宗教者九条の和、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回させる決意を表明

2014年9月24日21時30分 記者 : 行本尚史 印刷
宗教者九条の和、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回させる決意を表明
第4次集約集会の様子=19日、参議院議員会館(東京都千代田区)で

仏教者やキリスト者などがつくる平和運動団体「宗教者九条の和」は19日、参議院議員会館(東京都千代田区)で、「集団的自衛権の行使は戦争です 『集団的自衛権の行使に反対し、いのちと憲法9条を守ろう』宗教者共同アピール第4次集約集会」を開催し、7月1日に集団的自衛権の行使を容認した安倍内閣の閣議決定を撤回させる決意を表明する集会アピールを採択した。

経過報告を行った同会の武田隆雄氏(日本山妙法寺僧侶)によると、昨年11月以来集めてきた同会の共同アピールの署名者数は今回で6964人に達した。「昨年の9月19日には、96条改定反対署名が1万人に到達した。宗教者(共同アピール)の署名を何とか1万人に到達させたい」と抱負を語った。

経過報告に先立って主催者挨拶をした日本キリスト教協議会(NCC)の小橋孝一議長は、7月7日に世界教会協議会(WCC)中央委員会が採択し発表した「日本国憲法第9条の再解釈についての声明」の要点を読み上げた。そして、8月4日にWCC議長のチャン・サン牧師・博士が、同声明文と「核から解放された世界に向けて」(参考:本紙による日本語訳)というWCC中央委員会の2つの声明文を携え、首相官邸で菅義偉官房長官に会見したことを報告した。

状勢報告を行った高田健氏(許すな!憲法改悪・市民連絡会)は、社会全体が「茶色」に染まるファシズムを批判したフランスの心理学者フランク・パヴロフの寓話『茶色の朝』(大月書店、2003年)を引き合いに出しつつ、報道機関や憲法集会、国会周辺デモが、安倍政権の意向を忖度(そんたく)する統制を受けつつある現在、このままでは日本がみんな「茶色の朝」になると警告した。

そして高田氏は、全19人の大臣のうち右翼の「日本会議」のメンバーが16人、国家神道を掲げる「神道政治連盟」のメンバーが18人もいる安倍内閣は本当に危険だと指摘。安倍晋三首相は戦争関連法制案の一括審議・強行採決を今年の7月から来年に延期して考えており、自衛隊を海外で戦えるようにして軍事予算を増強していると述べた。

その上で高田氏は、集団的自衛権行使反対や原発反対の世論があることを背景に、戦争ができる国づくりを進めていると指摘される安倍政権に対し、「壮大な『同円多心』型のネットワークを形成して闘い、その中で宗教者もしっかりと芯としての柱を立てる運動を作ろう」と強く呼び掛けた。

状勢報告を行う高田氏(左から2人目)

「まだ諦める必要はない。非暴力による抵抗をしなくてはいけない。宗教者の皆さんが頑張ってこられたこの運動をぜひ継続、発展させていただいて、そしていろんな共同行動の重要な呼び掛けをしていただいて、力を作りたいと思う。今やらなければいけない時だと思う」と高田氏は強調した。

高田氏はまた、「日本は(盾だけでなく)矛(ほこ)にもなると決めた今、日米ガイドラインの改定に反対する課題ということが非常に大事になる。どんなとんでもない日米ガイドラインになるのかをお互いに勉強したいと思う」と付け加えた。

平和を実現するキリスト者ネット(キリスト者平和ネット)事務局代表の鈴木怜子氏は、この半年間で日本の武器の開発や輸出が進められていると指摘。内閣府に対して4月1日の防衛装備三原則の撤回を求めたと語るとともに、日本の武器輸出の動きを見張っていただきたいと訴えた。

そして、集会アピール案が読み上げられ、採択された。司会者の石川勇吉氏
(浄土真宗大谷派僧侶)は、このアピールを近日中に全国会議員に届けたいと語った。

閉会の挨拶で、日本カトリック正義と平和協議会事務局長の大倉一美神父は、「粘り強く、諦めないで、戦争(に)No!ということを言い続け、命を懸けてやらなければならないだろうと思う」と語った。

そして大倉神父は、第2次安倍内閣の国家公安委員長・内閣府特命担当大臣である山谷えり子氏について「(山谷氏は)カトリックなのに神道政治連盟(国会議員懇談会)に入っている。在特会に友達がいるなんて知らないというのはうそだ。私は恥ずかしいと思う。しかもカトリックの信徒で神道を拝んでいるというのは異端者だ。私はそういうことも伝えていこうと思う。第5回目(の集約集会)にはもう少し人を集めてお祈りの声を上げたいと思う。この運動を広げていきましょう」と語った。

キリスト者政治連盟(キ政連)の糸井玲子氏は、キリスト者平和ネットのニュースレター(No.149)に自らが記した記事に触れつつ、8月5日に内閣によって了承された平成26年版の『防衛白書』の内容について、「もうすでに集団的自衛権が実行されている。もうすでに軍隊が動き出しているというこの危険な時を、何としても平和に向けていきたい」と報告した。

集会後、参加者らは参議院議員会館前で、戦争反対やいのちを守ること、憲法の尊重・擁護、信教の自由などを訴える祈念行動を行い、カトリック、プロテスタント、日本山妙法寺による平和の祈りを行った。

参議院議員会館前で平和を訴える祈念行動を行う、第4次集約集会の参加者たち

次回の第5次集約集会は11月13日(木)に行われる予定。また、9月27日(土)には午後12時半から宗教者九条の和の主催で「輝かせたい憲法第九条 第10回シンポジウムと平和巡礼 in 東京」がカトリック東京カテドラル関口教会ケルンホールで行われる。詳しくは、宗教者九条の和のホームページで。

第4次集約集会で採択されたアピールの全文は下記の通り。

集団的自衛権の行使は戦争です
「集団的自衛権の行使に反対し、いのちと憲法9条を守ろう」
宗教者共同アピール第4次集約集会
集会アピール

私たち、憲法9条を守るために結集する宗教者は、昨年11月、「集団的自衛権の行使に反対し、いのちと憲法を守ろう」宗教者共同アピールを発表しました。賛同者は現段階で約7000人に達し、その集約集会も、本日第4回目を迎えました。

残念ながら、7月1日、大多数の市民の反対の声を裏切って、集団的自衛権行使容認の閣議決定が下されました。しかも、そのわずか10日後、小野寺防衛大臣とヘーゲル米国国防長官は、集団的自衛権行使を前提に、日米ガイドラインを年内に改定することで合意しました。今後整備される国内法の法案が、改定ガイドラインを前提に作成されるであろうことは、誰の目にも明らかです。

集団的自衛権の行使容認は、「自衛の措置」に名を借りた参戦権に他ならず、日本国憲法第9条の破壊行為です。私たちは、日本国憲法の宣言する「戦争の放棄」こそ、戦争・紛争の防止への最も現実的な道であり、人類のとるべき最良の方法であると確信しています。わたしたちは、集団的自衛権行使容認の閣議決定を決して認めません。断固反対し、この撤回を強く求めます。宗教者の良心をかけて、あきらめず、くじけず、ねばり強く、油断しないで、戦争反対の世論を高め、国内外の協調者を増やし、必ずこの閣議決定を撤回させる決意を表明します。

私たち宗教者は、このような戦争への道づくりを断固阻止し、いのちと憲法9条を守ることを訴えます。

2014年9月19日
「集団的自衛権の行使に反対し、いのちと憲法9条を守ろう」
宗教者共同アピール第4次集約集会 参加者一同
(参議院議員会館101会議室にて)

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