WCCなど、ナゴルノ・カラバフの平和のために祈る アルメニア使徒教会の指導者はアゼルバイジャンを非難

2016年4月6日16時42分 記者 : 行本尚史 印刷
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ナゴルノ・カラバフの山岳地帯(写真:Sonashen)

ナゴルノ・カラバフとアルメニアおよびアゼルバイジャンの周辺地域の平和のための祈りが4日、スイスのジュネーブにあるエキュメニカル・センターのチャペルでささげられた。世界教会協議会(WCC)が5日、公式サイトで伝えた。この公同の祈りによる礼拝に参加したのは、WCCやルーテル世界連盟(LWF)を含むエキュメニカル組織や他の国際的な組織の職員たち。

この集会は、アルメニアの首都エレバンとレバノンの首都ベイルートに近いアンテリャスという町にあるアルメニア教会のために祈る同じような集会と同時に開かれた。これらの霊的な連帯の表明は、4月1日に始まったナゴルノ・カラバフで勃発したばかりの軍事的な対決に対して行われたもの。ナゴルノ・カラバフは、アルメニアとアゼルバイジャンがその支配権をめぐって争っている地域。

「平和は世界のキリスト教徒としての私たちの使命でありメッセージであります」と、WCC総幹事のオラフ・フィクセ・トヴェイト牧師・博士は中東からの声明文の中で述べた。「この地域にいる政治および軍の指導者たちが、1994年5月のナゴルノ・カラバフにおける停戦合意を尊重し、再び責任を持って対話をすることが不可欠です。この地域からの声を聞き、緊張を段階的に縮小させるために、一つ一つの努力が国際社会によって受け止められなければなりません」

トヴェイト氏はまた、OSCEミンスク・グループに対し、「ナゴルノ・カラバフの人々の熱望を尊重し、現在の段階的拡大の問題に取り組み、それを緊急に解決すること、そしてこの地域で完全かつ永続的な平和のために働くこと」を呼び掛けた。

アルメニア使徒教会の全アルメニア最高総主教およびカトリコスのガレギン2世は4日、エレバンにある「光明なる聖グレゴリー大聖堂」で祈りを導いた。ガレギン総主教はWCCの現会長団の1人。

レバノンでは、1991年から2006年までWCC中央委員会の議長を務めた、同じくアルメニア使徒教会のキリキアのカトリコスアラム1世が祈りを導いた。

ガレギン2世総主教はこの戦闘に関する声明文の中で、「私たちはアゼルバイジャンによるカラバフの国境地帯での攻撃を強く非難する。それは居留者や非戦闘員にも向けられていたからだ」と述べた。同総主教は、「私たちの民族の兄弟愛と一致の精神、信仰と勝利の復活が、平和な暮らしを築き、私たちの国を豊かにし、それを安全に保ち、そしてその国境を安全に保ってくれるように」と祈った。

ガレギン総主教は、「私たちは祈りと支援をナゴルノ・カラバフの当局者たちと民衆、勇敢な司令官たち、軍隊の兵士たちにささげる。祖国の独立と私たち国民の安全に対するこれらの敵対的な攻撃に抵抗するために、私たちは減らされることのない、揺るぎない信仰と勇気を強く求める」と続けた。

この声明で、同最高総主教は、アゼルバイジャンの継続的な挑発と軍事行動は、この地域の安定を損ない、この紛争を解決するためになされている努力を損なっていると主張している。

「私たちは国際社会、とりわけこの紛争の解決プロセスに関わっている国々に対し、アゼルバイジャンによるナゴルノ・カラバフに対する現在進行中の攻撃をやめさせるよう呼び掛ける」とガレギン最高総主教は述べた。

「主が犠牲者たちの魂を天の御国へ受け入れてくださり、その親族に慰めをお与えくださり、そして負傷者たちに素早い回復をお与えくださるよう、私たちは祈る」とガレギン最高総主教は述べ、「神が平和をお与えくださり、アルメニアの軍隊の守護者となってくださるように」と結んだ。

アルメニア使徒教会によると、ガレギン2世は4日、この紛争で負傷した兵士たちを見舞おうと病院を訪問したという。

また、アラム1世カトリコスは、「私たちの民族に対するこの攻撃は、歴史において攻撃が私たちの民族によって対処されたように対処を受けるだろう。彼らは共に留まり、そして団結するだろう」と語った。同カトリコスは各地のアルメニア人に対し、ナゴルノ・カラバフの人々との自らの連帯を具体的に表明し、殉教した兵士たちや非戦闘員たちの魂のために祈るよう強く求めた。

1993年2月9日、ナゴルノ・カラバフ紛争が高まる中で、全アルメニア最高総主教のバズゲン1世(当時)と、コーカサス・イスラム教徒委員会のシェイク・ウル・イスラム・アッラーシュクル・パスハ・ザデー委員長によって共同声明が出されたが、その中でこの2人の指導者たちは、この地域の諸問題が「平和的に、正義を持って、政治的手段を通じて、普遍的に認められた国際的規範に従って」解決されるようにと呼び掛けた。

両指導者は「私たちの霊的な子たちの運命と、彼らを神の御心に反する行動へと駆り立てている残酷さや悪、そして嫌悪について」憂慮を表し、「これは宗教対立ではない。アルメニアのキリスト教徒とアゼルバイジャンのイスラム教徒は、尊敬と良い隣付き合いをもって、平和のうちに生きてきたし、これからもそうするであろう」と述べた。アルメニア人は主にキリスト教徒であるのに対し、アゼルバイジャンの人口のほとんどはイスラム教徒。

この共同声明を想起し、トヴェイト総幹事はこれらの声明を是認してこう述べた。「私はこの二つの共同体の宗教指導者たちによる1993年のこのメッセージが、23年前と同じように今日も関連性のある重要なものだと思う」

ナゴルノ・カラバフにおけるこの紛争は5日に停戦が合意されたが、その後も衝突が起きたと報じられている。

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