Skip to main content
2025年8月20日11時06分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化

『アブラハム渓谷』など ポルトガル映画界の巨匠オリヴェイラ監督しのび、上智大で講演会

2015年6月3日19時03分
  • ツイート
印刷
関連タグ:上智大学
『アブラハム渓谷』など ポルトガル映画界の巨匠オリヴェイラ監督しのび、上智大で講演会+
上智大学外国語学部ポルトガル語学科のネーヴェス・マウロ・ジュニオール教授(ヨーロッパ研究所所員)。ネーヴェス教授は世界中の映画や音楽に造詣が深く、マノエル・ド・オリヴェイラ監督には1998年のポルトガル・リスボン万博などで2度インタビューしている=5月29日、上智大学中央図書館(東京都千代田区)で

今年4月、ポルトガル映画界を長年支え、巨匠と呼ばれたマノエル・ド・オリヴェイラ監督が106歳で他界した。上智大学ヨーロッパ研究所は、オリヴェイラ監督の死をしのび、同大中央図書館(東京都千代田区)で5月29日、「ポルトガル映画の巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ その光と影」と題した講演会を開いた。同大外国語学部ポルトガル語学科のネーヴェス・マウロ・ジュニオール教授(ヨーロッパ研究所所員)が、これまでの研究とオリヴェイラ監督へのインタビューの内容を踏まえ、長いキャリアの中で生み出された作品の中から4本を選んで、映画の詳細な分析をするとともに、オリヴェイラ監督の映画界での歩みについて語った。

日本でオリヴェイラ監督の存在が知られるようになったのは、1994年に公開された、旧約聖書の話をモチーフとした『アブラハム渓谷』。この時、オリヴェイラ監督は既に86歳だったが、その後も『階段通りの人々』や『メフィストの誘い』など数多くの作品が日本でも公開されており、根強いファンを持つ。ただ、オリヴェイラ監督が自由に映画を撮れるようになったのは、高齢になってからだという事実はあまり知られていない。

講演の中で、最初に紹介された『アニキ・ボボ』(42年、日本未公開)は、デビューから10年目にして初めて劇場用長編映画として上映された作品だ。映し出された映像からネーヴェス教授は、オリヴェイラ監督の3つの特徴「ロングショット」「少ないセリフ」「俳優への演技指導」を挙げた。また、オリヴェイラ監督はインタビューの中で、「子どもたちが直面する問題は、大人たちが抱える問題の本質的な未熟さと変わらないことを表現するつもりだった。また、善と悪、愛と憎しみ、友情と忘恩とは何かを見せたかった」と話したという。

『アニキ・ボボ』以降、撮る映画は、観客、映画会社、ポルトガル政府から批判を受け、不遇な時代が続くことになる。しかし、74年にポルトガルで起きたカーネーション革命により、独裁政権が崩れたことで、好きなように映画を撮れるようになったという。この時既に60歳を越えていたが、90年からは亡くなるまで年1本のペースで長編映画を製作し続け、観客を驚かせ続けた。

次に紹介されたのは、『ノン、あるいは支配の空(むな)しい栄光』(90年)。この作品はオリヴェイラ監督の作品の中で、最もポルトガル的なものだという。ポルトガル史上最大の詩人といわれるカモンイスが書いた叙事詩「ウズ・ルジアダス」の中で描かれたポルトガルの栄光を、20世紀にポルトガルが行ったアフリカ植民地化とその終えんを重ね合わせた作品だ。この作品を撮った後、精神病院の患者と思わしき人々が、西欧における罪の論理について語っている『神曲』(91年)も発表している。

3番目に紹介されたのは『永遠の語らい』(2003年)で、西欧のイメージが最も鮮やかに打ち出されている作品だという。特に後半部分、船上でのディナーの席上で、米国人、フランス人、ギリシャ人、イタリア人が自国語で話してもそれぞれ理解し合えるが、ポルトガル人が入ると全員英語で話すようになるというシーンがある。ネーヴェス教授は、このことを通して、西欧においてポルトガルがどういう存在であるかを示していると指摘した。

上智大学ヨーロッパ研究所主催『ポルトガル映画の巨匠マノエル・デ・オリヴェイラ その光と影』
この日参加したのは約40人。オリヴェイラ監督やその映画について専門的な質問が出された。

最後に紹介されたのは、『第五帝国:セバスチアン国王の決断』(04年、日本未公開)。この作品の中で、オリヴェイラ監督は、14世紀ポルトガルのセバスチアン国王がたどった数奇な人生とポルトガルを危機に陥れる運命を再び主要なテーマとし、宗教によってまひさせられる恐怖を見事に表現しているという。オリヴェイラ監督は00年以降、ポルトガルの歴史と宗教を問題にした映画を撮るようになり、この映画でもこの2つに重点が置かれている。

スペイン・ガリシア地方でイエズス会が運営する高等学校に通ったオリヴェイラ監督の映画には、聖書的な解釈がどうしても必要となるシーンが多い。ネーヴェス教授も「それはオリヴェイラ監督がクリスチャンだったことに関係するのだろう」と話す。生前、オリヴェイラ監督は「聖書の話は好きだが、教会を通してのみの解釈はしたくない」と語ったという。また、ポルトガルの過去の歴史から、政治と宗教が結び付くことに非常に危機感を抱いていたことをネーヴェス教授は明かし、今起きている中東での問題にまで言及した。

ネーヴェス教授は、世界最年長の現役映画監督であったオリヴェイラ監督を、文字どおり、「映画人」であるとたたえ、その存在は世界の映画史上に名を刻み、永遠に消えることはないと言って講演を締めくくった。

この日参加したのは40人。オリヴェイラ監督の撮影現場を見学したことがあるという女性は、「監督のみずみずしい感性にあらためて感動した。映画をよく知らなくても、映像があったので、参加者は皆楽しめたと思う」と感想を話した。

関連タグ:上智大学
  • ツイート

関連記事

  • 盲ろうの少女と修道女の出会いが起こす奇跡の実話 映画『奇跡のひと マリーとマルグリッド』、来月公開(動画あり)

  • 映画を通し愛と平和考える 日本カトリック映画賞・シグニス平和賞授賞式

  • 「美術館紹介の映画ではない、人間ドラマだ」 映画『ヴァチカン美術館 天国への入り口』公開記念トークセッション

  • スコセッシ監督の映画『沈黙』キチジロー役に窪塚洋介

  • 上智大、イスラム教徒の学生向けにハラル食の提供スタート

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • 世界福音同盟、新総主事にアラブ系イスラエル人弁護士を選出

  • ワールドミッションレポート(8月20日):オランダ ペルシャ語教会の静かなるリバイバル(3)

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(240)聖書と考える「レプリカ 元妻の復讐」

  • ワールドミッションレポート(8月17日):オランダ ペルシャ語教会の静かなるリバイバル(1)

  • ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に

  • 米韓政府の政策で対北朝鮮ラジオ放送が80%減少、キリスト教迫害監視団体が懸念

  • ワールドミッションレポート(8月18日):オランダ ペルシャ語教会の静かなるリバイバル(2)

  • 福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 世界福音同盟、新総主事にアラブ系イスラエル人弁護士を選出

  • 米韓政府の政策で対北朝鮮ラジオ放送が80%減少、キリスト教迫害監視団体が懸念

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • いのちの書に名を記される幸い 万代栄嗣

  • 嫌いと無関心 菅野直基

  • シリア語の世界(30)シリア語新約聖書の和訳(1)マタイ福音書からテサロニケ人への手紙第二まで 川口一彦

  • 主は生きておられる(240)黒い雨 平林けい子

  • ワールドミッションレポート(8月17日):オランダ ペルシャ語教会の静かなるリバイバル(1)

  • 根田祥一氏の敗訴確定、最高裁が上告棄却 本紙に対する名誉毀損で賠償命令

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

  • ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に

編集部のおすすめ

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.