2・11信教の自由を守る日 「平和を告げる共同体」 日本ナザレン教団

2016年2月13日14時57分 記者 : 守田早生里 印刷
+2・11信教の自由を守る日 「平和を告げる共同体」 日本ナザレン教団
講演する石田学氏=11日、東京都世田谷区で

日本ナザレン教団は、関東地区教会教育研修会として11日、信教の自由を守る日の集会を下北沢教会(東京都世田谷区)で開催した。関東地区を中心に集まった牧師、信徒、神学生らが午前中の講演会、午後からの礼拝や交わりの時を過ごした。

講演に先立ち、「日本ナザレン教団は、戦後50年時に『戦争責任告白』として過去に向き合うことを行ってきた教団である」と、同会主催の1人、久米淳嗣(あつし)牧師から、あいさつがあった。

「日本ナザレン教団全国牧師会・沖縄平和宣言」について

講演を行ったのは、日本ナザレン神学校校長で小山教会牧師の石田学氏。講題を「平和を告げる共同体」として、三位一体論から考察する「平和」を語った。

講演は、昨年10月に沖縄で採択された「日本ナザレン教団全国牧師会・沖縄平和宣言」についてから始まった。この宣言については、同教団の牧師が一同に会する全国教職セミナーの席上で話し合いが行われた。「さまざまな議論はあったものの、牧師会の総意として、沖縄の地でこの宣言が採択された意味は大きい」と石田氏は話す。

世界情勢を見ると、決して楽観視できる状況ではなく、具体的にさまざまな問題が浮き彫りとなっている今、「現実から神学的な在り方を見るのではなく、信仰的な見地から現実を見ること」が、牧師として、またキリスト者として大切なことではないかと提言した。

宣言には、▼世界中が軍事基地のない国になることを切に願い、祈り、働く、▼日本国憲法を擁護し、憲法が謳(うた)っている国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、信教の自由、政教分離の原則を、神の摂理によって与えられたものと確信する、▼神の御旨に沿わない、憲法の改訂、解釈改憲に反対する。従って「安保関連法案」の強行採決に抗議し、安保関連法の廃止を強く求める、▼沖縄との交わりを深め、正義と公平が沖縄において実現するよう祈る、▼全世界の教会に、軍事力によらない平和の道を共に作り、歩むように呼び掛ける、▼牧師として、聖書が指摘する平和を教会の内外において宣べ伝え、祈りつつ行動する、などが掲げられた。

三位一体論

今回、三位一体論に主眼を置いたことについて、「教会における平和とは何か?」といった疑問を投げ掛けることから話をした。「平和」の対義語として挙げられるのは「戦争」であることが多く、「平和」を語る場では、とかく「戦争のない社会」や「武器のない社会」とされ、反戦運動につながることが多い。教会がこうした運動とどう向き合うかを考えるのは、緊急な課題といえる。

「武器が『ない』」や「戦争が『ない』」といった消極的な考えよりも「聖書における『平和』は、それらを超越した意味がある」と石田氏。キリスト者の間では、「平和=シャローム」というのは、よく知られていることだ。「シャロームというのは、関係性を表す言葉であり、『神と人』または『人と人』の関係を表す言葉である」という。この関係性を語る上で、キリスト者は「父と子と聖霊」の関係を無視することは到底できない。

「三位一体は、キリスト教の基本的な教理であるが、この教理が『教会の教え』とされたのは、4世紀ごろ。各教会に定着し始めたのは、5世紀から6世紀くらいといわれている。この教理が定着する前に分離してしまった教会もある。それが、コプト教、シリア教、アッシリア教などだ」と話した。

イエスとその弟子たちが、イスラエルから受け継いだ最大の教えは、「神は唯一絶対である」ということだった。しかし、この唯一絶対の神と聖霊の存在、イエスの復活という「『3』を『唯一』とする議論」に相当な時を要した。

しかし、当時の教会は、妥協することなく議論を重ねた。この三つは、上下関係、支配関係のない関係であり、「父は子がいなければ父ではなく、子は父がいなければ存在せず、聖霊は父と子なしに働くことはない」と話し、愛に基づかない関係は、不正義であると語った。

三位一体の神を信じる共同体として

この平和を生きる者として、教会は「父と子と聖霊の関係性を映し出す共同体」であることが必要だ。それは、愛に根差した活動であることを規範とし、「世に言う『社会活動』と同一化してはならないのでは」と話した。イベント、奉仕をいかにするかではなく、どのような関係性を持ってそれを行うかが重要だというのだ。「パウロは、『愛がなければ、無に等しい』と語った。私たちは、シャロームを生きる『宣教共同体』であることが必要なのでは」と話した。

平和を告げる共同体としての教会

教会だけが「平和を生きる」ということではなく、「キリスト者は『外に出ていく愛』を持っていなければならない。そうすることで、シャロームに近づいていくのでは。私たちには、『シャロームを告げ知らせよ』といった大宣教命令がある」と石田氏は語る。

それは、具体的には小さな者への慈しみであったり、公平性や平等性を守る正義、互いに恵みを与え合う「互恵性」であったりするという。「格差を助長するような政策、軍事力による国際協力は果たして正義と言えるだろうか」と話した。

講演の結論として、「教会が平和を生き、平和を告げるのは、神が三位一体の神だからである」とした。全世界に平安があるよう、皆で祈り、講演を終了した。

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。記事の一つ一つは、記者や翻訳者、さらに編集者の手などを経て配信されているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、毎月定期的にサポートする「サポーター」として(1,000円/月〜)、また単発の「サポート」(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済で可能です。申し込みいただいた方には、毎週のニュースやコラムをまとめた申込者限定の週刊メールマガジンを送らせていただきます。サポーターやサポートの詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。


教会の最新記事 教会の記事一覧ページ

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

おすすめのコンテンツ【PR】

コラム

主要ニュース