受難週と復活「互いに愛し合う教会」の誕生物語(9)とがめ続けることをしなかった 森正行

2016年4月23日21時34分 コラムニスト : 森正行 印刷
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とがめ続けることをしなかった

互いに優劣を競い争い合ったキリストの弟子たちが、「互いに愛し合う」関係を築くために、神は、イエス・キリストが十字架にかかられる受難の一週間と、その後のキリストの復活の期間を用い、彼らの関係性を劇的に変えていかれ、初代の教会が誕生していきました。

このたびも、その軌跡を追っていきましょう。これは、今日、私たちの人間関係にも深く関わっていくことだからです。前回の続きです。

「愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。愛は自慢せず、高慢になりません」(Ⅰコリント13:4)

イエスを「知らない」と言ってしまったペテロは、しばらくの間、そんな自分自身とどう向き合えばよいのか分からず、自分を赦(ゆる)すこともできないままでした。

けれども、イエスはペテロを非難せず、ペテロと向き合い、ペテロを赦していました。そのことをペテロは知って、赦されていた自分と向き合えるようになり、また自分を赦せるようになっていきました。

さらに、これらのことは自分自身に対してだけではなく、他の隣人たちに対する向き合い方も変えていきました。かつてイエスが「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」と語られた本当の関係性を、今になって理解するようになりました。

このようにして、キリスト教会の誕生は、聖霊の働きと、キリストの愛の言葉と、主の導きによる実体験とが、ペテロや他の弟子たちの心の根底に据えられ、キリストの愛が基(もとい)となって生まれました。

ペテロたちがもう一つ顧みたことがありました。それは、弟子たちが「あなたを知らないなどとは、決して申しません」とキリストの言葉を否定したにもかかわらず、イエスはそのような彼らを、その後もとがめず、言い争うようなことに発展しなかったことです。

「あの時は、自分たちの信仰者としての生き方が明らかに間違っていたのに、イエスは自分たちを説き伏せようとせず、間違いが分かるようになるまで、静かに待っておられた」と思ったのではないでしょうか。

普段、自分の考え方を主張し続けることが正しいと思っていた弟子たちは、それとは対照的なイエスの姿・振る舞いに「互いに愛し合う」ことの理解を深めていきました。

人間同士を真に愛し合う関係へと発展させてくださるのは、聖霊の働きです。私たちも、相手が納得するまで説得したり、相手を正そうと言い争ったりするよりも、聖霊の働きにより期待して祈り、委ねることが求められているのでしょう。

【祈り】 神様、私たちが「互いに愛し合う」関係となるために、真理に目を開かせ、お言葉通りにしてください。

【関連聖書箇所】マタイの福音書26章31~37節

そのとき、イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたはみな、今夜、わたしのゆえにつまずきます。『わたしが羊飼いを打つ。すると、羊の群れは散り散りになる』と書いてあるからです。

しかしわたしは、よみがえってから、あなたがたより先に、ガリラヤへ行きます。」

すると、ペテロがイエスに答えて言った。「たとい全部の者があなたのゆえにつまずいても、私は決してつまずきません。」

イエスは彼に言われた。「まことに、あなたに告げます。今夜、鶏が鳴く前に、あなたは三度、わたしを知らないと言います。」

ペテロは言った。「たとい、ごいっしょに死ななければならないとしても、私は、あなたを知らないなどとは決して申しません。」弟子たちはみなそう言った。

それからイエスは弟子たちといっしょにゲツセマネという所に来て、彼らに言われた。「わたしがあそこに行って祈っている間、ここにすわっていなさい。」

それから、ペテロとゼベダイの子ふたりとをいっしょに連れて行かれたが、イエスは悲しみもだえ始められた。

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森正行

森正行(もり・まさゆき)

1961年兵庫県西宮市出身。建設専門学校卒。不動産会社、構造建築事務所にて土木・建築構造設計部門を5年間勤務。1985年受洗。関西聖書神学校卒。岡山・岡南教会にて伝道師・副牧師3年間奉仕。1995年より現在、日本イエス・キリスト教団宮崎希望教会牧師。

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