教皇、7月末にアウシュビッツ訪問 説教取りやめ「祈りと涙」で追悼を

2016年7月7日16時45分 翻訳者 : 野田欣一 印刷
+教皇、7月末にアウシュビッツ訪問 説教取りやめ「祈りと涙」で追悼を
アウシュビッツ第2強制収容所(ビルケナウ)の鉄道引き込み線。「死の門」と呼ばれた強制収容所の入り口が見える。(写真:Michel Zacharz AKA Grippenn)

教皇フランシスコは7月末、ポーランドにあるナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所跡を訪れる予定だが、そこで600万人のユダヤ人、またその他の何百万人もの少数派の人々の死を「祈りと涙」をもって追悼したいと願っている。教皇はそこで説教するという最初の計画を取りやめたのだ。

教皇フランシスコは7月29日、ポーランドで開かれる青年カトリック信徒の年次集会「世界青年の日(ワールドユースデー)」の式典に出席するのに合わせて、アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所跡を訪問する予定である。

教皇は当初、ビルケナウの国際追悼記念碑前で説教をすることにしていた。歴代のローマ教皇では、先々代のヨハネ・パウロ2世と先代のベネディクト16世の2人もポーランド訪問中にそこで説教をしている。

6月末にアルメニアを司牧訪問した教皇は、アルメニア虐殺記念館での説教も行わなかった。

バチカンのフェデリコ・ロンバルディ広報事務所長は、アルメニアからローマに戻る機内で、教皇にアウシュビッツでの説教について、「聖下は言葉を語るよりも、むしろ沈黙してその瞬間をお過ごしになりたいと聞きましたが」と記者たちがいる中で尋ねた。

教皇は、第1次世界大戦開戦から100年目に当たることを記念して、2014年にイタリア北部フォリアーノ・レディプーリアを訪れた際、慰霊施設の中を1人で歩いたことについてこう述べた。「私は、静寂の中を歩きました。その後、ミサがあり、そのミサで私は説教をしました。しかし、あの静寂は説教とはまるで違うものでした」

カトリック・ニュース・サービス(CNS)によると、教皇はアウシュビッツについて、「あの恐怖の場所に行くのに、言葉も群衆もいりません。ほんのわずかな人たちがいればいいのです。1人で入り、祈る。主なる神が、私に涙することのできる静謐(せいひつ)な時を与えてくださいますように」と語った。

教皇はホロコーストに関してしばしば発言や執筆をしている。共著書『天と地の上で』の中で、教皇と共著者のユダヤ教のラビであるアブラハム・スコルカ氏は、ホロコーストについて対話をしている。その中で教皇は、「ナチス・ドイツが殺したユダヤ人一人一人は、生ける神に対する一発一発の平手打ちだったのです」と述べている。

教皇は同年、イスラエルのホロコースト記念館を訪れており、記念館の芳名帳に、「神の御姿に似せて創造された人間がしたことは、何と恥ずべきことだったか。人間が自らを邪悪の主(ぬし)としてしまったとは、何と恥ずべきことだったか。自らが神となって、兄弟たちを殺してしまうとは、何と恥ずべきことだったか。再び繰り返してはならないのです。決して繰り返してはならないのです」と書いている。

※この記事は英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。記事の一つ一つは、記者や翻訳者、さらに編集者の手などを経て配信されているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、毎月定期的にサポートする「サポーター」として(1,000円/月〜)、また単発の「サポート」(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済で可能です。申し込みいただいた方には、毎週のニュースやコラムをまとめた申込者限定の週刊メールマガジンを送らせていただきます。サポーターやサポートの詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。


国際の最新記事 国際の記事一覧ページ

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

おすすめのコンテンツ【PR】

コラム

主要ニュース