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【書評】漫画『かごめかごめ』 全編フルカラーで魅せる修道女の愛の賛歌

2015年6月13日22時26分
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【書評】漫画『かごめかごめ』 全編フルカラーで魅せる修道女の愛の賛歌+
『かごめかごめ』(池辺葵、秋田書店、2014年9月20日)

池辺葵の『かごめかごめ』は、全編フルカラーで描かれた、修道院を舞台にした漫画作品。秋田書店が運営するウェブサイト「Champion タップ!」に連載されていた作品に、描きおろしエピソードが追加され、単行本化された一冊だ。昨年9月に発行されて以来、文芸雑誌『ダ・ヴィンチ』の「今月の絶対にはずさない!プラチナ本」コーナーで、「誰が読んでも心にひびく高クオリティー作品」として紹介されるなど、話題となっている。

街の外れにある修道院には、マザーとシスター、そしてジュニアと呼ばれる少女たちが暮らしている。親を亡くした子、親に捨てられた子、事情はさまざまだが、院で育てられた少女たちは、院で老いていく院への献身が定められている。礼拝堂で賛美をささげ、祈り、糧を得るために山の作物を収穫して過ごす。食事時には聖書の朗読がなされる。院での生活はそんな毎日だ。

外部との接触はない。街に出て行くのは、7年に一度の祭祀(さいし)の時だけだ。目新しく華やかな外の世界に、ジュニアたちはみな心奪われるが、7年もたてばその興奮などは冷めてしまう。しかし、7年たっても外の世界を忘れられないシスターがいた。マザーからの信頼が厚い、優等生のシスター・マルエナ。彼女は、7年前にたった一度だけ会った男を忘れることができず、彼女を純粋に慕うジュニアや、「男は悪魔」と言い放つ仲間たちの中で、一人静かに葛藤していた。

「読み手の想像力に委ねたい」と著者が語るこの作品。作中のシスターたちは口数少ないが、読み手の想像力をかき立てる材料が、あらゆるところに散りばめられている。まず、題名からして不穏な空気でいっぱいだ。「かごめかごめ」と聞けば、続けて「籠の中の鳥は いついつ出やる」という、童謡の歌詞が自然と思い出される。修道院は籠なのか、シスターたちは閉じ込められている鳥なのか、シスターはいつかその籠を出て行ってしまうのか、そんな考えが頭をよぎる。

二字熟語が綺麗に整列している目次も、独特な空気を放っている。第1話「聖殿」に始まり、使命、収穫、路傍、献身、祭祀、予兆、喪失・・・と続いていく。題名の不穏さと、美しいほどに余計な言葉をそぎ落とされた目次だけでも、読み手をこの作品の世界に引き込むだけの十分な力がある。選び抜かれた言葉と、繊細なタッチ、淡い色彩で描かれた絵が何ともマッチしている。

作中の修道院は、実際の修道院とは異なる点も多く、文中ではキリスト教界では聞きなれない用語が使われている。しかし、それが逆に興味深い。キリスト教を匂わせつつ、オリジナルな世界観を描くことで、そこに生きるシスターたちの語られない思いが浮き彫りになってくるように感じられる。

作品の帯には、もの悲しい作品なのか、と思わせるような、「満たされることのない心」「置き去りにしてきた喪失感」という言葉が並べられている。しかし、読後感はむしろ爽やかで、何だか懐かしさを感じるような既視感を覚える。なぜかと少し考えて、気が付いたのが映画『サウンド・オブ・ミュージック』。ちょうど今年で製作50周年を迎えるあのミュージカル映画と、この作品の放つメッセージが表裏一体であるかのように感じられたのだ。

『サウンド・オブ・ミュージック』の修道女マリアも、修道院の外の世界で人を愛することを知る。神に仕えると決めたはずの自分が、男性に惹かれていることに気付いたマリアは、罪を犯したと恐れて修道院に戻り、院長に懺悔(ざんげ)する。しかし、そこで院長がマリアに語った言葉は、彼女の思いもしないものだった。「神への愛と、男女の愛は同じもの。困難を乗り越え、自分と向き合って進むべき道を見つけなさい」。

この院長の言葉を、同じ境遇で苦悩するシスター・マルエナに心の中で語り掛けてみたら、最後のページに描かれたマルエナの表情に笑顔が見えた気がした。

『かごめかごめ』:池辺葵著、秋田書店、2014年9月20日発行、定価1200円(税抜)

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