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難民・移民

難民の心の問題にどう取り組むべきか 多文化外来の精神科医が講演

2016年3月1日18時21分
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関連タグ:日本福音ルーテル社団(JELA)難民移民
難民の心の問題にどう取り組むべきか 多文化外来の精神科医が講演+
70年代から、難民など移住者の精神医療に携わっている精神科医師の野田文隆氏(めじろそらクリニック院長)=2月20日、JELAミッションセンター(東京都渋谷区)で

迫害を逃れて日本にやってきた難民は、衣食住の確保にはじまり、自立できるようになるための日本語学習や職場探しといったさまざまな必要を抱えている。だが、問題は目に見える部分だけにとどまらない。母国での過酷な経験によるトラウマなどから、不安定な精神状態で暮らしている人は少なくない。

難民の「心の問題」をどのように理解し、対応すればよいのか。キリストの愛の精神の実践として、1984年から難民支援に取り組んでいる日本福音ルーテル社団(JELA)は2月20日、日本に逃れた難民を支援する団体・NGOのネットワーク組織「なんみんフォーラム」(FRJ)と共催し、講演会「難民と精神障害」をJELAミッションセンター(東京都渋谷区)で開催した。講師は、難民など移住者の精神医療に携わっている精神科医師の野田文隆氏。

70年代にカナダに留学したことをきっかけに、難民や社会的少数派の外国人診察に問題意識を持つようになった野田氏は、言語・文化の壁ゆえに、それまで日本でほとんど取り組まれてこなかった難民診察のネットワークを広げる努力を続けてきた。野田氏は多文化外来を開設して、患者の母国語で、文化的背景を理解して診察に当たっているが、やって来る外国人は患者全体の4割をも占め、その驚くべきニーズの高さを実感しているという。自身のこれまでの経験から、難民はどういった精神障害を抱えているのか、支援者は難民とどう向き合っていくべきか、医学の視点から話をした。

極めて特殊な状況に置かれている難民と関わるには、まずその人の抱えている心理的問題を正しく理解することから始める必要がある。自分の意志に反して住み慣れた国を出ることになり、言葉の通じない国で、日常生活を送ることさえ困難になってしまった状況を考えると当然だが、ほとんどの難民には元気が見られない。だからこそ、ただ単に落ち込んでいるだけなのか、それとも精神が病んでしまっているのかを見極めることが大切だ。精神が病んでいる場合、それはつまり病気にかかっていることを意味するので、精神科医による診察、適切な薬物治療が必要となる。

西洋医学が浸透しておらず、精神病という概念を持たない国の難民は、自分が今どういう状態にあるのかを理解できないために、自ら進んで病院に行こうとする人はほとんどいない。野田氏は、難民がなりやすい主な精神病である、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症、解離性障害について、その具体的な症例を解説し、支援者による判断で、その後の正しい対応につなげてほしいと話す。圧倒的に多いうつ病の診断基準は、「S(眠れない)E(元気がない)G(申し訳なさを感じる)I(興味喪失)C(集中できない)A(食欲がない)P(動きが鈍い)S(死にたいと思う)」の8項目で、その全ての項目に当てはまり、2週間以上続いているならば、ほぼ間違いなく治療が必要になるという。

また、実際に診察を行うに当たっては、その人の文化的背景を考慮した慎重な対応が求められる。宗教上の理由で自分が病気であることを素直に受け入れられなかったり、なじみのない薬の服用に強い拒絶反応を示したりすることもある。

特にアジア、アフリカ圏からの難民にとっては、精神科医の診察を受けること自体が非常に勇気のいることなので、「あなたは精神病なので治療が必要だ」という直接的な表現によって心を閉ざし、逆効果になってしまう場合がある。野田氏は、病気だから薬が必要だというアプローチより、その人の困っているところに手を差し伸べ、「眠れるようになる薬だ」「頭痛がなくなる薬だ」というように、その人の生活に支障をきたす具体的な問題を一つずつ解決していくことを通して、信頼関係を築いていくことの重要性を語った。

難民の心の問題にどう取り組むべきか 多文化外来の精神科医が講演
講演に耳を傾ける参加者たち

難民の精神病を引き起こすのは、母国で体験した過酷な経験だけによるのではない。愛着のある場所から喪失体験を持ってやってきた難民を、移住先の国がどのように受け入れるかに大きな要因がある。審査に時間がかかる、99パーセント以上が認定されないという日本政府の難民認定制度には、国内外から批判の声が上がっているが、「受け入れられていない寂しさ」が難民の心にも影響を与えている。

だが、難民申請者数は年々増える一方で、2015年6月には過去最多の1万人を超えた。それに伴って、難民認定者の数も確実に増加している現実がある(2013年は6人、14年は11人、15年は今年1月23日の速報発表では27人)。「日本の難民が増えている今、政府も漫然とし続けるわけにはいかなくなってくるだろう」と推測する野田氏は、「仮放免になっている難民申請者などは保護費が受け取れず、メンタルヘルスの問題があっても診療を受けられない場合が多々あるので、政府に働き掛けていく必要性を感じている」と語り、支援者たちに学びの継続を呼び掛けた。

JELAがシェルター「ジェラハウス」を提供して支援しているのは、戦争などによって大規模に生み出される難民や、政治的意見・宗教などの理由から母国で安全に生活できなくなったために来日して日本での保護を求めている難民だ。支援対象者に宗教的な限定はないが、クリスチャンの難民にとっては、同じ宗教的感受性を持った日本のキリスト教会が、日本に適応する上での重要なコミュニティーとなり得る。

2月18日には千葉県佐倉市の教会で、女性カウンセラーを人質に取り男が立てこもる事件が発生したが、キリスト教会は難民だけではなく、精神病患者と関わりを持つことが多い。野田氏は「宗教関係者は一生懸命になって問題を抱え込みやすい」と理解を示し、「精神病の場合には、カウンセリングが有効でないことが多いので、治療が必要かどうか冷静に判断し、適切な対処に当たってほしい」と話した。

■ 日本福音ルーテル社団(JELA)ホームページ

■ なんみんフォーラム(FRJ)ホームページ

■ 野田氏が院長を務める「めじろそらクリニック」ホームページ

関連タグ:日本福音ルーテル社団(JELA)難民移民
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