2013年2月から3月初旬にかけて全国10カ所で開かれる超教派聖会「日本ケズィック・コンベンション」のプレ集会が11月27日、東京都台東区のウェスレアン・ホーリネス教団浅草橋教会であり、各地区の代表者をはじめ、教職信徒ら約50人が集まった。同中央委員長の峯野龍弘氏は、「いわゆるきよめ派と呼ばれる人々の集いという印象を払拭し、神の御言葉の聖なる解き明かしの前にあらゆる教団教派が中垣を取り払われて、一堂に会することができるように」と語り、同聖会の標語「みなキリスト・イエスにあって一つ」(ガラテヤ3・28)の実現を訴えた。
この聖会は1875年、イングランド北部の湖水地方にあるケズィックという小さな村で始まり、霊的聖さを願う世界中のキリスト者の間に広まった。ケズィックでは現在も毎年聖会が開かれており、3週間の会期中に1万人以上のキリスト者が教派を超えて集まっている。
日本では、1962年に「日本キリスト者修養会」が箱根湯本三昧荘で開催されたことが基盤となり、後に英国ケズィック本部の了承を得て、「日本ケズィック・コンベンション」が誕生した。現在では毎年2月から3月初旬にかけて、北海道から沖縄まで全国10カ所で集会が開かれている。
聖会の一貫したテーマは、「みなキリスト・イエスにあって一つ」(ガラテヤ3・28)。聖会の中心となる講解説教では、特定の教理によらない聖書全巻的な調和を重視している。毎年、約90を超える教団教派から教職信徒が参加し、全国合わせての参加登録者総数は多いときで約3千人に上る。
この日の集会では、大阪大会の副委員長で基督兄弟団大和教会主任牧師の長内和頼氏が、善いサマリア人のたとえ(ルカ10・25~37)を本文に講演した。長内氏は、「この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います」(同35節)とのサマリア人の言葉を強調し、人を信仰に導くためには多くの犠牲を要するとしつつも、「あふれる驚くべき神様の御救いの恵みのうちに入れていただいている。それだけの恵みをあずかった私たちが、福音を証しするためにどれだけの犠牲を払ったとしても、いただいた恵みでは足りませんでしたと言えるだろうか」と力を込めた。
長内氏は、本文について「幾重にも深い意味がある」とし、「(本文の)気の毒な旅人は他ならぬ私自身だということもできる」と話した。本文のサマリア人については、「人となってあがないを成し遂げられたイエス様ご自身の姿」と語り、「イエス様がすべてのクリスチャンに対して、隣人というのはこういうものだと。これが、神を愛し、人を愛して生きる者の日常的な姿だということを、サマリヤ人の行いを通してお示しくださって、あなたもそうしなさいとお迫りくださっているのではないか」と説いた。
長内氏は、「私たちが何のために生かされているのか」と問い掛け、「神様はどんなに恵み深く、憐れみ深く、偉大なお方であるかということが、小さな私たちの存在を通して神を信じない人にも明らかにされるという目的のために、いまここに置いていてくださる」と説いた。そのうえで、「イエス様の御心をしっかりと受け止めて、神様に喜ばれる信仰の従いとご奉仕にまい進しようではありませんか」と訴えた。
集会では、沖縄大会委員長の齋藤清次氏が司会を務め、九州大会委員長の横田法路氏が信仰の証しを語った。また、大阪大会事務局長の安田正氏が感謝祈祷、中央委員の村上宣道氏が祝祷をささげた。
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