アメリカ合衆国は8日、宗教弾圧を行う「特に懸念のある国」として北朝鮮や中国、ベトナムなどアジアの共産主義国家を含む8か国を指定する年次報告書を発表した。ロイター通信英語版などが9日までに伝えた。報告書は同国国務省が毎年、信教の自由に関する各国の現状をまとめているもの。
ライス国務長官は記者会見で、これら8か国について「この一年間、政府が信教の自由を著しく侵害する行動をとったか、これに深く関与した」と説明した。
ライス長官はベトナムについて、2005年に信教の自由の回復に向けた改善があったと評価し、今後改善が続けば、最も懸念される国のリストから外すことが可能と述べ、ベトナム政府に一層の努力を求めた。同政府は今年、信教の自由を保護する新しい法案を国会で通過させたほか、収監されていた14人の教会指導者を釈放、強制閉鎖されていた教会の一部の再開を許可した。
北朝鮮、中国、ベトナム以外の5か国はミャンマー、イラン、スーダン、エリトリア、サウジアラビア。
報告書では、中国、北朝鮮、ミャンマーについて「政権からの独立や信条の内容を懸念し、独裁的指導者が一部または全ての宗教団体を反逆者と見なしている」と指摘した。
礼拝を政府の認可を得た教会だけに制限する中国では、公認教会を含め、指導者や関係者が取り調べを受けたり逮捕されるといったケースが日常的に報告されている。労働施設や刑務所に送還される場合も少なくないという。
また、ここにきて北京市内で取締りが強化されていることがわかった。非公認のキリスト教教会(地下教会)、ウイグル系市民のイスラム教団体、チベット仏教などが厳しい監視の対象となっている。
中国側は米国からのこうした指摘を「内政干渉」と非難する一方で、信教の自由の回復に意欲も示している、とロイター通信は伝えている。来週に訪中予定のブッシュ大統領の動向が注目される。
報告書は北朝鮮に「信教の自由は存在しない」と断罪した。独裁政権による地下教会の摘発、信徒の処刑、拷問は国際的に非難されている。
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