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“西洋的・知的”なキリスト教から“日本”のキリスト教へ 日本におけるキリスト教宣教の分析と3つの提案(2)

2014年2月24日12時21分 記者 : 内田周作
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関連タグ:東京基督教大学(TCU)トマス・ヘイスティングス

日本の宗教的分業社会におけるキリスト教

宣教的教会論の聖書的、歴史的、文脈的、終末論的、実践可能であるという5つの特徴を紹介した後、ヘイスティングス氏は、日本の教会が直面する最も頭を悩ませる、また将来にわたって続くであろう文化的問題として、日本社会では宗教的分業があることを挙げた。

「日本における宗教的分業の特徴の1つは、幾つかの宗教的伝統が、社会的な関係において生涯にわたって相互に作用し合っているということです。それほど正確であるとはいえませんが、一般的に日本人は何か祝い事があれば神道、恋に落ちればキリスト教、死に直面すれば仏教、家族や学校、職場で考えたり話したり行動するときには儒教という具合です」とヘイスティングス氏。「初詣に神社へ行き、お父さんはクリスマスには家にクリスマスケーキを買ってくる。カップルはクリスマスにデートを楽しみ、また多くは教会スタイルの結婚式を選ぶ。お葬式ではお坊さんが呼ばれ、盆や彼岸には墓参りをする。社会での関係においての倫理的な事柄については、儒教の教えに沿った考えで行動する」

一方、こうした宗教的分業がある中、結婚式と葬式についてはより流動的だと言う。1982年には、約90%の結婚式が神道式で行われたが、教会式はわずか5・1%だった。しかし、1998年には教会式の挙式は53・1%にまで増え、神道式は32・3%にまで減った。一方、葬儀については仏教式が多いが、こちらも少しずつ減少しつつある。特に都市部では、個人葬、自然葬と呼ばれる葬儀形式が増えつつあるという。

こうした結婚式や葬式における割合の劇的な変化にもかかわらず、自らキリスト者であると告白するキリスト教徒は依然として1%程度だ。こうした外的な宗教的変化(結婚式が教会式で広く行われるようになる)があるのにもかかわらず、実際の宗教的変化(キリスト者の増加)がないのは、日本人の宗教的アイデンティティーが複数の宗教に依っているためだという。例えば、ある研究は、日本人のプロテスタント信徒の25%は自宅に仏壇を置いている。ヘイスティングス氏は、この割合については主流派と福音派で違いはあると思うとしつつも、「個人的な信仰告白とは関係なく、日本人はその社会で生きる限り、宗教的混合の現実を避けられないのではないか」と語った。

「西洋のもの」と認識される日本のキリスト教

こうした状況下で宣教を進めて行くとき、日本のキリスト教徒は常に「西洋のもの」として認識されてきた。実際、日本の代表的な神学者の1人である北森嘉蔵(1916~1998)は、著書『日本人と聖書』の中で、キリスト教とはまったく関係のない仏教徒の家庭で生まれたため、子どもの時に初めて教会を見た際、すぐさま外国人が住む異人屋敷だと思ったと告白している。当時は教会が非常に異様に見えたと言い、子どもながらにこのような教会にいる人々は一般の日本人とはどこか違うと思ったという。非日本人的な日本人が教会に通っていると思ったと語っている。

ヘイスティングス氏は、海外との交流の多いカトリックは多少状況が違うかもしれないとしつつも、韓国や中国、台湾また世界の他の国々のプロテスタント信徒は自身のアイデンティティーをより教会と結び付けてきたのに対し、日本のプロテスタント信徒たちはこれらの状況から自身のアイデンティティーをより西洋と関連付ける傾向が強くなったのではないか、と指摘した。実際、ヘイスティングス氏は、2003年に発行された神学書について調査を行っており、同年発行された765冊の神学書籍の内、53%に当たる405冊が英語あるいはドイツ語からの翻訳であった。また残りの書籍も多くは西洋の神学者について、あるいは西洋で論じられている神学的課題についてのものだったという。

こうした日本のキリスト教の西洋への傾倒は、日本の宗教的分業をより大枠で捉えるときにさらに明らかになるという。ヘイスティングス氏は、日本の宗教的分業として、神道、仏教、キリスト教を下記のように分けた。

1)神道:土地の宗教
各地における神社で行われる周期的な行事、天皇制、靖国神社などによって位置付けられる地域的、国家的アイデンティティー。

2)仏教:家の宗教
墓参りや、仏壇で先祖を拝んだりする日常的、季節的な宗教的行為によって、世代をまたいで位置付けられるアイデンティティー。

3)キリスト教:個人的選択の宗教
教会の気の合う人同士の交際によって成立する個人的なアイデンティティーと、西洋と関連付く非常に知的なアイデンティティー。

「個人的選択の宗教」としての日本のキリスト教を示す顕著な例

ヘイスティングス氏はまた、東京神学大学で教授を務めていた際、ある教会から招かれ信仰継承について講演したときのことを例にして、日本におけるキリスト教の「個人的選択の宗教」としての性格を語った。講演では約90分にわたって旧約聖書からイスラエルと教会史に属する家庭における信仰継承の密接な関係について語ったが、質疑応答の時間に、ある中年男性が次のように語ったた。

「明治初期から現在に至るまで、われわれ日本人のプロテスタント・キリスト者のほとんどは人生のどこかで挫折を経験し、偶然、教会の牧師と出会い、その先生の教えの下で初めて聖書のメッセージを聞き、多くの場合家庭の意志に反して、いつかキリストに負けてしまっただけです。今の世の中で、例えば家に幸せに暮らしている2人の娘がいますが、彼女らが私と同じ挫折を経験するとは思いません。正直に言って、親としてそのような経験をしてほしくないと思います。もちろん私個人として、キリストに負けてしまって、教会に導かれたことを感謝していますが、ヘイスティングス先生が言っているような信仰継承と家庭の宗教的役割の大切さなどの話は、日本のキリスト教の現実に全然当てはまらないと思います」

ヘイスティングス氏はこの男性の発言について、「日本のプロテスタント諸教会の全体像を表すわけでもなく、客観的分析でもありませんが、ある特徴を適切に言い表しているのではないかと思います」と言う。

そしてヘイスティングス氏は、こうした日本のキリスト教の状況を踏まえて見えてくる緊急の宣教的課題は、「いかにして日本のキリスト教が非常に個人的で西洋的な宗教であることから脱却し、日本の一般家庭の、また地域社会の、そして国のアイデンティティー、さらには人類全体へと結び付けるアイデンティティーとなり得るのか」ではないかと指摘した。(続く)

■ “西洋的・知的”なキリスト教から“日本”のキリスト教へ:(1)(2)(3)

関連タグ:東京基督教大学(TCU)トマス・ヘイスティングス
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