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10代を失う宗教 米心理学者のグループが最新研究発表

2015年6月5日17時29分 翻訳者 : 木下優紀
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関連タグ:米国
10代を失う宗教 米心理学者のグループが最新研究発表+
(写真:Francisco Osorio)

最新の研究によると、宗教団体は10代の若者を失っているという。その研究では、ミレニアル世代と呼ばれる今の若者は、それよりも上の年代よりも、宗教的でないだけではなく、霊的でもなくなってきていると警告する。その傾向の例外は、黒人社会と政治的保守派だけだという。

今回の研究結果は、ジェネレーションX(1960年代初頭〜80年代初頭の約20年間に生まれた世代)に次ぐミレニアル世代(1980年〜90年代に生まれた世代)は、組織された宗教を拒否しつつも霊的なことには関心があるという、これまでの見方に異議を唱えている。

彼らはむしろ、調査やアンケートで、自身の宗教についての問いに「なし」と回答しており、「なし」と答えるグループは一定の集団として表れている。

研究結果からは、ミレニアル世代は、その上の世代よりも宗教団体への同調が少ないだけではなく、人生において宗教が重要だと考える人が少なく、霊的でなく、祈りや瞑想(めいそう)に費やす時間も短いという傾向がみられる。

米サンディエゴ州立大学の心理学者、ジーン・トウェンギ教授の研究グループは、1966年から2014年にかけて、数カ国の思春期の若者1100万人を対象に行った調査データの分析から、宗教的習慣の減少は世俗化へ向けた動きであり、これまで少数派であった無宗教者の増加となって表れているとする学術論文を、米科学誌プロスワンで発表した。

この現象は、女子、白人、そして米国北東部で最も顕著であった。逆にアフリカ系米国人では無宗教者は明らかに少なく、政治的保守派では全くみられなかった。さらに、より高収入の家庭の構成員、自分自身に対する肯定的な見方をする人、社会的支援の必要性が低い人は、宗教への関わりが少ない傾向がみられた。

「2010年代における米国の思春期の若者は、平均的に見て、ベビーブーマーやジェネレーションXが思春期であったときより宗教的習慣が少ない」と、トウェンギ教授の研究グループの論文にはある。「以前の研究と違い、私たちの研究からは、ミレニアル世代の宗教への関わりの減少は文化が変化したためであり、ミレニアル世代がより幼く不安定だからではないということが示された」としている。

また、重要な点として、この減少傾向は、宗教、霊性、祈りの重要性にも広がっている。これらが若者たちに与える影響はより小さく限定されており、若い米国人は宗教的ではなくなってきたが、霊的でなくなっているわけではないという、これまでの考えとは矛盾する結果となっている。

礼拝に参加する米国の若者は、現在では減ってきている。トウェンギ教授によれば、2010年代にこれまでの人生で礼拝に全く出席したことがないと答えた大学生は、1970年代初頭と比較して2倍に増えているという。

この研究結果からは、思春期に宗教的習慣を持つことは重要であることがうかがえる。宗教的であることは、リスクのある行動を減らし、より社会的役割を果たし、虐待が少なく、より身体的に健康であるという、さまざまな面でポジティブな要素と関わりがあるからだ。他の若者に比べ、宗教的な若者は、抑うつ、不安や他の精神医学的な問題を抱える傾向が少なく、パートナーに対して誠実であるなど、強い人格性を示す傾向がある。しかし、宗教は恥の感情や、一定の行動に対する罪悪感を呼び起こしかねず、悩みや苦しみの原因ともなり得る。

研究者たちはまた、米国人は西欧諸国よりもより宗教に深く関わっている傾向があり、非常に興味深いとしている。

以前の研究では、ミレニアル世代は、共感することがより少なく、包括的な不安に対して非常に個人的であり、よりポジティブな自己観と、他者や大きな団体への信頼の減少を示している。「このパターンは、宗教がしばしば特定の施設を根拠とし、より社会的価値に焦点を置くことを考慮すれば、宗教的習慣の減少と関わりがあるのではないかとみられる」と論文にはある。また、「もし宗教が社会的ルールを押し付け、自由を制限する支配力とみられているならば、このことは宗教への関わりの減少とつながるだろう」と警告している。他の研究もまた、個人主義と不可知論を結び付けている。

また、1970年代初頭と比べ、母親が特に宗教と関わりがないと答えた若者は4倍、父が宗教と関わりがないと答えた若者は2倍以上に増えた。学生の宗教への関わりとその親の関わりの間のギャップは広がり、宗教に触れることなく育った学生の増加と、大学に入学する際に家庭を離れることで、親の宗教を捨てる学生の増加が予測される。

「何らかの宗教への関わりを持っている人がほとんどだが、全く関わりがないという人も増えている。宗教は社会的アイデンティティーの重要な一部であり、コミュニティーの意思として、しばしば道徳的価値観を育てる存在であることは言及に値するだろう。多くの人は、宗教を意味のあるシステムであり、問題に対処するためのリソースであり、社会的サポートだと考えている。宗教的習慣の減少により、これらのリソースを持つ若者は減っているといえる」と論文には書かれている。

論文にはまた、宗教が若者の発達において伝統的に関わってきた重要な役割からして、こういった変化は将来に影響を与えるだろうとも指摘している。

※ この記事は、英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。
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