Skip to main content
2025年8月27日15時52分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 教育
戦後70年

戦時中のミッションスクール、弾圧に耐えて過ごした日々 残されたキリスト教主義

2015年8月24日12時53分
  • ツイート
印刷
関連タグ:フェリス女学院
戦時中のミッションスクール 弾圧に耐えて過ごした日々 残されたキリスト教主義+
フェリス女学院が100周年を記念して刊行した『100年史』(写真中央および右)とフェリス白菊会誌『白菊』(写真左)。フェリス白菊会は1907年、同学院の同窓生と在校生の親睦をはかり、教養を高めることを目的に組織された同窓会。

日本のクリスチャン人口は1%といわれながら、ミションスクールと呼ばれるキリスト教系の学校は全国に380校以上あり、その数は決して少なくない。教育においても聖書の教えに基づく「全人教育」は奨励され、クリスチャンでない人でも普通に受け入れている。特に女子校は「お嬢様学校」と呼ばれるところも多く、おしゃれなイメージもあって受験生の人気は常に高い。そんなミッションスクールだが、70年前までは、当時の国家主義に反すると攻撃を受け、太平洋戦争下においては敵国によって建てられた学校だと危険視され、有形無形の圧力をかけられていたのだ。

ミッションスクール発祥の地にあるフェリス女学院(奥田義孝理事長)も戦時下、数々の困難を乗り越えてきた。このことは、『フェリス女学院100年史』に詳しく記される。また、創立150周年を迎える同学院では、現在『フェリス女学院150年史資料集』も刊行され、その中にも戦時中の資料が収められている。さらに、過去に行われた、戦時中に教職者や生徒だった人たちが集まっての座談会の記録から、同校を含め戦時下のミッションスクールがどのように過ごしてきたかを知ることができる。

1870年、アメリカ改革派教会の婦人宣教師メアリー・キダーによって創設されたフェリス・セミナリー(当時)は、他のミッションスクールよりも、日本人のために女子普通教育機関として定着させることを意識していたという。そのため英語だけに重点を置かず、習字をはじめ、『日本外史』や『皇朝史略』『貞女鏡』などの和漢書の授業も行われていた。81年、ユージン・ブースが校長になり、99年、私立学校令により、フェリス和英女学校になる。ブースは1922年まで校長を務める。23年、関東大震災により校舎は壊滅し、婦人宣教師ミス・ジェニー・M・カイパー校長は殉職する。そして24年にルーマン・シェーファー校長が就任する。しかし、日米関係の悪化という状況下では、同校も他のミッションスクール同様苦境に立たされてしまう。

戦時中のミッションスクール 弾圧に耐えて過ごした日々 残されたキリスト教主義
フェリス女学院150年を記念して刊行された150年史。現在第3集まで刊行されている。第4集以降も引き続き刊行される予定。

学校経営面での大きな打撃は、財団法人への切り替えだ。それまで宣教師の派遣元であるアメリカ改革派教会から多額の援助を受けてきた同校にとって、従来の援助が受けられなくなることは、大きな痛手であった。また、米国人であったステゲマン校長が退任し、70年間に続く米国人校長の時代は終わり、1940年、都留仙次(1884-1964)が新しい校長として就任した。通常就任式においては日米両国旗を通常交差して飾られていたが、この時から日の丸だけが飾られるようになっていく。

さらに、校名も明治以来の英語名を避けて「フェリス和英女学校」から「横浜山手女学院」と変更されてしまう。事態の緊迫は、国旗掲揚、宮城遥拝(ようはい)を強制され、生徒たちは、制服をモンペに履き替え、勤労奉仕に駆り出されていくことになる。この頃になると米国宣教師団も帰国してしまう。こういった一連のことは、同校だけでなく、同じく横浜にあったミッションスクール、共立女学校(現:横浜共立学園)、捜真(そうしん)女学校、横浜英和女学院、横浜紅蘭女学校(現:横浜雙葉学園)でも同様だった。

一方教職員は、強制的に申請させられ下付(かふ)された「御真影(ごしんえい)」を守るために誰かがいつでも当直しなければならなかった。42年になると「金属回収令」が出され、学院中の鉄、銅を全て供出することになり、教職員は校地周囲の柵(5トン)から講堂のシャンデリア、門灯、ネームプレートに至るまで一切を外してまわり、軍部に供出しなければならなかったのだという。

戦時中のミッションスクール 弾圧に耐えて過ごした日々 残されたキリスト教主義
フェリス女学院の普通教室。戦時中は海軍に貸与されていた。(写真:フェリス女学院資料室蔵)

時間割では週6時間だった英語の授業は週3時間となり、校舎を海軍に全面貸与していたため寄宿舎の2部屋を打ち抜いて畳敷きのまま座って授業が行われた。しかしその授業も、時局の悪化とともに勤労動員のほうが重視されるようになり、44年3月には在学中でありながら修了証書を出して勉学を打ち切り、高等部は閉鎖されてしまった。

このような状況の中でも毎朝の礼拝は食堂で全員起立して守られ、必ず都留校長が最後に「今日も味方の兵士の上にお恵みを、それと同時に敵の兵士の上にも」と祈り、またある時は「この戦争を一日も早くやめ給え」とすら祈ったという。このことは、当時の生徒たちの心にも強く残っており、「あの頃はほんの子どもで、一緒に『アーメン』と言って祈っていたが、今思えばあの時代にそういうことを口に出して祈ることは大変勇気のいることだったのではないかと思う」と当時の生徒は振り返っている。

戦時中のミッションスクール 弾圧に耐えて過ごした日々 残されたキリスト教主義
戦時中のフェリス女学院の校舎全景(写真:フェリス女学院資料室蔵)

実際、都留校長のこのような姿勢が、生徒たちを戦争に対して盲目的、熱狂的にさせなかったという。勤労出勤強化に伴って、当局から授業を日曜日に行うよう指示された時も同校では実施しなかったし、聖書の授業も継続して行っていたと明かす。生徒たちも、勤労奉仕先の工場でも礼拝は行っていたという。当時勤労奉仕に駆り出された人の話では、礼拝は「フェリスの本質を求めてやまない気持ちが自然に湧き上がってきて」生徒が自主的に行っていたと言い、「毎日できなかったが、見えない力に支えられているという安心感があった」と述べている。

終戦直後、これまで海軍に占領されていた校舎は、今度はGHQに占領されることになり、ようやく45年10月に返還されたが、実際に校舎が使えるようになったのは46年になってからだったという。同校にとっての大きな悲しみは、失ったもののの多さだ。肉親や家、財産、さらに長年信仰において結ばれた海外との友好も失った。また、生徒たちは再び取り戻すことのできない美しい青春と学びの時を失ったと『100年史』は締めくくる。

ただ、当時の記録を読むと、都留校長が経営困難にことよせて関係者から普通の高等女学校になることを勧めらていたことや、憲兵からは学校の方針について度々詰問を受けていたことが分かる。想像を絶する困難さの中でも他者への祈りを忘れず、キリスト教主義の学校を守ってきた都留校長の姿が、同校の現在を支える大きな力となっていることを感じずにはいられない。

関連タグ:フェリス女学院
  • ツイート

関連記事

  • 立教学院展示館が初の企画展「戦時下、立教の日々」 戦後70年で

  • キリスト教主義大学からも安保法案に反対声明相次ぐ 31日に発足の祈りや学生との共同行動も

  • 戦争経験者に聞く戦後70年(4):「汝の敵を愛せ」 長崎で被爆した市原憲二郎さん

  • 戦争経験者に聞く戦後70年(1):海軍将校として戦艦「霧島」で戦い、戦後牧師に 後宮俊夫牧師が語る「キリストの平和」

  • 大阪明星学園生徒ら、二十六聖人の殉教地まで880キロの全行程歩ききる

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 主キリストの大きな力で癒やされよう 万代栄嗣

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • ワールドミッションレポート(8月27日):リビア 砂浜に響く殉教者たちの祈り(2)

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 幸せな人生とは 菅野直基

  • ワールドミッションレポート(8月26日):リビア 砂浜に響く殉教者たちの祈り(1)

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(241)聖書と考える「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」

  • ワールドミッションレポート(8月22日):コンゴのレンドゥ族のために祈ろう

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 花嫁(31)神に従う者の道 星野ひかり

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(229)コロナ禍による信仰生活への影響 広田信也

  • 主キリストの大きな力で癒やされよう 万代栄嗣

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(241)聖書と考える「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」

  • 幸せな人生とは 菅野直基

  • ワールドミッションレポート(8月25日):ザンビアのレンジェ族のために祈ろう

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

  • 福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進

編集部のおすすめ

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.