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日野原氏「信仰・望みと愛」 小岩四恩教会80周年祝賀礼拝

2008年1月14日23時21分 記者 : 内田周作
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関連タグ:日野原重明小岩四恩キリスト教会
日野原氏「信仰・望みと愛」 小岩四恩教会80周年祝賀礼拝+
戦前生まれの日野原氏は、戦争を含め自身の経験を織り交ぜながらメッセージを伝えた=13日、小岩四恩キリスト教会(東京都江戸川区)で

昨年創立80周年を迎えたのを記念して、単立・小岩四恩キリスト教会(東京都江戸川区、西村虔牧師)は13日、聖路加国際病院名誉院長・理事長の日野原重明氏を招いて、創立80周年祝賀礼拝を行った。礼拝では日野原氏がコリント信徒への手紙一13章を引用し、「信仰・望みと愛」と題してメッセージを語った。

日野原氏は現在97歳。90歳を過ぎてから出版した著書『生き方上手』で130万部以上の売り上げを記録、日本最高齢のミリオンセラー作家となり、05年には文化勲章を授章した。当日は同氏の話を聞こうと約300人が訪れ、礼拝堂に収まりきらない人々はスクリーンを通して話を聞いた。

まだ10歳に満たない幼い頃に聞かされ、覚えさせられた言葉「信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中でもっとも大いなるものは、愛である」(コリント一13:13)が「(私の)生き方の根本をなしている」と日野原氏。 「先生や両親は子どもだと思っているが、10歳の子どもは良く分かっている」。90歳を越えた同氏から10歳の子どもたちへ宛てられた著書『十歳のきみへ』で、本を読んだ子どもから「大学の卒業論文」にも優る手紙が送られてきた経験など語り、子どもたちの中にある可能性、子どもたちの見本となる「良いモデル」の必要性を語った。

これまで同氏は70以上の小学校を巡り、「見えないことの中に本当のものがある」「いのちを持っていると感じるが、(いのちを)見ることは出来ない」「君たちが持っている時間が寿命、いのちであり、どう使うか大きくなったときに考えなければならない」と、子どもたちに生きることの意味を語ってきた。

子どもたちに今、何を伝えるべきなのか。3000年前に哲学者プラトンは人間には4つの徳「英知、正義、自制、勇気」が必要だと語ったが、キリスト教が語る徳は「信仰、希望、愛」の3つだと日野原氏。自身が持つ信仰、希望、愛への思いについて語った。

日野原氏「信仰・望みと愛」 小岩四恩教会80周年祝賀礼拝
当日は約300人が訪れ、2階の礼拝堂に入りきれなかった人々は1、3階でスクリーンを通して話を聞くなどした。写真は2階礼拝堂の様子。

信仰については、「信仰は信念のようなもの」と説明。「このように生きよう」というものを持つべきだと語った。また、「人間はある大きな方によって生まれた」「科学者はごく一部を説明するだけで、創ることはできない」「天地を創造した未知の方がおられる」と、神の存在を語った。

希望については、欲望は「外に持つもの」だが希望は「自分の心の中に見出すもの」と、欲望と希望の違いを語った。「人間は裸で生まれ、裸で死ぬ」存在であり、欲望ではなく希望を持つこと、また希望を失った友に希望を与えられるようになりたいと語った。さらに、共通の希望を持つことで、「共生」することができると伝えた。

一方、愛については、「(聖書は)愛の行動でなければ全然意味がないと言っている」と述べ、インドのガンジーや米国のキング牧師を例に挙げ、その死があってこそインドの独立があり、米国での人種差別撤廃が前進したと、武力ではなく愛の行動が世界を変えることを語った。また、「どんなに医学が発達しても、戦争、テロが起これば意味がない」。愛の具体的な行為として人の命を大切にすることを挙げ、平和へ向けての行動も求めた。

小岩四恩キリスト教会は1927年、西村虔氏の父西村敬一牧師が現在の荒川区南千住で開拓伝道を開始したことで始まった。創立100周年に向け、今後20年間の計画も立てられている。礼拝、聖徒の交わり、弟子訓練、奉仕、伝道の6つの分野でそれぞれ細かな目標が立てられ、参加者150人を超える礼拝を目指すため礼拝施設の拡張、「揺り籠から墓場まで」をモットーに託児・保育施設から養老施設の設置などを目指す。

関連タグ:日野原重明小岩四恩キリスト教会
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