内村鑑三の信仰と主張が21世紀の社会にどのような意味を持つかを考えようと、大阪市立大学名誉教授の佐藤全弘氏による「OCC研修講座」が26日、大阪クリスチャンセンターで開催された。
研修講座は全4回で、今回はその4回目。1回目は、内村鑑三の生涯を詳しい年表を用いながら解説、2回目は内村鑑三がどのように日本と社会の問題で発言をしたのか、3回目は、無教会について佐藤氏が講演した。今回は40人が参加。28人が全4回参加した。
佐藤氏は講演の中で、日本のクリスチャンの平均信仰年数を2年8カ月としたうえで、若者がイエス・キリストを受け入れても信仰が定着し難い現状を、教会が見つめなおすべき、と警鐘を鳴らした。佐藤氏は、「内村鑑三には教師がいた。少人数の弟子がいた。信徒の信仰を定着させるためには、教会内での密接な人間関係も必要だ」と語った。
佐藤氏は大正時代のクリスチャンについて「日本のクリスチャンは人口の0.1パーセント。千人に1人がクリスチャンだった。入信が難しい時代だから相当の覚悟が必要だったはず。いまの時代よりも純粋な信仰を持ったクリスチャンが多かったのでは」と述べ、当時のような堅い信仰を持ったクリスチャンから学ぶべきことは多い、と指摘した。
佐藤氏は、本紙の電話取材に対して「内村鑑三はなぜ、無教会を主張したのか。内村は、聖書と天然自然と歴史を通して神様を知ることが出来ることを伝えた。社会的な主張にとどまらず、万人救済を主張した。本当の福音は、宗教ではない。それは全人類の救済だ」と話した。
佐藤氏は4月から「聖書の自然観」というテーマで研修講座を担当する。
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