、神様の助けなしで成し遂げようなどと思わないでよいのです。神様が応援してくださっているのですから。

「あなたがたの中に知恵の欠けた人がいるなら、その人は、だれにでも惜しげなく、とがめることなくお与えになる神に願いなさい。そうすればきっと与えられます」(ヤコブ1:5)

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【書籍紹介】
ミュリエル・ハンソン著『蜜と塩―聖書が生きる生活エッセイ

蜜と塩

読んでみて!

一人でも多くの方に読んでいただきたいエッセイです。聖書を読んだ経験が有る、無しにかかわらず、著者ファミリーの普段着の生活から「私もそのような思い出がある」と、読者が親しみを抱くエッセイです。どなたが読んでも勉強になります。きっと人生の成長を経験するでしょう。視野の広がりは確実です。是非、読んでみてください。

一つは、神を信じている者が確信を持って生きる姿をやさしく、ごく当たり前のこととして示しているからです。著者は、日本宣教のため若き日に、情熱を燃やしながら来日しました。思わぬ事故のためにアメリカへ帰らなければなりませんでしたが、生涯を通して神への信頼は揺るぎませんでした。

もう一つは、日常の中に働いている聖霊のお導きの素晴らしさを悟ることができるからです。私たちの日常生活が神様のご意志のうちに在ると知ることは、安心と平安を与えるものです。

さらに、著者のキリスト者生活のエピソードを通じて、心が温まるものを感じます。私たちの信仰生活に慰めと励ましが与えられます。信仰が引き上げられて、成長を目指していく姿勢に変えられていく自分を発見するでしょう。

長く深く味わうために、急がずに、一日一章ずつでもゆっくりと読んでみてはいかがでしょうか。お薦めいたします。

ハンソン夫妻の長い友  神学博士 堀内顕

ご注文は、全国のキリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

ミュリエル・ハンソン

ミュリエル・ハンソン(Muriel Hanson)

ミュリエル・ウエッスマン(Muriel Wessman)はミネソタ州出身、カルヴィン・ハンソン(Calvin Hanson)はカリフォルニア州出身。2人は、イリノイ州シカゴにある福音自由教会聖書学校で出会う。その後、ディヤーフィールド(Deerfield)郊外にあるトリニティー(Trinity)神学校で学ぶ。両氏はウィートン大学(Wheaton)で学び、ミネソタ大学(Minnesota)を卒業。1947年6月7日に結婚。

夫がミネアポリスで牧会に携わっていた時の1949年3月、2人はアメリカ福音自由教会から日本への初代宣教師としての召命を受け、遣わされることになる。

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