日本キリスト教婦人矯風会、日本軍「慰安婦」問題に関する日韓外相会談に対する声明を発表

2016年1月14日06時05分 記者 : 行本尚史 印刷
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日本キリスト教婦人矯風会が13日に発表した、「日本軍『慰安婦』問題に関する日韓外相会談に対する声明」(画像:同会提供)

日本キリスト教婦人矯風会(東京都新宿区)は13日、「日本軍『慰安婦』問題に関する日韓外相会談に対する声明」を発表し、安倍晋三首相と岸田文雄外相に送付した。昨年12月に行われた同会談に関する同会の見解を述べたもので、同会が公式サイトで伝えた。

その中で同会は、合意の内容は大きく分けて次の5点であるとした。

  1. 「河野談話」のお詫びと反省の言葉を引用しながら、新たに「日本政府は責任を痛感している」という文言を加え、日本軍の関与を正式に認め、日本政府の責任に言及している。また、安倍首相が内閣総理大臣としてあらためて「心からお詫びと反省の気持ちを表明する」としている。
  2. 日本政府は韓国政府が設立する財団に日本政府の予算から約10億円を拠出し、両国が協力して、被害者の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行う。
  3. 日本政府が表明した2の措置が着実に実施されることを前提として、日本軍「慰安婦」問題は「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した」。
  4. 今後、日韓両政府は国連など国際社会において互いに非難・批判することは控える。
  5. 韓国政府は在韓国日本大使館前に設置されている少女像に関し、適切に解決されるよう努力する。

その上で、同会は、1については、河野談話を踏襲するとしながらも強制性はなかったなどと言い続けてきた日本政府が、あらためて軍の関与を正式に認め、謝罪の言葉があることは大きな前進である」と評価しつつも、「しかし、被害者の方々に直接語り掛けることもなく、外相が首相の言葉を代読しただけの謝罪などでは真の謝罪とは言えないのではないか」と述べた。

また、2についても、「政府予算から拠出という点では評価する」と述べつつも、「その拠出金は被害者の方々の心の癒やしのための措置、健康管理等の事業のためとしているだけで、使途が明確でないことと、賠償金ではないことが記者会見で明らかにされている」と指摘。「加害事実認定と謝罪、それを証しするための賠償を要求している被害者の方々にとって、これは決して納得のいくものではないであろう」とした。

そして、3、4については、「合意の条件として、お互いに二度とこの問題に触れないというものである。このような態度からは、何の反省も謝罪の意思も感じとれない」と批判。「河野談話にもあるように、歴史の教訓としてこの問題を永く記憶に留め、次世代に継承することこそ再発防止のためにも重要なことであり、今、日本政府が国際社会に向けてするべきことである」と主張した。

さらに、5の少女像は、「『慰安婦』被害者の方々を含む市民の手によって設置された『平和の碑』であり、その存続に政府が介入できるものではない。真に被害者の『心の癒やしを願う』のであれば、碑の撤去を迫るのは不適切であり、暴力根絶の証人として尊重すべきである」と述べた。

そして同会はこの声明の終わりに、「被害者の方々の思いを無視し、国家間の政治的決着を狙った日韓合意を私たちは受け入れることはできない。2014年に『日本軍「慰安婦」問題解決のためのアジア連帯会議』で採択され、政府に提出済みの『日本政府への提言』に沿って、日本政府が真の解決に向け着手することを求めて、私たちは取り組みを続けなければならない」と結論付けている。

なお、同会は公式サイトで、「矯風会は、1886年の創設以来キリスト教の精神に基づき女性と子どもの人権を守り、その福祉への貢献を目標に掲げ、努力してきました」などと説明している。同会の出版物に、『日本キリスト教婦人矯風会百年史』(ドメス出版、1987年)、『日本キリスト教婦人矯風会年表〈1886年~2006年〉』 (日本キリスト教婦人矯風会刊)、『婦人新報』(不二出版、復刻版、全60巻・別冊1、1985年、以後も偶数月に継続して刊行)などがある。

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