時給20円で1日18時間労働 家庭内奴隷となっていたインド人クリスチャン女性が勝訴 英国

2015年10月1日22時08分 記者 : 小又香織 印刷
+時給20円で1日18時間労働 家庭内奴隷となっていたインド人クリスチャン女性が勝訴 英国
英国の裁判所(写真:Michael D Beckwith)

英国在住のヒンズー教徒の雇用主から、1時間たった11ペンス(約20円)で働くことを強いられていたインド出身のキリスト教徒の女性、パーミラ・ターキーさん(39)が、これまで受けた差別に対する賠償金として18万4000ポンド(約3340万円)を受け取ることになった。英BBCなどが9月22日に伝えた。

インドで最も貧しい州の一つであるビハール州出身のターキーさんは、インドの先住民族アディバシだ。多くの場合、アディバシたちは貧しく、社会から取り残されるか、教育をあまり受けていない。彼女の雇用主であるアジャイ・チャンドクさんとプージャ・チャンドクさんは、英国で働くようターキーさんを雇用し、1日18時間の労働を強制、さらに1週間の内に休みを与えず、週7日勤務させていた。ターキーさんは、英国に聖書を持っていくことを禁止され、ベッドではなく床にマットレスを敷いて寝なければならず、自身の家族に連絡を取ることも許されなかった。ターキーさんは4年半、この生活に耐えた。

英国の労働裁判所は、ターキーさんが違法な嫌がらせと間接的な宗教的差別の犠牲者であると判決を下した。賠償金は、国の最低賃金から算出したターキーさんの不足分の賃金に相当する。

裁判所は、チャンドク夫妻が「単に働いてくれる人が欲しかったのではなく、奴隷が欲しかった。そして英国の労働権のことをよく知らず、(チャンドク夫人の)父親がインドであしらっている召使と同じような召使を、自分たちも英国で欲しかった」と指摘した。

BBCによると、ターキーさんの勝訴は、カースト差別をめぐる英国内の訴訟で初めてだという。

判決を受けてターキーさんは、「私は国民の皆さんに、私に起こったことは他の誰にも決して起こってはならないことであることを知っていただきたいのです。こういうことから発生するストレスや不安は、その人を破壊します。私は笑うことができませんでした。なぜなら、私の人生は破壊されてしまったからです。今、私は再び笑うことができます。ようやく私は自由の身となりました」と語った。

ターキーさんの法廷弁護士であるクリス・ミルソム氏は、「パーミラ・ターキーさんは目を見張るほどの素晴らしい女性です。雇用主夫婦により、4年半にわたる強制労働で不誠実さを突き付けられていた期間の彼女の忍耐と禁欲は、大変な称賛を受けるに値します」と述べた。

ターキーさんの事務弁護士で、反人身売買や反労働搾取専門のビクトリア・マークス氏は、「今回は、現代の奴隷制の被害者たちにとって非常に素晴らしい判決でした。これをきっかけに、他の犠牲者たちが状況の改善を求めること、彼らに一歩踏み出す勇気が与えられることを願っています」と述べた。また、「人身売買や労働搾取の業者が大手を振るようなことをせず、犠牲者からいつか責任を問われるということを業者が認識することが重要です」と語った。

※この記事は英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。

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