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今日の今がスタートだ! 佐々木満男・国際弁護士

2013年12月16日18時42分
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佐々木満男+

―神はこう言われる、「わたしは恵みの時にあなたの願いを聞きいれ、救いの日にあなたを助けた」。見よ、今は恵みの時、見よ、今は救いの日である。(Ⅱコリント6章2節)

後悔先に立たず

「『ぜひ君が社長になってくれ!』 大学時代の仲間に強引に頼まれ、長年勤めた商社を辞めて彼の会社に転職しました。ところが、一年もたたないうちに社内の主導権争いに巻き込まれ、社長を首になってしまいました。商社を辞めなければ、私には役員に昇格する道が待っていたのです。このまま放り出されたら、今の私には行き場がありません。なんというばかな決断をしてしまったのでしょうか。どう悔やんでも悔やみきれません」

食事ものどを通らず、睡眠不足で憔悴しきった元エリート商社マンから、社長の地位を取り戻すための法的対策について相談を受けました。自分を誘っておきながら首にした仲間をひどく恨み、「殺してやりたいくらいです!」と言うのです。しかし、社長解任の手続きは会社の顧問弁護士によりすべて合法的に行われています。

「残念ですが、法律的な対抗策は何もありません。でも、あなたほどの経歴があれば、ほかの会社に勤めるなりして、新しく出発する道はいくらでもあるのではないですか?」

「いや、もうだめです。今のご時勢、一度退職した五十すぎの男がいくら探したって、まともな職はないのです。転職に反対だった家内からは毎日非難され、家庭もがたがたです。あんな誘いに乗らなければよかった。私のこれまでの人生は一体何だったのでしょうか。いっそ、だれも知らない所へ行って死んでしまいたい」

「ちょっと待ってくださいよ! 一度転職に失敗したくらいで、死ぬの殺すのというのは大げさ過ぎませんか? 温泉にでも行って気分を変えてみたらどうでしょうか? 新約聖書を一冊差し上げますから、ホテルでゆっくり読んでみてください。きっと、生きる希望が湧いてきますよ」

「そんな余裕は私には全くありません。私はどうしてもあいつが赦せないんです。あいつを殺して自分も死んでやります!」

こう言い残し、聖書を手にした彼は意気消沈して帰っていきました。

第三者から見ればなんとでもなると思えることでも、心が深く傷ついている当の本人は、過去の忌まわしい出来事を忘れることができないのです。そうすると将来の可能性に思いを向けることができません。

「もうだめだ、もう立ち直れない」と、ますます絶望的になっていきます。

今日の今がスタートだ!

私たちはいつも、さまざまな困難や問題にぶつかります。失望したり挫折したりの繰り返しです。絶望して、「死んでしまいたい」と思う時もあるでしょう。でも「絶対にもう立ち直れない」などということは、「絶対にない」のです。自分が過去の失敗にこだわって、将来の希望と可能性に目を向けることができないだけなのです。

どんな時にも、「今日の今がスタートだ!」と自分に言い聞かせるといいですね。あなたにとって、「今日というこの一日」が全く新しいチャンスです。「今というこの一瞬」が全く新しい可能性なのです。

先ほどの元商社マンは学生時代、山岳部に所属していました。「聖書を何度も読んだがよくわからない。やっぱり死のう。どうせ死ぬなら、好きな山に登って美しく死んでやる!」と、真冬の雪山登山を決行しました。絶壁の山頂に立ち、人生最後の達成感を味わってから、はるか眼下の積雪の中へ飛び込んで凍死しようと計画したのです。

氷点下の大気に白い息を吐きながら、死の山頂を目指し、林の中を雪を踏み締めて一歩一歩登っていきました。生まれてからこれまでのシーンが走馬灯のように巡ります。そうして前進していくうちに、次第に憎しみや悲しみが消えていきました。大自然の生命力に感動を覚え始めました。

すると急に視界が開け、白銀に輝く山々が彼の目の前に立ちはだかったのです。雄大で神秘的な美しさに圧倒された彼は、思わず三十分以上もその場に立ちすくんでしまいました。

「私はそこに聖書に書かれている天国を見ました。恐れも悲しみも涙も苦しみもない、すばらしい世界です。永遠に続くと思われる未来への明るい希望が輝いていました。『過去なんかどうでもいい! 今日の今がスタートだ! よしやるぞ!』。生きる勇気が湧いてきました。心の底から熱いものが込み上げてきて、あまりのうれしさに大声で男泣きに泣きました」。彼はこの時の感動をこう表現しました。

「私は自分の愚かさをはっきり悟りました。仲間の誘いに乗ったことの愚かさではなく、転職に失敗したことくらいで、人を憎んだり自分の命を断とうとしていることの愚かさです」

山頂に立った彼は、さらに壮大な天と地の無限の広がりを眺望し、意気揚々と胸をときめかせて下山したのです。残された遺書を読み、心配して集まっていた家族や親戚は、別人のように元気で帰宅した彼を見て、心から驚きました。

彼は聖書を学んでイエスを信じました。そして自分を裏切った仲間を赦したのです。

あなたにとって、まさに今日の今が新しいスタートです。聖書によれば、あなたの神は「希望の神」です。あなたの前にはいつも、希望と可能性に満ちた将来が、明るく輝いているのです。

◇

佐々木満男(ささき・みつお)

国際弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。インターナショナルVIPクラブ(東京大学)顧問、ラブ・クリエーション(創造科学普及運動)会長。

■外部リンク:【ブログ】アブラハムささきの「ドントウォリー!」

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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