後藤牧人
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日本宣教論(97)西欧化の先駆者型 後藤牧人
多くの日本のキリスト教会は、この第2の型を持っており、無教会派にもこの傾向はかなりあるといえる。これは日本社会の在り方を批判し、どちらかといえば西欧的な人間像の理想を模範と考える傾向である。
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日本宣教論(96)無教会主義型 後藤牧人
無教会主義は、日本に特有の現象である。これは内村鑑三という旧制一高の教師、のちに独立伝道者となった偉人によって創始された。この教派は、教会としての組織を否定し、教職者制を否定し、原則として建物や不動産を所有せず、集会は聖書研究を中心とする。
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日本宣教論(95)日本のキリスト教会の現状 後藤牧人
日本の社会は、このように「イエ」と「職場」の2つの強力な共同体が存在し、人間はそこで安定感を得ている。であるから、それに加えて人工的な共同体などを必要としてはいないし、ましてや人為的な擬似共同体のようなものへのニーズや渇きも不在である。
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日本宣教論(94)日蓮 後藤牧人
日蓮は、親鸞とほとんど同時代であった。日蓮の教説は、念仏宗に対する異議申し立ての要素が強いように思われる。彼は法華経の復権をはかり、仏教の正統を守ろうとしたようである。
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日本宣教論(93)蓮如の道場 後藤牧人
蓮如は、各地に道場を作らせた。これは有力者の自宅のこともあり、または10〜12坪の独立した簡単な建物を作ることもあった。信徒はここにしばしば集まって、信心について話し合うように命じた。
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日本宣教論(92)蓮如の宗教運動 後藤牧人
蓮如の宗教運動は、注目に値する。ざっとその信仰の系譜を、小生なりの不十分な理解ではあるが、紹介すると次のようになる。彼は念仏信仰を広めた。もともとヒンズー教の伝統によれば、「難行苦行」による輪廻(りんね)からの解脱が信仰の基礎である。
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日本宣教論(91)ロサンゼルスの東本願寺仏教教会 後藤牧人
ロサンゼルスで、東本願寺派の日曜礼拝に出たことがある。賛仏歌を歌い、経典の交読があり、信徒を含めての一斉の読経があり、ついで説教僧による説教があった。仏教の教義の一部と道徳的な勧めで、イエスの言葉も巧みに引用されていた。
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日本宣教論(90)米国社会と共同体・その2 後藤牧人
たいていのクラブが、出資者としては相続した資産を持つ者に限定し(建前としては)、自分一代で財産を築いた者は排除される。そういう人間は、粗野だと思われている。「銀のスプーンをくわえて生まれた」者だけの集まりである。
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日本宣教論(89)米国社会と共同体 後藤牧人
米国社会は、共同体の存在という点では日本とはずいぶん違っている。その意味では、米国と日本はほとんど対極にあると言えそうである。職場というものは存在しない。人事は日本流に言えば、非常に落ち着かない。
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日本宣教論(88)綜合型宗教 後藤牧人
キリスト教は、第一から第三に至るすべての機能を有している唯一の宗教である。冠婚葬祭のための諸儀式がそろっており、クリスチャンは教会でそれらに参加する。なお、他宗教による社会儀礼は、クリスチャンには無効であると考えられている。
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日本宣教論(87)日本の宗教・その2 後藤牧人
このタイプの宗教は個人のニーズに応えようとするものである。冠婚葬祭型宗教は、共同体のニーズに応えるが、個人の問題には応えない。そこで第二型の宗教群は奇跡的な癒やし、手っ取り早いもうけ話、成功などを約束し、提供する。
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日本宣教論(86)日本の宗教 後藤牧人
これまで見てきたように、日本の精神文化のすべてが「孤独への機会」という性質を持っているのであるが、宗教においてはどうであろうか。日本の宗教は、概して日本社会に対して3つの役割を果たしている。
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日本宣教論(85)孤独の創造 後藤牧人
日本人は生きるために共同体に所属するが、それはいわば主食である。しかし、かれは精神的な健康を維持するためにわずかの「孤独」を必要とする。それはちょうど、人間が微量のミネラルを必要とするのと似ている。
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日本宣教論(84)2つの共同体からの脱出 後藤牧人
人間は1人では生きていけない。何かに所属することが必要である。自分の所属する小宇宙が必要である。日本の社会を考えると、人々は2つの共同体に所属しており、概して日本人はそれによって所属願望を満たされている、と言える。
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日本宣教論(83)日本人と社交 後藤牧人
日本人は、一般に社交が下手だとされる。業界などのパーティーでも、名刺の交換が終わると、知り合いだけで固まってしまう、などと言われる。初めての人と楽しく会話をすることなど、日本人は不得手である。
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日本宣教論(82)生涯雇用の衰退 後藤牧人
この小論の執筆は、折しも日本の経済が底を打ったと思われている時期に当たっている。企業は旧来の形態を避け、生涯雇用を廃止しようとしている。では、職場の共同体は崩れているのだろうか。
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日本宣教論(81)生涯雇用と共同体 後藤牧人
さて、日本の社会にあっては現在、生涯雇用の慣用が崩れてきている。もしかして、この崩れによって職場の共同体は弱化し、あるいは崩壊していくのであろうか。もし日本社会における「職場の共同体」の基礎が生涯雇用なら、弱体化に向かうだろう。
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日本宣教論(80)家族の共同体 後藤牧人
日本の家族は、米国社会の家族よりもずっと強い絆を持っている。もちろん、そう言い切るのは容易なことではない。2つの社会の家族の内情などというものについては、一般論しか言えないのであって、それは当たり前のことである。
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日本宣教論(79)社会と共同体 後藤牧人
これから考えたいのは、次のことである。それは日本的な価値観が支配している社会の中で「キリスト教会」という礼拝者共同体を形成しようとするとき、どのような日本的現象が起こるのかということである。
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日本宣教論(78)「教会」は日本社会の夾雑物か 後藤牧人
今日までの160年余の日本のキリスト教伝道は、いわば失敗の歴史である。多くの先輩方の労苦を前にして、小生のごとき者がそのような発言をするのは恐れ多いことであるが、なお、世界的に見れば、日本の福音宣教は社会に定着していない。
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