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カトリック司祭として生きたユダヤ人の人生を描く スピルバーグ監督次回作、年明けに撮影開始へ

2016年8月25日19時49分
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関連タグ:カトリック教会ローマ教皇イタリア
カトリック司祭として生きたユダヤ人の人生を描く スピルバーグ監督次回作、年明けに撮影開始へ+
スティーブン・スピルバーグ監督(写真:Gerald Geronimo)

宗教を取り巻く社会派のノンフィクション小説『The Kidnapping of Edgardo Mortara』が、スティーブン・スピルバーグ監督の次回作として映画化されると話題を呼んでいる。米映画情報サイト「Deadline」がこれまでに報じてきたところによると、同小説の主人公エドガルド・モルターラ(1851~1940)は、ユダヤ人の家族のもとに生まれながら、親元から連れ去られてカトリックの司祭として育てられた実在の人物で、彼の存在は当時の教皇ピウス9世含むカトリック教会、そしてイタリア全土にも大きな影響を与えることになったという。

同小説は、米歴史家・人類学者デビッド・ケルツァー(David Kertzer)が1997年に発表したもので、今回の映画化に当たっては映画「ミュンヘン」や「リンカーン」といった歴史・社会派映画でスピルバーグ監督とタッグを組んできたトニー・カーシュナーが脚本を手掛ける。

舞台は19世紀中ごろのイタリア。ユダヤ人家庭の使用人として働いていたカトリック信徒の少女は、主人の息子の幼いエドガルドが病にかかり、命の危険にさらされているのを見、ひそかに洗礼を施す。(カトリックでは、緊急の場合であれば誰でも洗礼を授けることができる)

しかし、当時は非キリスト教徒がキリスト教徒である子どもを育てることは違法とされていたために、洗礼を授けられてキリスト教徒と認定されたエドガルドは、宗教裁判所の命令を受けた教皇領の警察によって、両親のもとから盗まれるようにして連れ去られてしまう。

エドガルドは、当時のローマ教皇ピウス9世の個人的な保護を受けて育てられ、カトリック司祭となり、後にベルギーの聖アウグスチヌス教会に派遣されて、そこでカトリック信徒として帰天する。だが、彼の両親がなんとかして息子を取り戻そうと抗議の声を上げたために、この一連の事件は大きな論争の的になり、イタリア統一運動のさなかで巨大な政治闘争の一部に取り込まれていく。

早くて年明け、遅くとも2017年3月には撮影が始まり、同年中の公開が予定されており、すでにスピルバーグ監督作「ブリッジ・オブ・スパイ」でアカデミー賞助演男優賞を受賞した英俳優のマーク・ライランスが、ピウス9世役に決定したと報じられている。7月には、同じくスピルバーグ監督作「スター・ウォーズ フォースの覚醒」で大ブレイク中の米俳優オスカー・アイザックが出演交渉に入っていることが分かり、続報が待たれている。

映画化に当たってもタイトルは原作小説と同名。宗教を取り巻く社会問題を浮き彫りにする壮大な歴史映画になることが予想される。自身もユダヤ人家庭に生まれているスピルバーグ監督が、どのようにエドガルドの人生を見、彼を取り巻くユダヤ人やカトリック教会を描き出すのか。同じくユダヤ人の歴史を克明に描き、今なお高く評価されている「シンドラーのリスト」に次ぐ大作になるのか、期待が高まる。

関連タグ:カトリック教会ローマ教皇イタリア
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