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申鉉錫牧師の「日本宣教の夢」(10)

2007年2月8日05時17分
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申鉉錫(シン・ヒョンソク)牧師+

 桜美林大学(obirin Univ.)の元人気講師、申鉉錫(シン・ヒョンソク)牧師のコラム第10回目です。 このコラムは、韓国オーマイニュース(http://ohmynews.com/)に掲載され、当時大きな反響を呼びました。在日韓国人牧師という立場から、同師が日本宣教への夢を語ります。


◆はじめに


 前回で「日曜日訴訟」に於ける敗訴の原因を挙げたが、一つは裁判官の無理解、もう一つはキリスト教会の無理解とした。今号は後者のキリスト教の無理解について述べることにする。


◆1.「日曜日訴訟」が敗訴


 「日曜日訴訟」が敗訴となったのは1986年(昭61)3月20日であった。敗訴宣言を受けた「日曜日訴訟原告ならびに支援者一同」は同日、次のような声明文を出している。


 「日曜日訴訟第一審判決が、私たちの期待に遥かに遠いものであったことを遺憾に思います。私たちの主張は信仰の見地から当然であり、国の法に照らしても正しく、そのことは十分論証できたと思っておりました。しかし、私たちの非力のゆえに、その正しさを明らかにし尽くせませんでした。この裁判に心を寄せ、助けて下さった内外のすべての人々の前に、心から陳謝しなければなりません。しかし、私たちは裁判所を裁く神の至高の法廷があることを信じ、神の真理が地上の裁判制度を通じても明らかになって行くことを待ち望みますので、弁護団と相談の上、控訴いたします。この裁判の続行によって、滔々たる右傾化の流れの日本の中で、良心の灯をかかげ、今日の教育荒廃にささやかなくさびを打ち込みたいと存じておりますから、皆様のいっそうの御支援をお願いいたします。」1986年3月20日日曜日訴訟原告ならびに支援者一同(「日曜日訴訟」No.24号)


 「日曜日訴訟」の敗訴を知ったのは、留学中のアメリカに於いてであった。それから今後の行方を気にしていたのだが、控訴するという声明文を読んだ時、悔しい思いはあったがホッとする気持ちになった。日本の裁判所がすんなり原告に勝利をもたらしてくれるとは正直思っていなかったからである。当然この裁判は、ともすると最高裁にまで上訴することになるのではないかと思ったものである。一審の地裁での裁判が筆舌に尽くし難い困難の中での裁判であったから、もしかしたら控訴しないことが起こるかも知れないと恐れていたので、裁判後直ちに控訴するという旨の声明文を読んだ時は本当にホッとしたのである。


◆2.「控訴断念」


 「日曜日訴訟」は原告の敗訴に終わったが、控訴することに決まった。ではいつ控訴するのかということに思いを馳せていたが、澤 正彦牧師の『控訴断念についてのお詫び』の文章を読んで大いに驚きまた落胆した。というのは、アメリカから日本へ帰ったときは力を合わせて共に戦い、勝利を勝ちとる決心をしたからであった。ところが、「控訴断念」という言葉に接した時、何故だろう、何があったのかと訝った。
 
 先ず、澤牧師の控訴断念による告白文を読んで、控訴断念は次の諸般事情によるものであることを知った。


 1.当初から「日曜日訴訟」に対する澤牧師ご夫妻の意見の相違があったこと ?弁護士先生の一審判決の敗訴による意気低下と上告審における裁判の敗北予測、従って澤牧師ご夫妻に励ましよりは心理的不安を暗に与えたこと等を読み取ることが出来た。?について言えば「昼過ぎ、もう一度妻と二人で話しあいましたが、一審の裁判中も裁判に多少疑問を投げつづけた妻は、二審には諸般の事情から到底ついてゆけない意思を固くし、私は小さい家庭を割ってまでこの訴訟を続ける意味を見失い、三日三時頃、中平先生に控訴しない旨を電話で申し上げました。私たちは教会で祈り、余りに短い期間に天地が逆転する決断をせざるを得なかった自分へのコントロールを神に委ね、喘ぎ訴えました」という文章からして、控訴断念の決定に至るまでの澤牧師の苦しみと心の葛藤は計り知れないものであったことが推測される。


◆3.控訴断念と支援者の反応


 一審敗訴の後、支援者の同意を得て直ちに控訴に踏み切ることにした澤牧師は、諸般事情によって、控訴断念をせざるを得なかった。その経緯は上に述べたが、では支援者は控訴断念の決定をどのように受け入れたのであろうか。
 
 渡辺信夫牧師は「日曜日訴訟」を戦争にたとえて、「戦争が終わったとき、深い虚脱感に襲われた。そのことをまざまざと思い出すのが今回の日曜日訴訟の幕切れである」と述べられた。戦争が終わったときの虚脱感とはたぶん、あの無意味であった太平洋戦争が終わった時と同じものを味わわれたのであろう。そして「日曜日訴訟に関わって下さった人々がみな私と同じ意識だと考えるわけではないが、運動の中で共通の意識を持った人たちと出会うことが多かった。その人たちにとって敗訴も一つのショックであったが、遥かに大きい打撃は控訴の放棄である。『負けて勝つ』という言葉があるのだから、負けること自体は何でもない。戦わないことこそ恐ろしい。そしてその恐ろしい事態が始まった。


 原告にとっては勿論であるが、支援者にとっても裁判との関わりはなかなか苦しかった。そのために私たちはこの訴訟の意味付けをした。意味があるから、他の仕事を犠牲にすることが出来た。意味のない戦争に意味を持たせようとしていた場合とは全然違う。ところが、意味があるからやらなければならぬ、と自分自身に言い聞かせていたその訴訟がなくなる。支援者にとっては遣り切れない気持ちが残った。戦争の場合のように、あれは虚しかったのだとわかれば、気持の整理はつくが、日曜日訴訟は虚しいものでなかったから、鬱屈とした感情が収まらない。その責任を取れと私に迫る人はいないのだが、私としては責任を感じないわけにはいかない。・・・私は戦争責任に関しては人と一緒に論じるよりも、自分で担うべき重荷を担うほかないと腹を決めた。では、日曜日訴訟に関してはどういう責任があるか。私はこの訴訟には十年余りかかると言ってきた。心にもないことを誇張して言ったのではない。本気で言った以上は責任がある。当事者でないから責任を免除してくれ、と願うことはできない。だが、どうすれば責任を担えるのかはわからない。」


◆4.キリスト教会の無理解


 渡辺牧師を始め支援者の方々が一様にショックを受け、鬱屈した感情まで抱くことになった要因は一体何だったのか。それは「日曜日訴訟」に対するキリスト教会の無理解であったのではないだろうか。渡辺牧師はなおも訴えておられる。「日曜日が権力や公共生活によって侵されることが、キリスト者の苦痛や憤激にならず、そのための戦いが例外的・散発的にしか起こらないという地盤が、今回の敗北の最大原因である」と述べられた。長い引用であったが、渡辺牧師の声は神からのお声である、と筆者は聞く。


◆おわりに


 「日曜日訴訟」の控訴断念によって、戦いがすべて終わったとは思わない。原告であった知恵さんは、「自分が親になった時もう一度この件で訴訟を起こす」と親に言ったという。澤牧師は「私は今度(これから)はこの訴訟は個人が担うのではなく、小さな教会が一つになって担い、日本の全教会が立ち上がって支えるべきだと思います。・・・私は牧師としていつの日かやってみたいと考えています」ということばを残した。そして控訴断念の責任を負う者として「皆様の期待に添えなかったことをお詫び申し上げます」と謝罪した。
 
 澤牧師は心ならずも志なかばに神から早々と召されていった。今後誰かが彼の志を受け継いでくれるのだろうか。「たゆまず善を行いましょう。飽きずに励んでいれば、時が来て、実を刈り取ることになります。」(聖書:ガラテヤ信徒への手紙5章9節)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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