「傲慢になる人々のためにも祈りを」 昭和女子大名誉教授の川平朝清氏、日本バプテスト連盟の平和集会で講演

2015年6月23日18時23分 記者 : 行本尚史 印刷
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講演する川平朝清氏。共著書に『沖縄問題とキリスト者の責任』(聖燈社、1970年)、『戦さ場と廃墟の中から:戦中・戦後の沖縄に生きた人々』(日本キリスト教団沖縄教区、2004年)などがある=21日、日本バプテスト連盟川崎バプテスト教会(神奈川県川崎市)で

日本バプテスト連盟の「6・21平和集会~沖縄の祈りに心合わせて~」が21日午後、同連盟川崎バプテスト教会(神奈川県川崎市)で開かれた。同連盟では、「沖縄基地課題に関する協議会」がその課題の一環として過去3年にわたって6・21平和集会を開いてきた。

集会では、マタイによる福音書26章52節「そこで、イエスは言われた。『剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。・・・』」と、同5章9節「平和を実現する人々は幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」が朗読され、同連盟神奈川地方連合社会部長の坂本俊郎牧師が平和のための祈りをささげた。そして、琉球放送の元アナウンサーで同放送の常務取締役や沖縄放送協会(OHK)初代会長、NHK役員などを務め、現在昭和女子大学名誉教授である川平朝清氏(同連盟青葉キリスト教会員)が講演した。

1927年に台湾で生まれ、旧制台北高等学校卒業後、沖縄に引き揚げた川平氏は、沖縄戦の実態や沖縄の米軍基地、そして沖縄の反戦平和運動の指導者でクリスチャンでもあった故阿波根昌鴻(あはごん・しょうこう)氏の生涯と、沖縄の人々が米軍と交渉するために阿波根氏が作った「陳情規定」、また沖縄の独立論などについて語った上で、80人を超える参加者に対し「私たちは為政者のために今こそ祈るべきだと思います」と勧めた。そして、テモテへの手紙一2章1節にある、高い地位にある人たちのために祈るよう勧める教えについての聖句を読み上げた。

しかし、「高い人たちはどちらかというと傲慢(ごうまん)です。おごり高ぶっている」と川平氏は指摘し、箴言8章12~13節「わたしは知恵。熟慮と共に住まい / 知識と慎重さを備えている。主を畏れることは、悪を憎むこと。傲慢、驕(おご)り、悪の道 / 暴言をはく口を、わたしは憎む」を朗読した。

その上で、3月16日付の朝日新聞(朝刊、電子版では15日付)の4面記事「傲慢トップは経営リスクか 『人格障害』ビジネス界注目」に言及し、「この世には『傲慢症候群』というのがあるそうです」と述べ、その記事から一部を引用して「特に経営、あるいは政府のトップにある人たちが傲慢症候群に陥っている」と述べた。

傲慢症候群の症例として、▼偉大な指導者のような態度を取ることがある。話しているうちに気がたかぶり、我を失うことがある、▼「いずれ私の正しさは歴史か神が判断してくれる」と信じている、▼大きなビジョンに気をとられがち。「私がやることは道義的に正しいので、実用性やコスト、結果についてさほど検討する必要がない」と思うことがある、など14挙げられている症例の一部を紹介。「私たちは、傲慢になる人たちのためにも祈りましょう」と講演を結んだ。

この講演に先立ち、「沖縄戦の悲劇を忘れない。その後も基地を押し付けられて苦しむ沖縄の人々を覚えて連帯の祈りをしたい」と、同連盟常務理事の吉高叶(かのう)牧師が集会の初めにあいさつした。

「歴史は認識であり、誰の目で見て考えるかということ」と吉高牧師。「世論がどんなに反対しようが戦争法案を通そうとしていること、福島の原発事故にもかかわらず原発を再び稼働させようとしていること、そして沖縄に新基地建設を強行的に進めようとしていること、というこうした在り方の全ては同根だと私は思っている。そして脈々と日本の歴史の中で続いてきた思想だと思う」と吉高牧師は指摘した。

その上で、「そうした中で私たちキリスト者がさらに大きな歴史を貫いて、私たちを希望へと招いているイエス・キリストの深い根に根ざして、平和を語り継ぎ、平和をつくり出す者になる。そのことに結び付いて行く日にしたいと思う」と語った。

「傲慢になる人々のためにも祈りを」 昭和女子大名誉教授の川平朝清氏、日本バプテスト連盟の平和集会で講演
日本バプテスト連盟の「沖縄基地課題に関する協議会」がその課題の一環として過去3年にわたって開催してきた6・21平和集会。今年は80人以上が参加した。

また、この集会の進行役の一人を務めた日本バプテスト東京第一教会の富田愛世牧師は、「悲惨な地上戦が行われた沖縄に、今も在日米軍基地の74%が小さな島の中に存在しているということ。実は今日も沖縄バプテスト連盟の平和祈祷会が那覇バプテスト教会で行われています」と語った。「毎年本当に小さな働きですけれども、沖縄のことを覚える平和集会を行えたらと思っています」と富田牧師は述べ、この集会の協力者に感謝の意を表した。

この日は、「普天間基地ゲート前でゴスペルを歌う会」と、それに連帯して毎月第4月曜日午後6時から活動している「首相官邸前でゴスペルを歌う会」の働きが紹介されたほか、両者の共通の歌である「勝利をのぞみ」や、賛美歌「真実に清く生きたい」「きけや愛の言葉を」「善き力にわれ囲まれ」、そして「平和の歌―ヌチドゥタカラ」(沖縄の言葉で「命こそ宝」の意味)が、ギターやピアニカの伴奏で合唱された。

また、首相官邸前でゴスペルを歌う会に参加している菊池康子さんは、沖縄を訪問した自らの体験を語り、「やはりこの目で見て、この肌で感じてきたことはやっぱり大切であって、一人でも多くの人に沖縄のことを伝えていかなければと思わされた」と語った。菊池さんはマタイによる福音書5章9節を引用し、神に希望を置きつつ、ゴスペルを歌う会で思いを伝えていると話した。

同連盟ふじみキリスト教会の犬塚契牧師は、同連盟宣教部が企画している沖縄への旅に協力委員として参加した体験を証しし、「沖縄戦の追体験は難しい。でも、それまで見てきた出来事と、資料で展示されていたことからすれば、私にとっては墓場のように思われる場所でも、人が生きる場所なんだということを知った」などと語った。

犬塚牧師は、「命を守る闘いは大宣教命令に先立つんだ」「戦争を止める方法は一つだけある。それはもう一度戦争をすることだ。ただそれだけはしてはいけないのだ」と沖縄の平良修牧師(日本基督教団うふざと伝道所)が語った言葉が印象に残ったという。犬塚牧師は、「今年も中高生たちと一緒に沖縄へ行くので、そのためにお祈りしてほしい」と求めた。

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